三浦雄一郎さん、エベレスト70歳制覇へ

三浦雄一郎さん、エベレスト70歳制覇へ 2年後、最高齢登頂記録狙う


遠征隊に加わる長女の恵美里さん(左)、次男の豪太さん(右)と三浦雄一氏/撮影
・原島由美子=ソルトレークシティー郊外の自宅で

【ソルトレークシティー(米ユタ州)15日=原島由美子】米国での活動拠点を当地
に構えるプロスキーヤーの三浦雄一郎氏(68)が、世界7大陸最高峰を初めて登頂
したディック・バス氏(71)らと日米合同の中高年チームを組み、2003年4−
5月にエベレスト(8848メートル)登頂に挑む。最高齢登頂記録の更新を目指し
「自らの限界、そして人間の可能性に挑戦したい」という。

登頂を試みる時は70歳。「このまま年を取り続けて人生終わるかどうかの節目。父
(敬三さん=97歳)は100歳近くになっても元気で、毎年海外の山へスキーに出
かけている。自分も再びという気になった」と雄一郎氏。

遠征隊は約20人。最高齢はバス氏だが、頂上アタックの一番手に指名されているの
が年齢で二番目の雄一郎氏。成功すれば、昨年5月に東京都板橋区の山本俊雄さんが
63歳で達成したエベレストの最高齢登頂記録を更新できる。ソルトレークシティー
郊外のスキー場オーナーであるバス氏は、健康に不安がありアタック隊に加われるか
微妙ともいう。

1981年、ともにキリマンジャロを登頂、スキー滑走した雄一郎氏 の娘や息子も
遠征に加わる。長女恵美里さん(40)は総括マネジャー、長男雄太さん(35)は
ベースキャンプで通信を担当。冬季五輪で94年リレハンメル、98年長野と2大会
連続でフリースタイルスキーのモーグル日本代表となった次男の豪太さん(31)は
登頂を目指す。

メンバーはセンサーで血中酸素や脈拍、体温の数値を測定、高齢者の高山での医科学
データの分析を試みる。リュックや上着にソーラーパネルを張って体を温めたり、登
山の様子をインターネットで生中継したりする計画もある。

「世界の最高峰に挑戦しながら、自らが高齢者の健康づくりや高山医学などの実験材
料となる。究極のアドベンチャーじゃないですか」と雄一郎氏。4月から富士山やヒ
マラヤでトレーニングを積む。

70年のエベレスト滑降では遠征費用が約3億円もかかった。今回もスポンサー探し
を進めていく。

◇            ◇

◆主な登山・滑走歴 1966年4月  富士山を直滑降
67年7月  北米大陸最高峰のマッキンリー(6194メートル)を滑降
70年5月  エベレスト・サウスコル(約8100メートル)からの滑降でギネス
ブックに掲載される
81年7月  アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5895メートル)を親子3
代で登頂、滑降
83年2月  南極大陸最高峰のビンソンマシフ(4897メートル)を登頂、滑降
85年11月  南米大陸最高峰のアコンカグア(6959メートル)を登頂、滑降


(2001年2月17日 asahi.com)

ACHP編集部

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