二階の軒下の長いツララ。中央奥は錫杖岳＝上宝村中尾で

ツララの格子の向こうに、北アルプスの峰が輝く。上宝村・奥飛騨温泉郷の中尾地
区。高温の温泉を使った暖房の効果と、冷え込む外気があいまって人の背丈を超すツ
ララを生み出す。

旅館焼乃湯（小瀬富夫さん経営）では、館内の暖房はすべて温泉の湯だ。源泉で九八
度。各戸にひいてもまだ七五度前後もある。家全体に暖気が満ちて、屋根の雪を溶か
す。これが軒下で冷やされてツララを長く成長させる。

「ひさしの氷落としをしないと、屋根が壊される」と小瀬さん。さぞかし、作業は大
変と思いきや、「温泉のお湯をホースでかけるだけですよ」。（2/8 asahi.com 岐阜
版）

ＡＣＨＰ編集部