小菅村・多摩川源流部で「妙見・五段の滝」

多摩川源流部で発見された「妙見・五段の滝」=小菅村提供

小菅村の多摩川源流研究所設立準備室は、小菅川の源流部で落差が30メートルを超
える滝を発見し、「妙見・五段の滝」と名付けた。村は、多摩川源流絵図小菅版にこ
の滝を書き込み、神秘のスポットとして多くの人たちを誘う計画を立てている。

滝は、大菩薩峠(1,897メートル)直下の「妙見の頭」の下流にあたる、フルコ
ンバ沢と小菅川源流の合流地点にあった。昨年春から、本格的に小菅川源流を踏査し
ていた準備室員と村役場職員が発見し、昨年暮れまでに村の古家成勝助役と準備室の
中村文明室長らが確認した。

鋭く切り立った岩壁に挟まれて、五段から成る形状。ダイナミックに水を落とし、あ
たりの樹木と調和して神秘的な景観をかもし出していた。

村内から大菩薩峠に至るルート付近では、「白糸の滝」と「雄滝」がよく知られてい
る。雄滝は「魚止めの滝」とも言われ、それより上流へは釣り人も入らなかったた
め、「五段の滝」はこれまで発見されなかったらしい。

また、源流部一帯は都心から100キロ圏内にありながら、東京都の水道水の源林と
して手つかずの自然が広範囲に残されてきたことから、名前の付いてない尾根や沢が
多い。

準備室の中村室長は、初めて滝を見た時、思わず息をのんだという。「素晴らしいの
一言でした。村のお年寄りに聞いたんですが、滝のことはどなたも知りません。もち
ろん、地図には載っていない。源流部は足を踏み入れるたびに、新しい感動を与えて
くれます。多くの方々と、源流部の自然の素晴らしさを共感したい」と話す。

村は、源流域全体の自然保護に取り組むと同時に、一帯の自然、歴史、文化を調査し
て研究の成果を発信するために、多摩川源流研究所を4月に設立する予定。源流と流
域の間で、幅広い交流事業を展開することにしている。(1/24 asahi.com 山梨版)

ACHP編集部

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