冒険家稚内で最終訓練 北極点→愛媛踏破へ

1997年に日本人初の北極点への単独徒歩到達に成功し、この3月からは北極点か
ら古里・愛媛県までの踏破に挑む冒険家の河野兵市さん(42)=松山市在住=が1
4日、最終訓練のために稚内市入りした。北極点から故郷までは約1万5000キ
ロ。徒歩と船で踏破する6年がかりの壮大な冒険を前に、17日までハクチョウの飛
来地としてしられる大沼で装備の最終点検も行う。

計画によると、北極では食料や無線機など90キロ近い荷物を積み込んだそり(幅5
0センチ、長さ2メートル)を引いて徒歩かスキーで走破。ベーリング海をシーカ
ヤックで渡ってロシアに入る。さらにサハリンを経て、宗谷海峡をやはりシーカヤッ
クで横断し、2006年3月ごろに稚内市に上陸、同年冬にはゴールの愛媛県に到着
するという。

河野さんは1990年にサハラ砂漠をリヤカーを引いて単独走破した時からこの計画
を温めてきたという。「地球のてっぺんから古里まで歩き、現代社会で人が失ったも
のを発信していきたい。そして、皆と感動を共有したい」。97年にカナダ・ワード
ハント島から北極点に単独徒歩到達したのも、今回の計画の訓練だったというほどの
意気込みだ。

稚内を最終訓練地に選んだのは、行程の中でサハリンから同市に上陸する計画でいる
ことや、同市内に住む知人らが招いたためという。北極点を出発した後、帰国の入り
口になることから「地元の方々に理解してほしかった」と河野さん。滞在中は市民や
子供らを対象とした講演会も計画されている。

3年前から体力トレーニングや経路の調査などを始め、冒険に必要な資材を現地に運
ぶなどの手配もすでにほぼ終えた。あとは最後の耐寒訓練やソリ、テントなどの耐
寒、耐久テストを残すだけだという。
(1/15 asahi.com 北海道版)

ACHP編集部

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