西日本などで絶滅の恐れがあるとされるツキノワグマについて、県は保護管理計画を
つくった。関東地方の山地に属する県南部を「絶滅に至る恐れがある」地域と位置づ
けて、年間の捕獲数の上限を5頭にするなど、全県の年間捕獲数の上限を95頭と定
めた。実施期間は今年度から2006年度まで。
計画によると、県内のツキノワグマの生息地を新潟、福島、栃木、長野の4県に連な
る北西部と、長野、埼玉両県に連なる南部の2地域に分けた。北西部に510頭、南
部に90頭が生息すると推定した。
北西部は他県にまたがる広い地域に分布しており、近い将来、急激に減ることはない
とした。現状を保つため、年間の捕獲上限を90頭とした。
計画では、ツキノワグマの主食となるコナラやミズナラといった堅果の実る木を植え
るなど、生息地の保護も図る。人里に出て農作物を荒らすなどしたクマは、従来の駆
除に加え、唐辛子スプレーを浴びせて「お仕置き」し、山に放つ方法も検討する。
ツキノワグマによる農作物被害は、1991年度からの5年間で、リンゴやトウモロ
コシといった果樹や野菜で6450万円に上った。人が襲われてけがをする被害も、
毎年数件あった。同期間に、駆除と狩猟を合わせて667頭(年平均133頭)を捕
獲したという。(12/18 asahi.com 群馬版)
ACHP編集部
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