日光国立公園・尾瀬地域の尾瀬山小屋組合(角田勇組合長)は27日までに、土曜日
に年10日設けている「ふろ休止日」を来年から撤廃することを決めた。生活排水を
処理する合併処理浄化槽が普及したことに加え、景気低迷で宿泊客が減るのに歯止め
をかけようと、泊まり客の要望にこたえた。
ふろの排水で植生が変わるのを防ごうと、同組合は1990年、宿泊客の多い土曜日
に年15日のふろ休止日を設けた。95年に合併浄化槽の整備が終わったことから、
休止日を10日に減らした。
一方、女性客を中心に「ハイキングの後、ふろに入りたい」という声が出ており、同
組合は「これ以上、お客さんが減るのを防ぎたい」と撤廃を決めた。
環境庁によると、入山者は96年の約64万8000人をピークに減り続け、昨年は
約42万6000人まで落ち込んだ。同組合によると、不況で宿泊から日帰りに切り
替える人が多いという。
角田組合長は「ふろはせっけんを禁止しているので、排水で尾瀬の水質が汚れること
はほとんどない。合併槽で処理できる」と述べている。
96年に解散した「尾瀬の自然を守る会」の元代表、内海広重さん=群馬県月夜野町
=は「ふろに入れない日は、入山客が環境について考えるいい機会だった。自然を保
護しようという機運が高まってきたのに、残念だ」と話した。(11/28 asahi.com 群
馬版)
ACHP編集部
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