都会の人たちに富士の絶景を楽しんでもらうと同時に、地元の住民との交流を深めた
いと、西桂町は三ツ峠山(1,785メートル)の登山口に「三ツ峠グリーンセン
ター交流促進施設」を建設している。三ツ峠山への登山客は河口湖町側からが多い
が、それを西桂町側にも誘い込もうという狙い。「富士を見るには天下一品」と町が
誇る登山コースをはじめ、四季折々の自然を楽しめる工夫を凝らしている。
三ツ峠山からの富士の絶景は、広く知られている。しかし、登山路は河口湖側からの
コースが一般的で、10月中旬の町の休日調査でも、西桂町のコースからは、五十人
前後の入山しかなかった。
「こちらのコースのほうが、富士の眺望を楽しみながら登れるのに、合点がいきませ
ん」と町企画振興課の職員は言う。この交流施設を拠点にして、都会からの誘客を本
格化させる計画だ。
交流促進施設は、50人が宿泊できる山小屋風の建物。2階建てで、1,623平方
メートルだ。来年4月のオープンをめざして、「体験工房」、「ふれあいコテージ」
に隣接して建設が進む。4棟のログハウスからなるコテージには8月末までに約14
00人が利用したが、今回の施設でフルシーズンの利用者の大幅アップをもくろむ。
三ツ峠山のわき水を引き、辺りで栽培した薬草を入れた浴場や、一帯の有機栽培野菜
や山菜をふんだんに使った食事など、都会の人に豊かな自然を五感で楽しんでもらい
たいという。武道館、フットサル場が近接していることから、大学のサークルなどの
誘致も進めている。
前田勝弘町長は、「都市住民との交流を広げて、町の活性化につなげたい。そばやみ
そ、手織りなど、地域農作物の拡大や特産品開発に向けた刺激にもなります」と話し
ている。(10/20 asahi.com 山梨版)
ACHP編集部
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