来春にも大幅改修されることになった万計山荘
札幌市南区の空沼岳(1249メートル)中腹にある万計山荘が、来シーズンに大幅
改修される。築後約三十五年を経過して老朽化し、倒壊の恐れがあるため、管理にあ
たる同山荘友の会(長水洋会長、会員九十人)が、所有者の石狩森林管理署に代わっ
て、自分たちの手で改修することになった。
空沼岳は途中に万計沼、真簾(ますみ)沼があり、頂上からは支笏湖が一望できるこ
となどから、札幌近郊の山では最も人気が高い。万計沼に面して立つ同山荘は木造二
階建て二百平方メートル。一九六五年十一月、当時の定山渓営林署が事業用と登山者
の避難用を兼ねて建設した。前泊して翌朝に頂上を目指す家族連れや、札幌岳にかけ
て縦走する登山者、山岳団体の催し会場などに使われてきた。
友の会は九四年に結成以来、週末などを利用して会員がボランティアで屋根の雪下ろ
しや草刈り、清掃など山荘の管理にあたってきた。腐った土台の一部を切り取って鉄
骨に替えるなどの修理もしてきたが、傾きは年々ひどくなり、専門業者などの話から
今冬が限界と判断。大改修に踏み切ることにした。
工費は約六百万円。土台を補強して傾きを食い止め、雨漏り、はりの脱落などを直
す。また素掘りのトイレを便槽式にし、問題になっている山の糞(ふん)公害の防止
につとめる。
友の会では、山荘前に募金箱を置くなどして資金づくりを始めているが、これまでに
集まった寄金は約百五十万円。夏山の活動が終わるこれから本格的な募金集めに乗り
出す。長水会長は「あと四百五十万円をなんとしても今冬中に集め、来春以降の着工
にこぎつけたい」と話している。(10月17日 Yomiuri On−Line 北海道版)
ACHP編集部
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