◆ヘリコプター墜落北アルプス・立山で２人死亡、１人重傷

１６日午前８時５０分ごろ、富山県立山町芦峅寺（あしくらじ）の北アルプス・立山
の天狗（てんぐ）平付近（標高２４００メートル）で工事用資材を運搬中のヘリコプ
ターが墜落、炎上した。埼玉県川越市のエースヘリコプター所有で、操縦士の浪川敏
昭さん（４６）＝千葉県成田市幸町＝が操縦し、同じく操縦士の津江一宏さん（４
７）＝埼玉県北川辺町＝と、整備士の坂本順一さん（４２）＝川越市的場新町＝が同
乗。浪川さんと津江さんは現場で焼死体で見つかった。ヘリから脱出した坂本さんは
富山県のヘリが富山市内の病院に搬送したが、やけどで重傷。

県警上市署の調べでは、ヘリは立山町の土木建設業者がチャーターし、立山黒部アル
ペンルートの道路修復用資材を運ぶため、事故現場付近の国見ヘリポートと室堂駅近
くの「雪の大谷」にある工事現場を往復。この日１回目の資材運搬を終えて同ヘリ
ポートに戻り、着陸しようとして強風にあおられ、バランスを崩して墜落したらし
い。フェーン現象で、アルペンルートの室堂駅では午前９時現在、約１０メートルの
南東の風が吹いていた。 （9月16日　毎日新聞）

◆ヘリ墜落　悪天候で検証中断

立山・天狗平で１６日にヘリが墜落し、３人が死傷した事故で、県警捜査一課と上市
署は１７日、捜査員約２０人で現場検証を行った。運輸省航空事故調査委員会の調査
官３人を交えての検証だったが、悪天候のため約１時間ほどで中断した。また、亡く
なったパイロット２人の遺族も現場を訪れ、焼け焦げた機体を見つめ悲しみを新たに
した。一方、死亡した２人の遺体を１７日、司法解剖した結果、死因は焼死であるこ
とが分かった。

濃い霧の立ちこめる中、午前１０時過ぎに始まった検証では、調査官３人が県警から
墜落当時の状況説明を受けながら、地形の特徴や墜落したヘリの進入経路、飛び散っ
た機体の位置などを確認した。しかし、午前１１時過ぎになって視界がさらに悪化。
雨も激しくなってきたため、検証を一時中断。その後は立山自然保護センターで、目
撃者らの事情聴取などを行った。

調査官立ち会いの検証はきょう１８日も続けられる。調査官の１人は、「今回は情報
収集が主な仕事。今のところ何も回収していない」と述べた。

また検証に先立ち、亡くなった浪川敏昭さん（４６）（千葉県成田市幸町）と津江一
宏さん（４７）（埼玉県北川辺町陽光台）の遺族と、２人が勤務した「エースヘリコ
プター」（本社・埼玉県川越市）の関係者ら計約２０人が大型バスで現場を訪れた。
遺族らは「もう会えなくなっちゃうの」などとすすり泣きながら、焼けこげた機体の
前で線香や花を手向けた。（9月18日　読売新聞　富山版）

ＡＣＨＰ編集部