富士山やエベレストを滑降した世界的に有名な冒険スキーヤーの三浦雄一郎さん
(67)=写真左=が3年後の2003年、エベレスト登頂にチャレンジする。70
歳で登頂に成功すれば、世界記録となる。また、三浦さんの父で現役最古参スキー
ヤーの敬三さん(96)=同右=も同じ時期、99歳の白寿を記念してモンブランの
氷河をスキーですべる計画を立てている。親子2代、三浦家の冒険魂はいくつになっ
ても老け込まないようだ。
「数年前から父(雄一郎)は、70歳になったら、その区切りとして何か目標を立て
たいと話していた」と、長女の恵美里さん。
今年5月に成功した法政大学OBの山本俊雄さんの64歳が、これまでのエベレスト
登頂の最高齢。雄一郎さんが70歳で成功すれば、世界記録の更新となるわけだ。
雄一郎さんは、昭和41年に富士山直滑降、45年に世界初のエベレスト大滑降に成
功し、ギネスブックにも載った。その後、北極圏最高峰バーボーピークなど世界7大
陸の最高峰のスキー滑降を達成。
最近は、スキーのフリースタイル(モーグル)でリレハンメル五輪(平成6年)に出
場した二男、豪太さんがマスコミで注目され、「豪太さんの父」と呼ばれることが多
いとボヤいていたが、「70歳で世界記録をつくれたら…」と、エベレストに照準を
合わせたという。
計画では、2003年4、5月ごろ、遠征する予定。「今も40キロの荷物を背負っ
て歩き回ったり体力的には元気。山のコンディションさえよければ成功できる」(恵
美里さん)。
現在、米国でトレーニング中の雄一郎さんは、「高い志を立てれば人は変わる。志は
青春時代だけのものではない。『中年よ大志を抱け』。私は50代まで世界の未知の
雪山にチャレンジを続けた。そして今、世界最高エベレストへの夢の続きを歩み始め
ている。勇気・情熱を持ち続けて諦めない。一歩ずつ、いつか世界一の頂上を」と熱
い思い綴ったメールを寄せてくれた。
一方、「96歳の現役スキーヤー」敬三さんも2003年に、フランス・モンブラン
周辺の氷河を滑降する予定だ。息子の雄一郎さんのエベレスト挑戦と同じ時期になっ
たのは「まったくの偶然」という。
「モンブランの氷河地帯はこれまで6回すべった。氷河の状態がよく、とてもきれ
い。おそらく最後でしょうから、もう1回、滑りたいと思っています」
毎年、敬三さんは冬は札幌、春は八甲田などへ。多少、耳は遠くなったが、足腰は丈
夫で都内で一人暮らし。「6年前、祖母がなくなり、父が『札幌に来ないか』と言う
と、『まだ元気なので老後はお世話になるよ』と答えていました」(恵美里さん)
恵美里さんは「近ごろ、中高年の自殺がニュースになるが、70歳でも99歳でも夢
があれば元気でいられる。高齢化社会の中で、最後の最後まで前向きに生きていこう
というメッセージになると思う」と話している。(8月9日 ZAKZAK)
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