富士山臨時支局から 暑さと寒さ、服装も苦労 |
「富士登山の必需品は何ですか?」。下山してきた30人に聞いた。最も多かった答 えは「防寒着」。5合目の気温は20度でも、山頂は5度前後。もちろん夏山の話 だ。さらに、高度になるほど風が強く、霧に覆われることも多い。初心者はまず、そ の寒さに面食らう。 ところが……。「富士登山ファッションは、カジュアルになってきています。5、6 合目では、町中の格好と変わりません」。静岡県三島市のアウトドア専門店スタッ フ、秋山典之さん(28)はそう指摘する。確かに、Tシャツにサンダル履き、コン ビニの袋を手に、という若者の姿も目につく。 もう一つの大敵は太陽の紫外線。特に、遮るものが何もない夏の富士山は、強い紫外 線を直接受ける。秋山さんは「1週間は日焼けでつらい。サングラスと紫外線カット の乳液を忘れずに」とアドバイスする。 寒さと暑さが同居する富士登山。下山してきたある男性がしみじみと、こう言った。 「5合目と山頂は全く別の世界でした」(毎日新聞2000年7月27日東京朝刊か ら) ACHP編集部