北極点〜南極点 地球縦断 今春出発 |
約9ヶ月かけ、犬ぞりや自転車、カヌーなど人力のみで北極点から南極点まで地球を 縦断する壮大な遠征計画「Pole to Pole 2000」が今春スターとする。12ヶ国の若者 らで組織する国際隊に、早稲田大学3年の石川直樹さん(22)=東京都目黒区=が 参加する事になり、3月上旬、トレーニングのためカナダへ向かう。一行は途中、イ ンターネットで世界中の子供たちに地球環境保全の訴えや、植林などのボランティア 活動も予定している。
国際隊を率いるのはカナダ人の冒険家で南極、北極両極を制覇したマーティン・ウィ リアムズさん(52)。隊員には石川さんを始め、米国やカナダ、ブラジル、韓国な ど12カ国の冒険好きな若者を選ぶ予定で現在、7カ国の参加が決っている。
計画では3月下旬に北極点をスタート。犬そりやスキーで凍結した北極海を越え、北 米大陸に上陸。その後は自転車や徒歩で南下し、南米大陸南端から飛行機で南極大陸 へ。2001年の正月をゴールの南極点で迎える予定。総踏破距離は2万4千キロを超える。
石川さんは高校2年の夏、アルバイトで稼いだ12万円で、インドとネパールを放浪し たのが最初の海外体験。早大入学後は」、冒険家達で組織する「地平線会議」のメン バーと知り合ってカヌーや登山の技術を磨いた。
最も熱中したのは、スターナビゲーションだ。太平洋ミクロネシア連邦に伝わる航海 術で、海図やコンパスに頼らず、星や風向き、波のうねりから位置を割り出して外洋 を航海する。1998年11月には、サイパンからミクロネシアのサタワル島まで、地元の 住民9人と手製のカヌーで約900キロの荒波を十日間で乗り切った。
極地は初めての石川さんだが、「北極、南極は夢のまた夢だったので迷わず参加を決 めた。機械力に頼らないスタイルも気に入っている」と、話している。(2月18日 朝 日新聞 朝刊)
ACHP編集部