雪面の弱層テスト

 ARIアルパインクラブ/星和陽

 北陸のドカ雪は三日三晩で僕の背丈よりも降り積もる。 ラッセルもきつかったけれど 呼吸困難のパウダーを満喫したのは言うまでもありません。

 2/17〜21の日程で文部省登山研修所(富山・立山)主催の 山岳スキー講習会に参加してきました。

 ここでは春、夏、冬の3季にわたり、登山に必要な気象や 医療の知識、トレーニング理論等に関する講義や 研究協議及び技術の研修・講習を通じて、登山を 体系的に学ぶことを目的とした事業展開をしています。

 初日は雪の生成から雪崩のメカニズム、埋没者探索、応急時の処置などの机上&屋外講習。

2日目はゲレンデにおいて山岳スキー技術講習

3日目からは実際に入山して大品山で雪洞生活

4日目は7時間のラッセルの後、鍬崎山の登頂。

 最終目は大品山から粟巣野スキー場へ滑降。

 班別行動で我班の講師は北海道で登山活動をしている宮下氏。 読図、ルート研究、雪崩予知、滑走技術、登行技術、 引率技術、雪洞生活にいたるまで中身の濃いものでしたが、 そのなかでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが 弱層テストをひとつ紹介したいと思います。

1.滑降走対象の斜面を1m以上鉛直方向に断面を掘り出す。
2.目と指(素手)で表面から雪の層を観察する。
3.のこぎりなどでスコップ幅に雪の層に縦溝を2本入れる。
  さらに背面に軽く溝を入れ、スコップで高さ50cmくらいの
  方柱をそっと取り出す。
4.そのまま、スコップの底を軽く10回たたく。さらに力をかけて
  10回たたくことを2、3回繰り返す。
  弱層が存在する場合、はっきりと層が確認できる。
5.切り出した方柱の跡にスコップを逆さにあてて力の加減をかえて
  10回たたくことを繰り返す。ここでも弱層の存在を確認することができる。
 このテストはシャベルテスト(日本ではスコップポンポンテストともいうらしい)、 といい、円柱を手でひくのと違い、崩してしまったり、個人差が出ないのが特徴。 また5分もあればできるほど手軽にできるので滑り出す前に または休憩の合間にでもやってみることをぜひお勧めする。

 なお、テストの雪の深さはもっとも危険とされる 雪面から75cmぐらいのところまでを対象としています。


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