織田裕二、厳冬の山中で命がけロケ |
このド迫力を見てください! 俳優、織田裕二(32)主演のアクション大作「ホワ イトアウト」(若松節朗監督、東宝配給で8月19日公開)のロケが新潟県を中心に 行われている。織田は巨大ダムを乗っ取ったテロリストにたった1人で立ち向かうダ ム職員役。サンケイスポーツの電話取材に、零下5度という厳冬の山中で命がけのロ ケを続ける織田は「すごい映画になる!!」と熱い思いを語った。(写真:命綱なし で、高さ90メートルのキャットウォークに踊り出る織田裕二。あまりの恐怖に夢で うなされたという)
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「こんばんは、織田です! 撮影は順調に進んでますよ」。1日のロケを終え、ホテ ルに戻ってくつろぐ織田と電話がつながった。暖かい室内の 窓から見えるのは、一 面の銀世界。連日の雪中ロケの疲れも見せない話しぶりだが、声がかすれている。
「実はノドがはれてるんです。狭いダムの通路の中で、爆発や銃撃戦のシーンを撮る のに薬品を仕込んでるんですが、その煙にやられてしまって。いい画(シーン)は撮 れてると思いますが、体が…。危ない目? 毎日、遭ってます」と、事もなげに語った。
昨年12月13日、自身の32回目の誕生日に、クランクイン。当日は監督にシャン パンでお祝いされたが、楽しいことはそれだけ。その後は笑えない状態が続いている 。「ダムの高さと寒さ、氷がすごい。台本を読 み、覚悟はしてきましたが、死人が 出てもおかしくない状況。自然の力をまざまざと感じています」と神妙な声ももれた。
映画は、人気作家・真保裕一さんの同名小説が原作。雪に覆われた巨大ダムを乗っ取 り、職員とダム下流の住民の命とひきかえに50億円を要求するテロリストに、偶然 にも難を逃れた職員・富樫(織田)がたった1人で立ち向かう物語。
織田の敵は、テロリストのほかに、内部構造が極めて複雑で、移動が大変な巨大なダ ムそのもの。“第2の主人公”ともいえるダムには、新潟県 内にある幅200メー トル、高さが150メートルという日本有数のダムが選ばれた。
このほど、地面から90メートルの高さにある、幅90センチあまりの作業用のキャ ットウォークから身を乗り出すシーンを撮影。ここに職員以外の人間が入ったのは初 めて。吹きつける雪まじりの強風と手すりの低さに、身をすくめるスタッフの中、織 田は命綱もつけず臨んだ。だが、恐怖は後からやってきた。「やってるときは全然怖 くなかったんですけど、さすがに、その晩はダムから落ちる夢を見ました」。
撮影は3月上旬まで続き、クライマックスの雪山での死闘シーンが始まる。今ある打 撲の痛みや青あざが消えぬうちに、さらなる苦難が待っているが、「こんな経験は人 生で2度あることじゃない。これまでの日本映画 にはないすごい作品になるでしょ う」。力強く弾む声に織田のつかんだ確かな手ごたえがあふれていた。
★『ホワイトアウト』ストーリー
6億立方メートルという日本最大の貯水量を誇る新潟・奥遠和ダムの運転員、富樫( 織田)は、遭難死した同僚の吉岡のフィアンセ千晶(松嶋菜々子)に、亡き恋人の職 場を見せようとしていた。千晶が到着したとき、ダムをテロリスト集団が占拠。首謀 者ウツギ(佐藤浩市)は職員と下流域の民家を人質に50億円を政府に要求する。悪 天候のため、警察は手が出せない。偶然、逃げた富樫は、たった1人でテロリストに 立ち向かう。「ホワイトアウト」とは、吹雪で発生したガスと雪で高低、方向、距離 が分からなくなること。
★サンスポ−織田ホットライン
−−寒さは平気ですか
「ダメなんです。対策といっても難しい。着込むとモコモコし て動きが鈍くなるし」
−−風邪をひきやすい環境ですね
「年中、うがいしてます。あとは汗がひくと急に冷えるので、着替えをマメにするとか」
−−撮影後の楽しみは
「何もない。休みがないんでホテルに帰って寝るだけ。コンピューターを持ってきま したが、あまり調子が良くないんです。唯一の楽しみだったんですが…」(1月27日 ZAK・ZAK)
ACHP編集部