剣岳敗退記
<剣岳敗退記>
プリムラ山の会
<記録> 水野なほみ
1996年8月12日〜17日
8/12〜17 剣岳にいきました。
台風12号の接近、通過で晴れたのは入山の日と下山の日だけ…雨ばっかでした。わた
しらの敗退記です。(書くのがちょっとしんどいけど…)
有持さんの剣情報と、富山県警の写真を見てびっくりしていたのですが、きっと7月
末から急激に融けたのでしょう、去年の同じ時期より多い程度の雪の量でした。
8/13 曇り一時雨 剣沢〜、峰Aフェース魚津高(途中まで)〜池の谷乗越〜三ノ窓
混雑を見越してゆっくり出発、、峰に10時すぎの到着。Aフェースの2ピッチ目から雷
雨に。トラバースルートの方にルートをとったせいもあって、たった3ピッチの簡単
なルートなのに、荷を背負っての登攀はわたしには難しかった。
時間がかかりすぎた
ので上半縦走を断念。(軽量化に失敗?荷物を背負ってのクライミングを甘く見てた
ようです。)途中で懸垂して長治郎をつめて池の谷ガリーを下って三ノ窓へ。三ノ窓
につく頃は雨もおさまっていた。夜、富山の街と、星がでてきれいだった。
8/14 曇り一時雨 三ノ窓〜ジャンダルムCクラック〜本峰〜剣沢
チンネ左稜線のとりつきへいく。また雨が降り出してくる。台風が接近していること
、お互いの登攀スピードなど3人でしばらく考え、剣沢までくだって台風通過を待つ
結論に。…せめてジャンダルム1本。
ラーメン食べて、剣沢まで下山。せっかくあこ
がれの三ノ窓まで来たのに。結局、剣沢に降りて夕食後あたりから暴風雨が始まるま
では、降ったりやんだりのまあまあ穏やかな天気だった。
8/15 暴風雨
明け方北陸を通過した台風はお昼過ぎにまた東北に上陸。昼過ぎになれば晴れるだろ
うと思っていたが、小康状態が続き、夕方になってやっと雨がおさまり始める。一日
中、濡れたシュラフにはいって、お酒とご飯ばっか食べていた感じの一日だった。
8/16 曇り/雨
3人とも、今日は台風一過でピーカンになると思っていた。、峰Cフェースでも行こ
うと思っていた。朝薄曇りだったのでさっそく登攀具持って出発する。登攀具だけな
ので軽くて快適!今日こそ!と思って、長治郎谷をつめ始めるが、雲行きが怪しく、
一向に晴れてくる様子がない。
回りのクライマーの歩調も戸惑いがちなのがわかる。
いよいよ小雨が本格的に雨になってきたので引き返す。剣沢にでると、雲の間から陽
がさしている。しかし、八峰のほうはいまだガスにつつまれている…。しかたないね
〜、テントに帰って寝袋でも干すか。
あ〜あ、きょうも敗退。天場に戻っても、結局
天気は回復せず、夜やっと晴れて出てきた星を見ながら、濡れた寝袋にはいってねま
した。
8/17 ピーカン
陽が当たるのを待って、濡れたものを干しながら、帰り支度をする。全開のピーカン
、なんという下山日和!
悔しいけど、さよなら。
ってかんじでした。
反省はやっぱり私の力不足。自慢の身の軽さや柔軟性?なんて、ちっとも役に立たな
かった!アルパインをやるなら、強い力と強い体力なんだな〜と痛感しました。登攀
技術も、もっともっと練習しなくちゃ〜。厳しいみちのりですね。
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