ヨーロッパ=マッターホルン・モンブラン
<ヨーロッパ=マッターホルン・モンブラン>
大阪ぽっぽ会
ぽっぽ会の大見です。昨年のマッタホルンとモンブランの記録です。
(先輩の記録です。超長いです。ご免なさい)
1995年夏ヨーロッパ=マッターホルン・モンブラン=山行報告
(記録)大阪ぽっぽ会/早川 俊
1.メンバー
(ツアーガイド) 森田博之
(あやしいおじさん腰痛1号) 杉山豊隆
(あやしい遠征隊隊長) 早川 俊
(シャモニーのホームレス) 大見則親
(あやしいおじさん改造人間2号) 伊東敏紀
(さすらいの料理人) 山本 薫
(かくれ泣き虫) 榎本初美
(不良タバコ・麻薬少年) 由良博之
(ぽっぽの裸の大将) 小寺宏司
2.まえがき
2年前に毛利さん、森田さん、松井さん、の3名がヨーロッパ山行を行なって以来、ヨーロッパも身近な
ものとなり、今回のぽっぽ会創立20周年記念山行の実現に至りました。
約2年前から大ざっぱな計画がはじまり、’94夏合宿あたりからメンバーもかたまってきて常にヨーロ
ッパを念頭におくようになりました。
今回わずか実質9日間の山行でしたが、メインにしていたマッターホルンに9名全員登頂することができ、
メンバー全員の熱意に改めて感激するとともに、毛さんをはじめぽっぽ会の皆さんのご支援に感謝いたしま
す。
3.行動タイムチャート
(記号説明) H:山小屋 A:飛行機 T:(登山)電車
R:ロープウェイ TAXI:タクシー
8月05日(土)関空10:45−A→13:35香港23:30(雨)−A
8月06日(日)→7:05チューリッヒ8:43−T→13:47ツェルマット1600m:ロープウェ
イ等下見(曇のち雨)
8月07日(月)ツェルマット(曇)7:50−R→9:00クラインマッターホルン3884m9:30
→11:35ブライトホルン4164m曇時々晴)12:00→13:35クラインマッターホ
ルン13:50−R→ツェルマット(雨)
8月08日(火)ツェルマット(曇)10:00−T→ローテンボーデン→リッフェルホルン2927m:
岩登り→リッフェルベルグ−T→ツェルマットツェルマット(曇)10:00−T→ゴル
ナーグラード−R→シュトックホルン3405m:ハイキング−R→ゴルナーグラード−
T→ツェルマット
8月09日(水)ツェルマット(曇)6:30−R→7:45シュバルツゼー2585m8:00→10:
25ヘルンリ.H.3260m11:45→14:00マッターホルン下見3700m地
点→15:30ヘルンリ.H.
8月10日(木)ヘルンリ.H.(快晴)4:00→7:00ソルベイ.H.7:45→11:50マッタ
ーホルン頂上4478m12:00→18:00ソルベイ.H.→20:00下山路ロス
ト3700m地点ビバーグ(快晴)
8月11日(金)3700m地点ビバーグ(曇)4:00→7:00ヘルンリ.H.9:00→10:00
シュバルツゼー−R→10:30ツェルマット14:10−T→20:00シャモニー(雨)
8月12日(土)シャモニー9:00−TAXI,R,T→10:30ニーデーグル10:35→13:0
0テートルース.H.3167m→15:00グーテ.H.3817m(曇時々小雨)
8月13日(日)グーテ.H.2:50(晴)→4:43ヴァロ.H.5:03(曇)→6:43モンブ
ラン頂上4807m7:00(曇ー14゜C)→7:40ヴァロ.H.8:20(みぞれ)
→10:00グーテ.H.10:45→13:00ニーデーグル(小雨)−T,R,B→
15:00シャモニー
8月14日(月)シャモニー10:00−R→ミディ3845m→コスミック.H.→ミディ−R→シャモ
ニー
8月15日(火)シャモニー5:00−TAXI→8:45チューリッヒ11:00−A→
8月16日(水)→6:30香港11:00−A→15:20関空
4.内容
8月05日(土)
あけみさん、美っちゃん、田中さん、由良さんの友人、早川一家の見送りを受け、CX503便に乗り込
む。航空チケット購入に際しては、大見さんに尽力してもらい¥175、000という格安チケットを手に
いれた。まずは香港10時間ツアーのはじまりである。
雨の中、バス・地下鉄に乗って香港ぶらぶら。北京ダックで満漢席のつもりでレストランを紹介してもら
ったら、なんと牛飯一膳飯屋お一人様400円コースであった。貧乏くさい格好で’PLEASE LET
ME KNOW THE CHEAPER RESTRANT!’と言ったのが悪かったのでしょうか?
8月06日(日)
グッと人口密度の減ったチューリッヒ空港に到着。ヨーロッパだー。長い飛行機の旅ですっかり日本の垢
は振り払われ、気分はスイス。列車でいざツェルマットへ。時折雨粒の線がはしる車窓を通して山々を眺め
る。
ツェルマットの駅でいきなり登山姿の外国人が「あなたどこからきましたか?」と日本語で話しかけてき
た。ぽっぽは余程外国人に縁が深いらしい。「わたしにほんからきました。」とその外国人。DALLEN
(名古屋ECC教師)との出会いである。
テン場は駅のすぐ横。ちーーと勾配があって寝心地悪そうであるがぜいたくは言うまい。ロープウェイの
下見を済ませて、恐いおねーさんのCAFEで軽食をとって、買い出しへ向かうが、今日は日曜日。スーパ
ーMM、COOPも休み。結局レストランでわからんメニューと格闘。
明日の天気はどーだ?
8月07日(月)
夕べの雨で気乗りしない朝を迎えたが、あすなろ山の会の東さんが約束通りドームを訪れてくれる。さー
行こーか。今日は高度順応をかねて、お買い得4000mのブライトホルンに登るぞ。
クラインマッターホルンまでロープウェイをとばして3884m。身支度して雪原へとびだし、いざ41
64mへ。どーもこの辺りから山に登ってる間は天気も我々に遠慮気味に気を使ってくれるようになる。3
60度の眺望はないものの4000m初体験、まあまあの出だしに一回目の”アルプス一万尺音頭”(大見
振り付け)がとびだし、ヨーロッパっ子のど肝を抜かした。
ツェルマット近くのハイキング道横でDALLEN等に会って、ボルダリングやって、地元の少年の登り
っぷりに感心しながら雷に追われるように退散。
雨の後、夕方顔を出したマッターホルンは、すっかり雪化粧の白粉姿であった。夜半激しい雨。
8月08日(火)
昨日より美しい真っ白のマッターちゃん。う〜んマイッタちゃん。マッターホルンをあきらめてモンブラ
ンに浮気するかどうか早朝ミーティングするが、結局ガイド協会の助言に頼ることにする。
初っちゃんの「マッターホルンに登りたい!」の一念が通じたか、ガイド協会のおねーさん曰く「明日、
明後日大丈夫!2時間で雪は解ける。」の助言に勇気りんりん。DALLEN等は今日からヘルンリ.H.
へ入るという。
ツェルマット残留が決まれば今日はフリー日。由良、初美、小寺と4人でリッフェルホルンへ岩登りへ出
かける。ここは登山電車のローテンボーデンからすぐのところ。
観光客から離れて、東稜から西稜にぬけ3級の岩場で遊ぶ。はじめて触るヨーロッパの岩に少し緊張しな
がらも、楽しく高度感を味わう。ここはゴルナーグラード氷河に接し、ぐるりをマッターホルン、ブライト
ホルンの山々に囲まれ景色も格別。またガイドがマッターホルンの客を連れて、トレーニングする岩場でも
ある。同じようにここで遊ぶのもいいトレになるでしょう。グレードの高いルートも一杯あるゲレンデです。
8月09日(水)
いよいよヘルンリ.H.へ。シュワルツゼーのロープウェイ駅でいきなり現れたマッターホルンのあのく
びれた頭頂部は「ほっほー、登ってくるかね、来るなら来なさい。」と思いっきり威圧してくれ、なんとち
っぽけな私たちを不安のどん底に陥れてくれた事か。しかし、ヘルンリ.H.に近づくにつれ、だんだん身
近になってくれてひと安心。
下見は必須。ソルベイ.H.まで行ければ申し分ないが、とにかく14:00まで行動することにする。
ルートは絶えず東壁内で展開するが、左に寄りすぎてガレ場に入るとルートをはずれている。ガレ場に入
ったな、と思ったら戻って右上にルートを探してみよう。北壁を眺められる快調な稜線を登り、小さなルン
ゼを上がって、左のガレ場に出た所で14:00。このガレ場を左上部に抜けると、しばらくしてソルベイ.
H.の下部モズレイスラブにでてソルベイ.H.が望見できるはずである。3700m弱の地点。翌日、結
局ここで道に迷いビバーグとなる。
8月10日(木)
目が覚めたら3:20。ざわざわみんな行動開始で気が焦る。
トイレを済ませる間に他のパーティーはほとんど出発してしまい、大見・山本P 早川・伊東Pが取り残さ
れる。あわてて追いかけるが初っぱなから渋滞で、なるようになるさ、の気分。かえってこの行列ならルー
トミスもなかろう。しばらくして、杉山P,愛知労山(洞川さんP)をパスして森田・小寺Pをとらえる。
もうソルベイ.H.も間近であり、モズレイスラブでは後続のために、ザイルをフィックスする。フリー
でも登れるが、やはりスタッカットで確保したい。ここまではノーザイル。ソルベイ.H.をはさんでこの
モズレイスラブ上下各1ピッチが交通渋滞でソルベイ.H.では45分の時間待ち。
ソルベイ.H.から伊東さんとアンザイレンし、極太フィックスロープがでてくる肩部まで快調にコンテ
で進む。このころから頂上をきわめて下山してくるガイドたちとのすれ違いが始まり渋滞時間待ちに拍車が
かかる。時間があっという間にすぎていく。
極太フィックスロープがなくなると、ピークまでは3ピッチ。由良Pと早川Pのザイルを2ピッチフィク
スするが支点はなく、由良さんは岩で、早川はハーケンを2本打つ。早川ザイルは残置して登頂したのだが、
下山時にびっくりしたのは、この支点に群がるように後続パーティーがぶら下がっていたこと。「おいおい、
このハーケンあまいのに抜けたらどーすんの。」あわてて、岩から支点を追加した始末。
さー残り1ピッチで頂上。足の方が思うように動かないが、もう頂上はすぐそこ。由良、小寺の待つピー
クへ到着すれば、そこは360度の眺望。「長かったなー。今あの尖ったてっぺんにいるんだなー。」”ア
ルプス一万尺音頭”を踊る広さはないが、思ったより安定した頂上だった。
涙チョチョギれるということはなかったが、なんか興奮別天地のうかれぽんち。という不思議な感動であ
った。初ちゃんは当然ここで涙。杉山さんとの熱い抱擁があったそうである。
もう12時前、急いで下山しないとこの長さを明るい内に下りきれない、と気が焦り出す。問題は上部を
安全にこなすことと、ソルベイ下のルートに迷わず昨日の下見地点までたどりつけるかどうか。
由良、小寺、伊東3名で先に降りてもらい、早川は後続を待つ。待つこと小1時間。急いで下山開始だが、
このとき打ち合わせを行わず、しかもパーティーを再編成せず6名一緒に下山したのがまずかった。3本の
ザイルが有効に回らず、しかも懸垂で降りていくわけだが、練習不足でスムーズなリズムにのれない。加え
て他パーティーとの支点の順番待ち。肩部について、懸垂も終わり皆のいらいらもピークに達した頃リセッ
トボタンをおしてパーティーを再編成し、コンテに移行した。今だから笑っていえるのだがあのときは「な
にしてんねん!」と誰にあたるでもなくアドレナリンが増加してしまった。ど〜も申し訳ない。
さて、リセットボタンを押したものの時間までリセットされるわけでもなく、無情にも刻々と時間はすぎ
てゆく。「ソルベイ小屋でひと休みする?」の声にも’94夏の鬼川復活で「うんにゃ、休憩無し!」とい
わしめてまで下山したのだが、結局、前日下見の到達地点(3700mガレ場)で暗くなり、しかもルート
がわからなくなる。「昨日この辺りまできたんやで、左下の方に寄っていけば稜線沿いに出るはずや」とか
なりしぶとく探したけれど、結局ギブアップ。あっという間に22:00になっていた。
しかたなくビバーグとなり、今宵の寝床を選定する。6人一張りのツエルトで平坦な所に座れて、落石の
危険がなくて、自己ビレイがとれるところ。を探したが、そんなところ在るはずもなく何とかけったいな格
好で座り込む。「あ〜本当にこんなに安定した天気でよかった。変に気負ってビバーグなんかしない!と準
備を怠ったって、やばかった。」と猛反省。
このころヘルンリ.H.では伊東さんらと小屋の人がチロチロ動くヘッドランプを見て「いまごろ行動し
ているのは日本人ではない。あれはクレージーだ。」と話していたそうな。ソルベイ.H.まで一緒だった
人たちはヘルンリ.H.に22時に着いたそうである。また私たち以降のパーティーや夕刻登ってきたパー
ティーはソルベイ.H.に入った。
マッターホルンを枕に月明かりに浮かぶ氷河や山、ツェルマットの街を眺めながらほとんど眠られず。早
朝登ってくるパーティーを道案内に下山。7:00ヘルンリ.H.8月11日(金)第一目標のマッターホ
ルンがおわり、気も抜けてしまったが、ともかく寝不足のからだに鞭打って列車でシャモニーへ移動。
小雨のシャモニーの街はツェルマットのように観光者だけの街というのではなく、観光の中にも生活の臭
いがプンプンするところ。「あ〜もう何もしない。山にも行かない。ここでぶらぶらのんびりする!」と山
屋には危険なところ。明日の運命やいかに。
8月12日(土)
もう今日は停滞かな?という空気の流れる中「さて、今日グーテ小屋までいく人は挙手!」のかけ声に全
員の手が挙がっていました。
曇天の中ニーデーグルを発ってテートルース小屋へむかうが、初ちゃんの調子が悪そう。時折小雨の降る
中、初ちゃんが見える範囲で一人歩いていると、前日のビバーグの事やガイドブックの’グーテ小屋まで1
0時間かかるようでは云々’やモンブランへの過大評価の為に「今日の初ちゃんには無理だ」との思いが広
がってしまった。「みんな一緒に登るぞ」という日本での思いが片すみへ。入れ替わり、「モンブランでな
くてもシャモニーでの楽しみはいくらでもある。残り少ない日程でこのままモンブランにつっこんで、もし
登れなかったら、他の’目’までなくなってしまう。」との思いこみが。そしてついに「初ちゃん、降りよ。
」といってしまう。結局テートルースで初ちゃんひとり下山してもらう事となった。
いまだに多少無理しても全員一緒に限界を見れば良かったと後悔している。
テートルースからグーテへは大クーロアールの左岸稜線を700m直登。この稜線で石を落とすと大クー
ロアールのトラバースを直撃する事態になる。また大クーロアールの終了点にグーテのトイレが2席設けら
れ、大クーロアールのトラバースを一層危険なものにしている。
グーテ小屋では気持ちのいい小屋の人たちに予約なしでもベットを6床提供され幸いであった。
8月13日(日)
今日はマッターホルンのように順番待ちは無かろうと思っていても、我先にと準備をすすめて出発。小屋
からアイゼン装着し、雪原をいく。軽装で晴天の中出発したものの、小一時間でガスり風も少々。大見、杉
山、山本、早川の4人で先行をおっかける。ヴァロ小屋で合流し、今度は由良、小寺、杉山、山本、早川が
先行。途中山本さんが遅れ、後続にまわってもらう。伊東さんが追いついてきたが、ザイルとツェルトの都
合で無理矢理後続にもどってもらった。ゴメンナサイ。
元気いっぱいの由良、小寺を杉山、早川がインターバル歩行で追いかけ、後ろから「早い!早い!」とふ
たりを制する。
もうその必要がなくなったところが、4807mモンブラン山頂だ。 御来光が神々しく迎えてくれた。
ブロッケンも迎えてくれた。ガスに囲まれ展望がなかったのが残念だったが、マッターホルンと違い下山に
不安が無いため余裕ではしゃいで下山。
森田さんが高度障害に苦しんだが、残りはさほどひどい障害もなく、グーテ小屋で休憩し、初ちゃんの待
つシャモニーのキャンプ場へ戻った。
8月14日(月)
今日が実質最終日。なのにシャモニーに来てから天候が悪く、山らしい山を眺めていない。今日は朝から
晴天。いざ、山を眺めに行くぞ。と揃ったメンバーが初ちゃん、伊東、山本、早川。エギュ・デュ・ミディ
までロープウェイで散策にでかける。小道具はプラブーツとアイゼンとピッケルの三種の神器だ。
エギュ・デュ・ミディはすごい観光客だったが、天気も山ももっとすごい。グランドジョラスもモンブラ
ンもタキュルも針峰群もミディ南壁もすごい。遠くにマッターホルンの穂先が見え、大きな大きな山また山。
ヨーロッパアルプスだ〜。
今度はモンブラン縦走だ。ミディ南壁だ。とコスミック小屋までの往復を一歩一歩まさに’ぽっぽ’して
きました。
ガイアンの岩場では子連れ、家族連れで岩登りに興じる様にカルチャーショックを受けました。短い夏を
こうやってみんなで楽しんでいるんですね。
色々あったこの山行も打ち上げの時が来ました。山の見えるテラスで生演奏を聞きながら優雅に夕食。由
良さんの機転で今年は初ちゃんに生演奏の誕生日祝いで「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」
去年に引き続き涙の初ちゃんでした。
徐々に紫色にのまれていく山を見ながら、最後に楽しい仲間と楽しい話で笑い、飲み、食べ、わたしはい
つものように深い眠りにつくのでした。
8月15日(火)
朝5時。DOUDOUのタクシーがおでむかえ。チューリッヒまで300kmひとっ走り。もうヨーロッ
パともお別れ。
8月16日(水)
関空で:荷物がでてくるのを今か今かと待っていました。麻薬犬が我々のグループ回りを旋回し、一番怪
しそうな由良さんに近づいていくではありませんか。「怪しいのは風体だけだよ」と見ていたら、麻薬犬は
執ように由良さんを嗅ぎ回り、ついに係官が由良さんをボディーチェック。な・なんと彼のポケットからビ
ニール袋に入った白い粉が。「えっ!由良さんってそういう人だったんだ。げげっ!」 無事麻薬犬の訓練
も易しい例題で終わったようで、私たちの’95夏ヨーロッパ山行も終わりました。到着ロビーには優しい
顔をした毛さんと村崎さんが「おかえり。おめでとう。」の手作りカードを掲げてお出迎え。ぐっ(胸のつ
かえる音)。ありがとうございました。
5.交通
航空チケット;格安チケットで往復¥175、000!!確かに安いが直前までとれるかどうか確定しな
い為、不安はつのる。しかし、多少の日程調整で何とかなるものだから割り切ってトライするのも手だ
と思う。今回も予定より3日帰国が早まり、ミディ、モンブラン・デュ・タキュルは割愛した。
購入は(株)H.I.S. TEL06−456−3401
大見、早川で何度も電話していじめまくった。でもそのおかげで出発の5日まえまでチケット入手に努力
してくれた。また次回もいじめよう!
列車;スイスの主要駅でHALF FARE TRAVEL CARD(SF90)が購入できる。これ
で1カ月有効、列車・ロープウェイがスイス国内半額になる。ツェルマット・ユングフラウの山岳地方では
重宝する。
(ただし、今回ツェルマットのロープウェイでは半額になっていたかどうか多少疑わしい。私たちの無知
故かもしれない。)
タクシー;今回シャモニーからチューリッヒまでタクシーを利用した。300km=3時間。F680(
¥13500)だがチューリッヒでのホテル代、列車代を考えると高くはない。むしろ午前中の飛行機の為
に1日移動に費やすより、早朝タクシーを飛ばした方が日程節約になった。
シャモニーのタクシー運ちゃんMR.MONSIEUR DHOOMUN(通称DOUDOU)(英語O
K) TEL 07 63 50 34
6. テント場
ツェルマット;駅プラットホームのすぐ横。SF5/1人。受付時間 8:30〜10:30&16:
00〜18:00。DEPOSITにパスポートを預けてあるため移動日のチェックアウト時間に注意が必
要。設備は良くないが、一応シャワー有り。駅に近い。
シャモニー;駅から歩いて15分。設備の整ったCAMPING。繁盛しているので予約をいれた方がよ
い。ガイアンの岩場まで自転車5分。
管理人のPHILLIPは陽気なFRENCHTEL?ともに街中なので荷物の軽量化はあまり考える必
要ない。今回も荷物室ように2テンを1張りもっていけばよかった。
7.山小屋
絶対早めに予約をいれた方がよい。そのほうがごたごたしないで済むが、予約無しでも、つっこんだらつ
っこんだでどうにかなる。
(1)ヘルンリ小屋;二軒あるうち向かって、右側の小さい方がスイス山岳会 の小屋で起床時間が早い
=3:00。左側の村営は起床4:30。ただし、 今回は混んでいたので双方起床3:00であっ
た。スピード第一のマッターホルンでは3:00前にこっそり起きてトイレも済ませ、行動食で朝食を
済ませて出発したい。テルモスのお湯は前日にもらっておく。
1泊2食付 SF70(¥5600)
スイス山岳会小屋TEL 67 27 69
村営小屋TEL 67 22 64
(2)グーテ小屋;起床2:00。予約なくとも、食堂の床に寝かせてくれる。
今回予約していなかったが、到着はやく(15:00)ベッドを6床提供してくれた。色々気持ちの
いいサービスのありがたい小屋でした。トイレは2ヶしかない。早く起きるかあきらめるかである。
1泊2食付 F235(¥4700)
TEL 50 53 16 03
8.ガイド協会
ツェルマット;メインストリートを駅からロープウェイ駅に向かって500m右側。スキーガイドと2棟
つづき。ウィンドーに天気予報有り。結構当たった。マッターホルン登はん可否についてもアドバイスもら
える。今回も雪ついたため。非常に悩んだが、「晴天になれば2時間で解ける。」の助言で決心ついた。
シャモニー;駅から正面の通りを約200m。にフランス山岳会。表に天気予報有り。また山小屋のIN
FO.あり。ガイド協会2Fに資料室あり。
9.トレーニング
まだまだ経験の浅いメンバーゆえ、とにかいろんな本ちゃんを積もうということで’94年夏山山行より
参加予定メンバーを中心に合宿を組んだ。当然、各合宿前にはそれに備えた練習を積んだ。
94夏;歩くことが登山の原点とし、縦走を絡めた岩登りで軽量化が課題。南アルプス北沢峠〜仙丈〜両
俣〜北岳〜バットレス登はん〜広河原バッカバッカのばか尾根縦走が辛く、でも「歩くっていいな」の合宿
だった。
95冬;北八ヶ岳バリエーションルート。雪山の経験と登はんが課題。94末に入会された栗田さん、田
中さんも急きょメンバーに加わり、合宿前には充実したトレを積むことができた。登はんも成功。
95春;北アルプス涸沢ベース北穂高東尾根等。残念ながら森田、小寺、早川は参加できなかったが、合
宿の方は新人の栗田さん、田中さん、弓山さん、富谷さんを加え成功裏に終わったそうな。うらやましい。
これらの合宿のあと、ヨーロッパを想定したトレーニングを行った。
5.14 百丈岩雨中登下降3往復。と交代で中級コーチ。
5.20 御在所藤内壁前尾根(プラブーツ)ここで会った愛知のメンバー3名とマッターホルンでも一
緒になる。
5.27 蓬莱峡 プラブーツ.ユマールで夜間登はん2本。28日早朝より20本。岩場登下降の体力
・精神力つくり。
6.9 富士山高度トレ。7月にもう一度やるつもりだったが、遠いのでこの一回だけ。結果的にはこ
の一回で成果あった。頂上で一泊し、どーもなかったのは小寺だけ。水分を十分とること、
呼吸を深くすること、テント内の換気をよくすること。頭痛と吐き気で翌朝早々に下山。
6.17 雪彦山登下降。すみません早川参加できず、詳細不明。
6.24 蓬莱峡・不動プラブーツ.ユマールで登下降30本。修行僧の気分でひたすら登り降り。約4
時間弱。ユマールも外したフリー、懸垂も交える。
7.2 伊吹山近場で標高差のあるところということで、体力つくりにプラブーツで往復。
7.9 不動本番のザイルパートナーとの登はんのつもりだったが
7.23 須磨〜三宮 もう合宿前のトレとしても定着してしまった縦走。今回は荷物も軽くしてジョギ
ングシューズでスピード重視とする。下山後ひとっ風呂浴びて、毛さん宅で懇親会。
7.30 保塁夜間登下降(2本)とザイルパートナーとのコンテ(2周)。体力的には今回の山行で筋
肉痛にもならなかった。個々で日々のトレを積まれた成果でもありましょう。従って、これらの
メニューで体力面と岩場の登はん面は満足して良いと思うが、マッターホルンをとって考えると
ザイルパートナーとのザイルワーク・コンテの練習、そして岩場の下降(もちろん懸垂を含む)
の練習が絶対的に不足していた。登りよりも下りを安全に早く!というのがマッターホルンに必
要と思う。それでは、どこで?ということになるが、沢の登下降をアンザイレンして行うのが良
いのではないかと思う。
10.参考文献
モンブラン山群特選100コース 山と渓谷社 ガストン・レビュファ著
近藤 等訳
ヴァリス山群 特選100コース 山と渓谷社 ガストン・レビュファ監修
近藤 等訳
THE HIKING OF ALPS(絶版) 山と渓谷社
11.最後に
山小屋2泊、残りはドームテント1張りのなかに9名でそれこそ寝食を共にしました。あれだけ楽しい
山行ができたのも約1年間の長い準備期間の合宿そしてトレがあったからだと思います。これらを引っ張
ってこられた杉山さん、ごくろうさまでした。伊東さんは雪彦の事故から2年弱。かなりのリハビリを積
まれたのでしょう、すっかり改造人間としてよみがえり事故以前以上の体力をものにされた様子です。初
ちゃんは紅一点でシェフの山本さん共ども買い出しや料理の負担がかかりました。ごめんなさい。
反省として、私の経験不足からビバークの十分な準備を怠った。特別な気負いをもってしまった。モン
ブランに全員でトライしなかった。コンテと下降の練習が不十分だった。パーティー編成をもっと早く決
めるべきだった。・・・といろいろありますが、今回の経験で海外の山をぐっと身近に引き寄せてきまし
た。次回また今回以上にすばらしい山行が続くよう祈っています。
以上、長い文章おつき合い下さいまして、もうしわけありません。
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