新雪の様なフカフカの雪では無理だが、十分に支持力の得られる、ある 程度雪がしまっている場所を選択しなければならない。
氷壁の場合は、水氷、氷柱の集合体、雪混じりの氷などの支持力の不安 がある箇所は避けて、堅いしっかりとした場所を選択する。
<下降方法>
1.ピッケル1本での懸垂下降
※ ピッケル1本での下降は、かなりしまっている雪面以外ではやってはならない。
@ 雪面にピッケルを横に置けるぐらいの穴を掘る。
A T字型になるようにザイルが通る穴を掘る。
B ピッケルのピック部分の穴に長めのシュリンゲを結ぶ。
C ピッケルにザイルを回し、@の穴にピッケルを置き、Aの穴にザイルを通す。
D Bでピッケルのピックに結んだシュリンゲを、引き抜く方向のザイルにプルージック等で結ぶ。
この時に、シュリンゲに余裕を持ってたるませておかなければ、懸垂中にザイルが伸びたときに
ピッケルに引き抜きの力が掛かってしまう。
E ピッケルが抜けないように、慎重に懸垂下降の体制をとり、下降する。
★ 図解(1)
2.ピッケル、バイルでの懸垂下降
@ 雪面にバイルを横に置けるぐらいの穴を掘る。
A バイルのピック部分の穴に長めのシュリンゲを結ぶ。
B バイルを@の穴に置く。
C ピッケルの石突部分にある穴に長めのシュリンゲを結ぶ。
D Bで置いたバイルのシャフトの中間部の後ろ側にCのピッケルを刺す。
E ピッケルの首の部分にザイルを引っ掛ける。この時、心配であれば、ピックの穴の部分にシュ
リンゲやカラビナを掛けて、ザイルを通してもよい。
F ACで結んだシュリンゲを引き抜く方向のザイルにプルージック等で結ぶ。
<注意事項>
@ シュリンゲの長さに余裕を持たせておかないと、懸垂中にザイルが伸びたときにピッケル、バ
A シングルで懸垂する場合は、ザイルの色が同じなので、引き抜く方のザイルを覚えておかなけ
B 下降後にザイルを引くとピッケル、バイルが回収できるが、頭上から落ちてくるので注意が必
イルに引き抜きの力が掛かってしまう。
れば、ピッケルが回収できないので注意する事。
要。
3.アイススクリューでの懸垂下降
@ 氷の安定している場所を選択してアイススクリューをねじ込む。この時にザイルが外れにくく
するために、ヘッド部分の金具が上を向くようにする。
A ヘッド部分のカラビナを掛ける穴にシュリンゲを結び、スクリューのねじ切りと反対方向にシ
ュリンゲを巻き付けていく。
B アイススクリューにザイルを掛ける。
C Aで巻き付けたシュリンゲを、引き抜く方向のザイルにプルージック等で結ぶ。
D ザイルが外れないように慎重に懸垂下降の体制をとり、下降する。
★ 図解(1)
<注意事項>
@ シュリンゲの長さに余裕を持たせておかないと、懸垂中にザイルが伸びたときにアイススクリ
A シングルで懸垂する場合は、ザイルの色が同じなので、引き抜く方のザイルを覚えておかなけ
B 下降後にザイルを引くとアイススクリューが回転して回収できるが、頭上からアイススクリュ
C アイススクリュー1本で下降するため、氷質に少しでも不安がある場合は、絶対に懸垂下降し
ューが回転してしまう。
れば、アイススクリューが回収できないので注意する事。
ーが落ちてくるので注意が必要。
てはならない。