有持/ARIアルパインクラブです。
T.Fukumaki wrote:
>
> 服巻@神奈川山岳会です。
> それより、ずっと疑問に思っていたことがあります。
> 通常ATC等の制動機をハーネスにつけてビレーしますよね?
> ロープ操作がしやすい、墜落のショックを体で吸収する、相手の動きに合わ
> せて移動できる、等々の利点がありますが、引き込まれの危険性はいかが
> でしょうか。
トップをビレーする場合は、まず最初にビレーポイントにランニングビレー
をとっておけば1本目の支点に行くまでにトップが墜落しても下方向に引きず
り込まれることはありません。
セカンドを確保する場合は、直接ATCをつけてそのまま確保していると、
セカンドが墜落した場合にはビレーポイントとセカンドの間に挟まれてしまい
身動きがとれなくなってしまいます。実際にこの方法でビレーしている人がた
くさんいます。
どうしてもATCをボディーで使いたい場合は、ビレーポイントにカラビナ
を1枚掛けてザイルを通してやり、ザイルの流れる方向を上方向にかえてやら
なければなりません。
セカンドを確保する場合は、ビレーポイントにカラビナを掛けて半間マスト
にすることをおすすめします。
ATCやエイト環をビレーポイントに付けて確保しても、適正な位置と適正
な方法で確保してやらないと、グリップビレーと同じになってしまい、危険な
場合もあります。
> 実際にある団体の講習会では、お腹につけたATCによるビレーで確保訓練
> を行なったところ、次々と岩に叩き付けられて怪我人続出ということもあった
> ようです。その時は確保者の後方(岩と反対側)にセルフビレーを取ったそう
> ですが、それでヘ実際の岩場の状況と異なりますよね。
60キロぐらいの重りをつけて、数メートル落として確保するという方法で
すよね。私もやったことがありますが、反発を買うかもしれませんが私はこん
な練習は必要ないと思います。
これと同じ状況を実際の岩場で作るとすれば、衝立岩/雲綾第2ルートの大
ハングをランニングビレーをまったく取らずに登り、ハングの一番張り出した
所にランニングを1本とりさらに5メートル以上ランナウトして墜落しなけれ
ばなりません。実際にこんな登り方をする人がいるのでしょうか?
私はこんな登り方はしたくありません。
私は、自分でも何回も墜落したことがありますし、墜落を止めたこともあり
ますが、引き込まれた事は一度もありません。実際にはザイルの伸びや、ラン
ニングや岩での抵抗でほとんど吸収されてしまいます。
それに墜落したからと言ってザイルを流し、制動確保をする必要もありませ
ん。そんなことをすると場所によってはグランドフォールしたり岩にたたきつ
けられたりする恐れもあります。肩がらみや腰がらみ確保の場合は制動確保を
しなければ危険な場合がありますが、今時本番で肩がらみしか使わないと言う
人はいないと思います。
> 学生時代(もう15年以上前ですが)は、引き込まれて岩に叩き付けられて
> 確保が出来ないから駄目だと言われ、岩の支点に制動機をつけた確保を
> 教えられました。もちろん単一の支点は厳禁、特にハーケンならば3点以上
> から取りました。しかし、この方法は支点が抜けたらどうしようもない、操作
> が面倒、落石や登攀者の移動によって必要があっても移動できないなどの
> 欠点があって最近は認められていないようですが、皆さんいかがでしょうか?
最初にも書きましたが、トップを確保するのには向いていません。もし貧弱な
ビレーポイントの場合、トップが墜落した衝撃でビレーポイント自体が崩壊して
しまう可能性もあります。その場合は2人とも墜落してしまいます。
ボディの時は最初の衝撃がビレーヤーに来ますので、ビレーポイントには間接
的に衝撃がかかります。
> 私自身は、最近まで支点確保を使って「たんですが、今はお腹ビレーを
> 使っています。実際の本チャンではよっぽど大きな墜落でなければ、ハー
> ケンの抜けやロープの伸びでそれほど衝撃が来ないのでいいかなとも
> 思って宗旨替えしましたが、やっぱり悩んでいます。
> 皆さんのご意見をお聞かせください。
私はボディでのATC使用をおすすめしますが、最初に書いたようにくれぐれ
もザイルの流れる向きに気をつけて、下方向に引きずり込まれない様にして下さ
い。
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