JECC/廣川健太郎です。
★錆具合、打ち込み具合、更に例えばすぐ上に1本効いている支点があるかどうか
など状況によりますが、切れそうなスリングについては自分のを掛け直すでしょ
うね。
まず、自分がセルフを取って体重を預けるに足るか、セカンドの墜落に耐えられ
そうか、更に次にトップがランナーをとる前に落っこちて耐えうるかなどを想像
して必要と思えば補強します。
★昔(私がアルパインを始めた20年位前)は、支点の補強とか、ランナーにピン
を打ち足すなど、3スラに限らず、ほとんど必要を感じませんでした。
支点を打ち足したというような話を聞くと恐がりか、腕が悪いのかとか、言われる
ような感覚でしたが、開拓期の先鋭者達が巧みなピトンワークというか目、腕を
持っていたんでしょうが、開拓が一段落した安定期、残置を前提に登る本チャンで
はそういう素養があまり必要でなかったように思います。
ボルトやピトンが抜けて打ち直したという話もあるにはありましたが。
★しかし、初登から20、30、40年と経ってくれば、当然、抜けてしまうもの、
中が腐っているものなど、支点は損傷、老朽化し、昔登ったルートを数多く、
ここ近年登り直して実感するのは、ごくポピュラーなルート以外は、ピトン、カ
ム、ボルト必携。昔にくらべると支点類は沢山持っていくようになりました。
(年のせいもあるでしょうが、昔にくらべると、ヌンチャクも多用するので重いですね)
★でも、昔は今ほど、支点に残置スリングはセットされていなかったと思います。
たとえば3スラは敗退しない限り、ビレー点にスリングを残しておく必要はない
訳で、今は下降が一般的ではないところまでスリングがセットされていることが
多いですね(烏帽子中央カンテとか、衝立各ルートとか)。
スリングとかセットしておくと、水が抜けにくいので支点が痛むので個人的には
余りベタベタスリングを残すのは良くないように思います。