遭難救助(5)/回答<3>
廣川@JECCです。

   都岳連共済は個人加入可能ですが、都岳連の個人会員になることが前提条件だったと記憶しています。
  たしか、年会費が6000円、死亡創作150万コースが掛け金5000円、200万コースが
  7680円の掛け金です。
   無所属の人が、山岳地の現地救助組識以外になにかあったときに相談できるという意味では価値がある
  と思いますが、そうでないと年会費分もあるので割高ではないかと思います。

     こうした連盟などが扱っている共済、保険以外に個人加入可能な山岳保険もいくつかあります。
   千代田火災では色々なコースを設定しており、千代田保険センターという代理店が専ら取扱っています。
    捜索100万、死亡180万の基本プランが年8000円ですが、保険料を何年か分まとめて払いこ
   むとかなり割安になります。また、山岳連盟が扱っているものと大きく違うのはこの保険の場合は
   山とは関係のない、日常の事故、山への往復の間の事故も対象としていることでしょう。 
   山の部分だけ見ると一件割高ですが、補償範囲が広い点は評価できます。

     千代田保険センターは03(5453)4480 担当 天野さんですが、私の所属するJECCの
   先輩です。事故の際の手続きなどについては、個人経営の代理店なので丁寧にアドヴァイスしてくれ  
   るという評判です(幸い私はお世話になってませんが)。

     連盟の共済などは団体が承認している山行でないと、補償されない点には留意が必要です。
     私の知っているケースでは無届け山行とされて労山の基金申請を所属会が拒否した例、保険金の受取
   りが団体扱いとなっていて死亡保険金の相当部分を団体が留保してしまおうとして、遺族とトラブルに
   なった例(一般の山岳連盟でのことではありません)などもあります。特に会を辞める場合,例会とか
   から足が遠ざかり無届け山行をしがちになり、会の中の人間関係がうまくいっていない場合などには、
   個人加入の保険にきちんと入っておくことが山行パートナーや家族のことを考えると大切かと。
  (もっとも、個人の負担でそもそも共済なり保険に入っているのですから、人間関係がうまく行ってい
    ないからと事故の際に規則を盾にとって見捨てるとか、逆に団体受取りをいいことに掠めとるという
    のは全くよくやるよなあ、と思います。)

     捜索の費用についていうと、富山県のように行政の山岳警備隊組識があるところは、救助を依頼して
   も目茶苦茶?な費用はかかりません。行政側でヘリを持っているのは、富山、長野県警などの他、
   山梨、群馬、新潟など最近ではかなりの地域で防災ヘリなどが救助に出てくれる場合があり、行政の
   ヘリが出てくれた場合は消耗品程度の実費を請求される位ですが、これらのヘリが別で拘束されれてい
   る場合は民間のヘリを要請することになり、1時間50万円位の出費は覚悟する必要があります。
   某県の某地域では行政のヘリよりもOBが天下っているのか何かで民間に振りがちなところもあります
   ので、警察が民間のヘリを手配しますと言った場合でも、行政のヘリが空いてないか、今空いていなく
   ても、継続捜索になった場合は極力行政のヘリをお願いしたい等、言いづらくても言う必要があります。

     民間のヘリは松本、調布などに常駐してますが、そこから飛んでくる分を含めて時間計算されますの
    で一回飛ばせば100万円位は覚悟する必要があります。
     なお、警察等に要請して救助隊が編成される場合でも警察官が救助隊員の富山などは例外で、多くの
    地域では地元の民間の山岳会員の人が救助隊を組識するので、出動してもらった場合にはかなり高額の
    日当を支払う必要が生じます。おおまかにいって一日一人4万円以上はかかってしまうでしょう。
     また、アルパインクライミングの厳しい現場、例えば穂高や甲斐駒の冬壁に出動できる地元救助隊と
   いうのは、殆どないと思います。

    事故がおきて救助をお願いする場合もそんなに人数がいらないとか、なかなかいいづらいですが、地域
    によってはかなり余裕を見て大人数が出動してくれてしまう?所もあるようです。
     この辺り、初動の捜索に関する地元と所属会の間の調整などが事故の際、頭を悩ますことも多いです。

     冬山で滑落行方不明、3日連続民間ヘリを飛ばし、地元捜索隊も10人が5日間出動とかの事態に   
    なれば、500万位はかかってしまいます。二人、三人が同時に落ちていればまだしも、一人だけ
    が落ちた場合は、一人分の保険しか使えないのも注意が必要な点です(労山の基金は仕組みが違う
    ようです)。
          私個人は捜索で400万程度は共済と保険でカバーできるようにしています。 
                          都岳連共済      千代田火災
                         死亡 200万   死亡 400万
                         捜索 200万   捜索 200万

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