こんにちは! 草薙@川崎労山(JK1PXA)です。
いつもドキドキ、ワクワクするメール ありがとうございます。
今回の「非常通信」は、みなさんのメールを興味深く拝見させて頂きました。
私自身、昨年の6月谷川岳一ノ倉沢衝立スラブでの事故の一報を出合で受信
し、指導センターに通報しに行ったことがあり、他人事と思えないので、
非常通信について感じていることをお伝えしておきます。
1 緊急連絡の一報はメインチャンネルで
山岳地では、特定の周波数を決めても混信が多く、交信できなくなって
しまうことが多く、最初の連絡は呼出周波数である433.00MHzか145.00MHz
で行う方が無難です。
谷川の事故では、下山の遅いうちの会のメンバーが心配になり、出合で
433.00MHzをワッチしていた所、下山メンバーからコールサインを呼ばれ
「事故者発見!」を知る。サブチャネルに移って再度連絡を取り、車で
指導センターに通報しに行きました。
2 緊急連絡の交信方法について
相手のコールサインと自分のコールサイン、氏名をハッキリ言って交信した
方がいいようです。 最近、「いたずら」で非常通信を行うバカ者がいるらし
く、コールサイン、氏名を名乗らないと、なかなか信用してもらません!
やはり、仲間内で時間を決めてワッチ(傍受)する習慣をつけておくのが一番
確実です。
それから、何度かトランシーバを使った緊急連絡の練習をしておいた方が、
いいと思います。(普段、使わない人は特に!)
シビアな状況で重傷者を目の当たりにすると普段冷静な人でも気が動転してし
まい、現場の状況を思うように伝達ができません!また、使用するトランシー
バーも、どんな状況でも使える単純操作の物の方がいいでしょう。
3 144MHz、430MHzどちらがよいか?
谷川岳の指導センターには、どちらの無線機もあるそうです。ただ、指導
センター、一ノ倉沢間は144MHzなら交信できるが、430MHzでは交信できない
と言っていました。430MHzは144MHzと比べ地形の影響を受け易く、見通しの
きかない沢筋などでは交信範囲が制限されてしまうからでしょう。
私の場合、送信パワーが1W程度であればどちらも大差無いような気がする
ので、レピータが使え、軽くてコンパクトな430MHzのトランシーバを使って
ます。
4 レピータの利用
430MHzには、自分のトランシーバの電波を広範囲に伝える方法として、
レピータ(中継局)があります。これを利用すると、1W程度のハンディー・
トランシーバでも、場所によっては100Km以上先と交信ができるので、非常時
の第一報を伝える手段として、有効だと思います。ただし、レピータは私有の
設備を利用させてもらう訳なので、手短に交信し、他の利用者とのトラブルを
避けた方がいいでしょう。
以前、乗鞍岳をスキーで登っている、うちの会のメンバー(0.5W)と東京
江戸川の私の自宅(5W)から、美ケ原レピータ経由で交信(緊急ではない!)し
たことがあります。
参考までに、主なレピータ局と利用可能な山域を紹介しておきます。
レピータ局 周波数 利用できる山域
赤城山 439.18MHz 谷川、朝日、白毛門など
美ケ原 439.32MHz 甲斐駒、北八、乗鞍など
レピータは個人のクラブ局が管理運営しており多くのアマチュア局が利用し
ています。利用に際しては、休止や利用者が集中して交信できない時間帯もあ
り、いつも利用できる訳ではない点に要注意!
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携帯電話が普及してる昨今、今さらアマチュア無線?という気もしますが、
電話と違い、無線は多くの方が交信内容を聞くことができるので、捜索や救助の
状況が掴み易く、まだまだ利用価値はあると思います。
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