永岡@大和魂です。
先日、ホームページのアイスクライミングの質問コーナーを見ていて「アレッ」と思う部分があったのでメール
しました。其の部分は、フィフィの使用とワンハンドでのスクリューのセットについてでした。結論から言うと「
高難度のルートではフィフィの使用は避けたほうが良い」との意見を持っています。
理由として以下のことがあげられます
・ 高難度のルートでは氷質が悪いことが多くアックスにテンションをかけたほうが危険度が増す。(実際にこの
状態でパートナーも自分もアックスが抜け落ちかけまたは落ちた事が何回かある)
・ 高難度のルートではアックスを体の中心線上に打てることが少なく、フィフィに頼ろうと考えているとランニ
ングが取れなくなる。
・ 登攀スピードが遅くなる。(長いルートにおいては致命傷になる)
・ アックステンションの状態でアックスが抜けて落ちると、頭から無防備な状態でひっくり返って落ちる。(苦
し紛れに使って危険な体勢で落ちるより力尽きても安全な体勢で落ちたほうが良い)
私も以前はフィフィを使っていましたが、去年の暮れにカナダに行っていらい一切使わなくなりました。上に記
した理由からです。さらに、現在市販されているクロモリ製スクリューなら簡単に片手でセットできるからです。
私自身、過去はチタン製のスクリューばかりだったのでアックステンションを使用しましたが、現在はクロモリ
製を買い込んだため(高い出費でした)ノーテンで登れる様になりました。
スクリューを片手でセットする際のコツは、「なるべく凹んだところに入れる」です。アックスを打った後やつ
ららの隙間などがお勧めです。そしてなるだけスクリューの側面の溝を氷に接するように、場合によっては斜めに
ゆっくりねじ込んでいきます。
こうすることによってスクリューを前に押し出す力を強めてやることができ、スクリューの歯が氷に噛み付きや
すくなります。クロモリ製のものであれば、あとは乱暴にまわしても簡単に入っていきます。先さえ入れば回しな
がらスクリューにつかまって休めます。(これはある意味アクッステンション以上にインチキですが、、)慣れれ
ばフィフィを付けたりはずしたりするより楽に出来ます。
ハンガーを回していき、ハンガーが周りの氷にぶつかって入らなくなったら、周りの氷をアックスで砕いてやれ
ば問題無く根元までねじ込めます。
ただし、薄い氷の場合は出っ張ったところに打ったほうが良いかもしれません。蛇足ですが、ここまでの部分は
カナダでやったことなので日本の氷に通用するかわかりませんでした。しかし、3/1に八ヶ岳の南沢大滝にいっ
た時全て片手でスクリューをセットできたので日本の氷でもおおむね同じだと確信できました。
滝のコンディションも表面がでこぼこで、アックテンションに頼る登りかたではランニングをとることは難しい
状態でした。これからはむしろ安全性のためにも、アックステンションは避けるべきではないかと考えています。
若輩ものの小生意気な意見ですが参考にしてください。
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