増田@YCCです。
> 尾崎@クライミング上だクラブ、野田憬稜登高会です。
> という今日この頃ですが、アイススクリュウの評価について
> の質問です。
> 現在私が使用しているのはブラックダイアモンドと、カンプ、
> ウシュバ ロシア?のチタン製の3種ですが、セットと回収か
> ら言うとブラックダイアモンドが安定して使い易い感じです。
> 大同心の大滝で仲間が韓国土産で買ってきたチタン製
> 極太の全ての刃が見事に内側に捲くれ上がってしまったり
> と、外観だけではわからないのですね。
チタン製スクリューはアルパインアイス(たとえば氷河みたいな空気を含んだ
密度の低い氷)のためのもので、固く密度の高いウォーターアイスには向いて
いません。
使うと、歯が曲がったり、すごい力が必要だったり、氷が詰まったり(赤岳鉱
泉のストーブで暖めているひとをよく見かけますが)します。
スクリューにかぎらず、欧米製の「アイスクライミング用」ギアにはアルパイ
ンアイス用のものも見られ日本で行われているウォーターアイスクライミング
には向かないギアが含まれています。
残念ながら、輸入元やショップの店員もこの辺の知識がないため、ごちゃまぜ
にして売っており、買い手は自分で勉強するしかない状況です。
クライミングテクニックに関してもそうで、アルパインアイスとウォターアイ
スのテクニックが混同されている場合があります。
たとえばフラットフッティングで急斜面を登ったり下降したりするのは、氷河
ではそんなに難しくありません。
ショイナードの本「アイスクライミング」に出ているフレンチテクニックは氷
河だったら容易にできますが、ジョーゴ沢や裏同心ルンゼのような水氷でやる
のは命懸けです(できちゃう人もいますが)。ジェフ-ロウの本「アイス-
ワールド」ではちゃんと区別されていますが。
というわけでウォーターアイス用のスクリューは、ステンレスかクロモリ製で
できればブラックダイアモンドの様に入口と出口で直径を変えてあるものが抵
抗が少なくかつ氷が詰まりにくいです。
内側にラッカーをスプレーしておくとなお詰まりにくくなります。
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