装備質問(18)/回答<2>

 こんにちは。田村@相模労山です。


> オルトボックスF1・アルペンビーコン・デジタル(?)という機種がよく出ているよ
> うですが、よろしければそれぞれをお使いの方、使い心地をお教え願えないでしょう
> か。

 私自身はF1のユーザーです。

 F1とアルペンビーコンはどちらも従来型(アナログ型?)で、
捜索時の使い勝手はそれほど変わりません。
 細かい違いですと、
  ・F1の方が音を併用することで微妙な違いがわかることがあ
る
  ・いざ捜索時に衣服から引っぱり出す祭、F1はバックルをは
ずすことで素早く取り出すことが出来る。ただし、アルペンでも長
さ調節用のバックルに紐をかけておくことで素早く引き出せるよう
工夫できる
  ・電池はF1はアルカリ単3型2本で確か200時間使用可 
   アルペンはカメラ用のリチウム電池(型名は知りません。指
定された型のものでもパッケージの角を削らないと入らない場合が
あります。)1500時間使用可
   F1の時間が短いですが通常は予備を持って行けばすむこと
だと思います。ただ、実際に埋まってしまって発見されなかった場
合・・・つまり遺体を捜索する場合を考えるとアルペンに魅力があ
ります。ただ、F1でも単3型リチウム(売ってるお店が少ないか
もしれませんがヨドバシカメラや登山用品店にあります。)を使え
ば3倍になり、寒さにも強くなりますので、私はこちらを使用して
います。
  ・アルペンは捜索開始後(発信モードから受信モードに切り替
えてから)数分(どなかかフォローお願いします)で発信モードに
戻り、捜索中に2次雪崩にあっても探してもらえます(デジタルに
もこの機能を備えたものがあると思いました)


 デジタルとアナログの違いですと、(デジタルも数機種あるよう
なので違うものもあるかもしれませんが)

  ・捜索の初期は圧倒的にデジタルが早い。特に埋没者のビーコ
ンが垂直な状態の時でも、指示通りに動けば埋没者に近づいて行け
る。(慣れていればアナログでも出来るという人もいますが私はち
ょっと?に思います)
  ・最低レンジまで近づいた後のピンポイント捜索(十字方)で
は、アナログの方が早いらしい。
  ・電池は単3型を3本で半端。使用時間はどなたか教えてくだ
さい。
  ・捜索時の感度の最大レンジが確か40m程度で、アナログの
約半分。ただし、実際の捜索ではデブリや遺留品などから範囲を限
定できるので、その範囲を動き回れば感度内に入ると思います。

 というわけで、1つのグループにアナログとデジタルの両方があ
る場合は、まずデジタルの人探させ、レンジがせばまったらアナロ
グの人がピンポイント捜索を行うのが早いようです。

 ビーコンの互換性は、今では共通の周波数を使っているので問題
ないはずです。

 覚えておくといいこととして、ビーコンのそばではAMラジオが
聞こえなくなります(ビーコンの発信周期の約1秒ごとに音声がと
ぎれる。まわりに大勢いると、全然聞こえない)。知らないと、天
気図を取る際にあわてますので注意してください。


 以上。蛇足ですが、パーティー全員がビーコン、スコップ、ゾン
デの3つとも装備すること、使い方に慣れること、充分訓練を行う
ことが重要だと考えます。発見後の救助や手当の知識も必要です。

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