質問内容/回答

<質問>

皆様お世話になっております。
佐野@松本市/無所属です。

当方、2月上旬にフリートレック(ファンスキー)を使用してスキー場ゲレンデにて
転倒してしまい、
左足脛部の脛骨(螺旋骨折)と左足脛部足関節下の腓骨を骨折してしまいました。
両方の骨とも非開放性で転位(ズレ)もほとんど無く、幸いといえば幸いだったので
すが。。。
その後、脛骨にエンダーピン(金属)を打ち込んで固定する手術を受けました。腓骨
は上部という
こともあり固定せずに放置となりました。
現在は自宅通院を行い、外固定(ギプス等)なしで松葉杖歩行でリハビリ中です。
全治についてはなかなか状況がつかめない状態です。今月中には松葉杖から開放され
る予定で
はあります。ただ、骨の付きが少々遅く、まだ仮骨も見えません。

ACMLメンバの方で下腿骨骨折の経験がある方がもし居られましたら、山復帰への
リハビリ方法
や経過について教えていただければと思い、今回質問させていただきました。

骨折の状態や部位によっても症状、回復過程は異なるかと思いますが是非とも参考に
させていた
だきたいので、体験談などをお聞かせ頂ければ幸いです。

特に気になるのが、
*夏山ハイキングレベルへの復帰タイミング
*クライミング(フリー)の再開タイミング
*冬山でのプラブーツの骨折箇所(脛)への影響
*足への衝撃が大きいと思われるアイスは?
*長時間歩行での痛みなど
という点になります。

今回の事故で、今シーズンの春山も雪稜も冬壁もパーとなってしまいました。
今は、少しでも早く山への復帰を考えているのみ、という状況です。
私自身、このような大きな怪我は山でも地上でもスキー場でも初めてでして、かなり
困惑しておりま
す。。。

皆様の良きアドバイスをどうかよろしくお願いします。

<解答> 



屋根の猫こと、木曾に住む内海(無所属)と申します。

お近くですね。
よろしくお願いします。

私の体験ですが、バイクで山中で転倒、右足首の脛骨・腓骨を骨折。
5ヶ月の入院でしたが、アドバイスとしては「金属を早く抜くのが一番」と言うことです。
仮骨は私も遅いほうでした。
これは心配は無いと思いますよ。
夏山なんて心配要りませんが、体に金属が入っているほうが心配です。
柔軟性の無くなった足は、ヒリヒリ痛みますよ。
山への復帰が一ヶ月くらい遅れても、  
 金属などと言う「体外物質」は抜くほうが良いと思います。
この際の再手術はすぐに退院できます。(私は一月かからなかった)
間違い無く一年で完璧に岩へは復帰できますから、焦らずにリハビリに励んでください。
アイスも大丈夫でしょうが、やはり金属が入っていると寒さが沁みてきます。
余談ですが、私は金属製の差歯も寒さが沁みるのでプラスティック製に変えてもらいました。
足に入っている金属は思ったより大きく、また体にも有害(?)だと思います。
長時間歩行のことですが、痛みには慣れるしかありませんし、
痛みより体液の循環を促すほうが先決なので、これも焦らずチマチマ歩くしかありません。
お幾つの方かは存じませんが、
 最近めっきりクライミングから遠ざかっている私でよければ、相談相手になりますよ。
「出来る方」にとって、私の山なんてリハビリ相手にちょうど良いのでは・・・?

時々DM差し上げて宜しいでしょうか?
ではでは!
焦らず チマチマ やって下さい。


 鈴木と申します。骨折部位がまったく違いますので、殆ど参考にはならない かもしれませんが、骨折の経験者としてメールいたします。  私の骨折は右足首の関節内複雑骨折でした(下腿とはちょっと離れていて 恐縮です)。足首を曲げられなくなる可能性もあるとのことで、一年間ボルト 4本を埋め込んでおりました。アルパイン復帰はほぼ5ヵ月後ぐらいでした。  フリーに関しては、TRでかぶった壁なら比較的早い段階でも取り付きやすい のでは、と思います。  あくまでも足首の骨折の話ですが、アイスに関して特に問題になった、という ことはありませんでした。  やはり長期の山は少しツライです。最初の1年は、山に行く時はいつも足首ぐ るぐるテーピングでした。3年たった今でも、疼痛は完全にはなくなりませんね・ ・・。今年はアラスカ遠征を計画していますが、足首とはうまく付き合っていこうと 思っております。  あと、やはりボルダリングはマットなしではできない体になってしまいました。  骨折からの復帰は、なんと言っても焦らないことだと思います。頑張ってくだ さい! 骨折後、初めて外岩に行った時(松葉杖をつきながら・・・)の感動と弾 むような嬉しさは、今でも忘れられません。
enokiya@雑木の会です。 佐野さん、始めまして。 骨折ですか、、、大変ですね。私も部位は違いますが10年ほど前に骨折を経験してお り他人事とは思えません。 参考までにお話させていただきます。 私の場合は右足首粉砕骨折でした。 骨折後4日目に手術でボルト、ワイヤー、プレート等で固定しました。 リハビリは手術の翌日から始めました。 当然傷口からは血が流れましたが、、、 1週間で退院後通院でのリハビリ、自主的に歩行訓練等を行いました。 家の近所をとにかく歩きました。 デスクワークということもあり仕事への復帰は2週間後でした。 この時は座ったり立ったりするだけで耐えられないほどの痛みでした。 夏山ハイキング(当然日帰り)は約半年後、場所は息吹山でした。 歩行速度を落として登りました。 歩行中は問題ありませんでしたが、次の日は歩くのが困難なほど痛くなりました。 このときはまだ、ボルトが入ったままです。 雪山ハイキングは骨折後9ヶ月目、大峰だったと思います。 このときはボルト撤去後2ヶ月です。 歩行時間は6時間程度、この時も次の日に痛みが出て大変でした。 クライミングへの復活は骨折後10ヶ月目、御在所前尾根岩登りー3ルンゼアイスク ライミングでした。 勿論オールフォローです。 両ルート共簡単なところなので特に登攀には問題が出ませんでした。 アイスでの蹴り込み等も問題なしです。 登行スピードは上がりません。 やはり次の日は歩行困難でした。 骨折後初めてW程度の岩場でのアイゼントレーニングは怖かったですね。 足が他人の様でした。 私の場合は骨折状態が非常に悪く(手術中にドクターが悪いと言っていました)本来 なら一年くらいボルトを入れるらしいのですが、無理にとってもらいました。 妻との約束でボルトを抜いてからでないとクライミングは禁止といわれていた為で す。 ボルトを抜く時は3日の入院ですみました。 クライミング、特にアイゼンで安心してリードできるようになるには2年程度かかり ました。 長時間歩行についてはどんどんやるしかないですね。 最初は半日程度が精一杯でしたがだんだんと歩行できる時間が延びていきます。 5年で一週間程度の山行では下山後の痛みも出なくなりました。 ただ、足首の可動範囲は狭く歩行速度は早い人には付いていけません。(特に下り) 通常の登山者の中では全く困ることはありませんが、、、 私の場合プラブーツは痛くてそのままでは履けませんでした。 足首は踝が非常に大きくなり、遊離した骨片が今でもあるのが手で触ってわかりま す。 その為、ショップでプラブーツを延ばしてもらい対処しました。 その後はプラブーツによる痛みは出ませんでしたが、買い替えの時に革靴にしまし た。 皮は最初痛かったのですが、10日程度履いたくらいから痛みは出なくなりました。 昨年一ヶ月ほど山もトレーニングもしなかった時期がありその時は痛くなりました。 私の体はもう山をやめるわけにはいかない体になってしまったようです。 その他、御質問があれば遠慮なく言って下さい。 わかる範囲でお答えいたします。 では、お大事に。
内海さん、鈴木さん、enotomoさん、どうもご回答いただきありがとうございます。 佐野@松本市/無所属です。 内海さま>>>>> お近くですね。今後ともよろしくお願いいたします。 >私の体験ですが、バイクで山中で転倒、右足首の脛骨・腓骨を骨折。 >5ヶ月の入院でしたが、アドバイスとしては「金属を早く抜くのが一番」と言うこと です。 >仮骨は私も遅いほうでした。 入院5ヶ月とは長めの入院ですね。私の場合は2週間でした。 やはり骨がついても金属が入っているとヒリヒリ痛みますか? 確かに柔軟性が無くなって何となく嫌な感じになりそうとは予想していました。ま た、エンダー挿入部の違和感は今後も続くような感じですので。 ただ、チタン素材であれば抜かない手もあるという話もありましたので、どうかと考 えておりましたが、やはり抜いたほうがよさそうですね。(私のはステンレス製で す) >この際の再手術はすぐに退院できます。(私は一月かからなかった) これも1ヶ月近くかかったのですか!、大変でしたね。 私の場合は1年後位に4日位の入院で片付ける予定となっています。 ひょっとして足関節にも骨折があったのでしょうか?それとも複雑骨折か何かでしょ うか? >長時間歩行のことですが、痛みには慣れるしかありません はい。そうですね。まだ杖を使っている段階ですので、こればかりは今後様子を見な がらゆっくりとリハビリをしたいと思います。 >時々DM差し上げて宜しいでしょうか? ご心配頂きまして本当に恐縮です。ありがとうございます。 初めての骨折で右も左もわからない状況ですので、有難い限りです。。。 HP拝見させていただきました。今は沢中心に今は活動されているのでしょうか? 私も関西の地元では大峰、台高方面で夏は沢に明け暮れておりました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 鈴木さま>>>>>> 今後もよろしく願いいたします。 >私の骨折は右足首の関節内複雑骨折でした 足関節を骨折された方は、その後の後遺症等でかなり大変なようですね。 調べた限りでもかなり長期に痛みを感じる方が多いとのことで、本当に大変でした ね。 >アルパイン復帰はほぼ5ヵ月後ぐらいでした 関節部の複雑骨折で復帰5ヶ月後とはお早いですね!凄い。 夏山はともかく、冬山や寒冷地の登山は古傷が痛みそうで今から気が病みます。 >今年はアラスカ遠征を計画していますが あ〜いいですね。私も海外遠征へ行きたいです!。 といいますか、2年後あたりにヒマラヤへの遠征(といっても6千メートル級のマイ ナーTRピークですが・・・)を予定しているのでそれまでに後遺症が回復していれば と願ってます。 >あと、やはりボルダリングはマットなしではできない体になってしまいました。 これはちょっとつらいですね。ちょっとボルダリングに近所の人工壁へ横トラバース に、ということもマット持参だと面倒に感じますね。。。飛び降りができないのはツ ライです。 どうもご回答ありがとうございました。 これからゆっくりとリハビリしていきたいと思います。 enotomoさま>>>>> 今後ともよろしくお願いいたします。 >私の場合は右足首粉砕骨折でした。 やはり足首を骨折をされる方が山関係では多いみたいですね。 脛の場合は関節部でないので、あまり足首の曲がりが悪い等ないためまだ良かったと 思っております。 しかし、まだ足首が手前に5度程度正常に曲げることができず、びっこを引くような 感じになっています。 >雪山ハイキングは骨折後9ヶ月目、大峰だったと思います。このときはボルト撤去 後2ヶ月です。 大峰ですか。私も元関西だったため一時期は大峰はホームグラウンドでした。大普賢 や地獄谷周辺を冬はうろちょろとしておりました。稲村周辺の谷を集中したりと懐か しいです。 >クライミングへの復活は骨折後10ヶ月目、御在所前尾根岩登りー3ルンゼアイス ク>ライミングでした。 >勿論オールフォローです。 粉砕骨折でも10ヶ月でアイス復帰されているのですね。足関節の粉砕骨折は直りにく いだろうと思いますが、なかなか凄いですね。 私の場合、メンバー構成上どうしてもトップに立つことが多く、本当に簡単なルート でしかフォローに回れません。これが今後つらいところです。しばらくは入門ルート 巡りとなりそうです。。。 >ただ、足首の可動範囲は狭く歩行速度は早い人には付いていけません。(特に下 り) 私も足首の曲がりがまだ悪いので、直ればいいのですが。。。 日帰り速攻アタックが多いためスピードを無くしてしまうのは怖いです。ただでさ え、そんなに早くないというのにです。(有持さんのようなスピードがうらやましい です。) 足首の可動範囲が多少狭くても、そんなには歩行に問題はないと思って良いでしょう か? >私の場合プラブーツは痛くてそのままでは履けませんでした。 私の骨折箇所もちょうどプラブーツのベロの部分ですので、骨が太くなってしまい当 たるようになるのではと心配しています。 色々と細かいところまでお教えいただきありがとうございました。 大変参考になりました。どうもありがとうございます。 ----- 今回の事故では、ファンスキーの外れないビンディングが原因で骨折に至りました。 そのあたりの危険性については、すでにご存知のことと思われますが、急斜面ではな く緩斜面でのエッジ引っ掛けでの転倒で事故となりました。スピードはそこそこ出て いましたが。。。 本当に緩斜面です。 緩斜面では板が逃げることができず、骨折原因になるような捻りが生ずるようです。 急斜面では不意に吹っ飛ばされた場合でも今まで怪我はしませんでしたが、気の緩み としか言いようとしか有りません。 こけてからどのように骨折したか良く覚えております。普通の板であればセーフ ティーがリリースされているような板の動きでした。フリートレックをご使用の方は どうぞご注意くださいませ。 長文となり大変失礼しました。 ご回答いただきました方々に再度お礼申し上げます。 佐野
enokiya@雑木の会です。 > 足首の可動範囲が多少狭くても、そんなには歩行に問題はないと思って良いでしょ > うか? 雪山でラッセルが深ければ差は無いです。 あれは、体力とラッセル技術ですので足首は問題なしです。 良く整備された登山道で無雪期は問題ないです。 ただ、中途半端に早いスピードは苦手です。ゆっくりか結構飛ばすなら問題なしで す。 空荷で走るなんてのが一番やりやすいです。 一番問題なのが冬の整備された登山道で雪が少ない場合の下り。 特に重荷の場合。 通常ならアイゼンを付けないような所、足首があまり曲がらない為滑りやすいです ね。 今年の正月は甲斐駒だったのですが、ルンゼ内よりも下山の黒戸尾根の下部が一番の 核心でした。 歩行のアイゼンの置き方も多少工夫すれば安全に行えると思います。 登攀も最初は足を信用できませんが、次第になれてきます。 とにかく、登り続けて下さいね!
佐野@松本市です。 enokiyaさん。 どうもご回答ありがとうございます。 > 良く整備された登山道で無雪期は問題ないです。 > ただ、中途半端に早いスピードは苦手です。ゆっくりか結構飛ばすなら問題なしで す。 今、階段や坂道を昇り降りするリハビリを家の方でしているのですが、やはり足関節 が 曲がりきらないと結構怖いですね。 これは、もう少し時間がたたないと仕方ないかなと、あきらめております。 山に復帰できるころには足首の可動域もかなり回復すると思いますので、飛ばせるよ う になるまでがんばってみます。 > 一番問題なのが冬の整備された登山道で雪が少ない場合の下り。 > 歩行のアイゼンの置き方も多少工夫すれば安全に行えると思います。 そうですね。アイゼンを着けてしまえば誤魔化しがきくと思いますが、氷化したアプ ロー チなんかは怖そうです。足裏の接地面積を増やせなさそうですから。。。 > 登攀も最初は足を信用できませんが、次第になれてきます。 本番最初は八ツの阿弥陀の北稜あたりでリハビリしたいと思います。 氷はもちろんTRで。。。 とにかく今は杖が取れて両足で歩ける様にならないと何もできませんね。 この前は、清里の「美の森」の丘に雪が残る中登、松葉杖で登ってきました。。。怖 かったです。 どうも色々とありがとうございました。今後不安に思うこと等ありましたらまた、ご 質問 させていただきたいと思います。その折はよろしくお願いいたします。 それでは、失礼します。

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