タイ深南部は治安上の不穏状態が2004年から依然として続いています。このことを心配される方、不安に思われる方はこのページで紹介しているルートは避けるべきです。とりわけ Takbai−Pengkalan Kubur 国境ルートは、経験が十分にあり自分の責任で行動でき、最低限タイ語かマレー語でコミュニケーション取れる方向きです。
タイ深南部に関しては、イントラアジアの『新聞の記事から』 で時たまテロ事件のニュースを載せています。
タイ国境の町 Rantau Panjang へ行く方法は長距離バスでKota Bharuに着いて、Kota Bharu見物のあと、そこからバスか乗合タクシーで行くのが一般的でしょう。ただタイ国境だけへ行く目的なら、マレー鉄道なら Wakaf Baharu 駅で降りるのでなく Pasir Mas 駅で降りるべきです。下記のように Pasir Masから行った方がずっと近いのです。バスで30分くらい乗り合いタクシーで20分ぐらいです。
Pasir Mas 駅を出て駅を背にして左方向に線路際の小道を歩く、そこは路上の市です。駅からごく至近距離に乗り合いタクシー発着場が2箇所ほぼ隣り合っている。どちらのタクシーグループでも同じ。乗客が4人揃えば出発です。Rantau Panjang まで1人当りRM2.50、30分弱で着く。さらにタクシー乗り場の隣がバスターミナルです。バスは40分ぐらいに1本ぐらいの割りで、Rantau Panjang行きがあり、2013年の運賃RM 3.3。
2013年時点で Cityliner バスがこのルートを運行している。 もちろんタクシーもあり、客引きの声がうるさい。
Rantau Panjangの町中心部、国境検問所から徒歩5分くらいの距離、にバス発着場があるので、そこから乗るのが一番いいだろう。
または国境検問所を背にして右側の屋根付き歩道をずっと歩き、歩道が終わるあたりがバス停なっている、ただし何の標識もない。目印は対面が Caltex ガソリンスタンドです。
Rantau Panjang発着のバスにはPasir Mas行きと Pasir Mas経由KotaBharu行きの2種類ある。どちらも夜7時ごろが最終バスで、本数は多い。コタバルまで約1時間です。
Pasir Masのバス発着場は鉄道駅から数分の所にある。コタバルのバス発着所は市内中心部のバスターミナルであり、これは誰でもわかる。当サイトのクランタン州ページで詳説してあります。
クランタン州からタイへの入国はこの Rantau Panjang ルートが一般的です。一般的といってもマレーシア人と外国人の両方が一番多く越境する、ケダー州のBukit Kayu Hitamu ルート(マレーシアの南北ハイウエーの最終出口なので長距離バスはすべてここを通る)と、KTMマレー鉄道がタイ国に入国する前の最終駅 Padang Besar ルートに比べたら、この Rantau Panjang はずっと小さな且ポピュラーとは言えない国境通過地点です。
ですからこの国境町を利用するのは主にクランタン州などの東海岸州の人たちと、タイムスリムを中心とした南部タイ人でしょう。一般マレーシア人旅行者でこの国境を使う人は上記2地点に比べたらずっと少なく、南部タイの人気地ハジャイ目当てならここを通過する必要はありません(東海岸州の人は別)。マレーシア人で主としてこのRantau Panjang まで来る人はタイ側国境の町 Sungai Golokへ遊びに行く人、といってもまず語弊がないと思います。もちろんそれ以外の目的の人もいますよ。
Rantau Panjang にある店は国境の町らしく、商店の看板はたいていマレーシア語とタイ語の2文字で書かれています。タイ側の Sungai Golokに比べればずっと小さな町で大通り1本だけです。タイ人が大挙して買い物に来るなんてことはこの規模からも考えられません。むしろタイからの越境通勤者(マレーシア側で働くため毎日通勤している人の意)と越境通学者(タイムスリムの子供がマレーシアの小学校に通学している)が多いのです。
尚Rantau PanjangにDuty Freeのきれいなビルがあります。
右の写真は1999年に完成した新しいkomleks Imigresenの建物をマレーシア側から99年に撮った写真です。旧建物がすぐ横に残っていますが、写真には写っていません。筆者は1997年10月以来約4年ぶりにこの国境通過をしたのですが、歩行者用の検問コーナーが自動車の検問コーナーとは独立しており、わかりやすくできてています。出国と入国は自動車用のレーンを鋏んで、建物の両端になる。
マレーシア出国は最も左のレーンを歩いて行き出国手続きボックスで出国スタンプを押してもらえばそれで終わり。
両国の国境となる川に橋がかかっており、それを歩いて渡れば眼前に建物があり、タイ側の入国手続きをします。橋に平行して鉄路がかかっていますが、これは貨物用の鉄路で、乗客車は何十年も運行されていません。
タイ側の検問所は極めて簡単な小屋です。入国と出国用に窓口が分れています。別にゲートがあるわけでも荷物検査があるわけでもないので、気をつけないと通り過ぎてしまいます。この出入国管理所の IN と書かれた窓口でパスポートにタイ入国のビザを押してもらわないと、後で困るのは旅行者ですから絶対に入国手続きはしてください。検問所の隣にタイ観光局の小さな事務所があり、地図が無料で入手できます。
尚この国境は24時間開いてなくて、マレーシア時間6時から22時まで、つまりタイ時間5時から21時までです。
下の2枚は2015年10月に撮影した写真です。 右の写真はタイ側国境から眺めた構図で、このように橋を渡ります。
全く新たに建設された Sungai Golok 検問所は2012年終わり頃か2013年初めにオープンしたと推測される。これまでの旧検問所は橋の脇に小屋の形で設置されていたのとは大違いで、2013年9月撮影の下2枚の写真のように、現代的な建物がゆったりした敷地に建っている。
この検問所でタイ出国スタンプを押してもらい、以前の旧検問所あった場所を通り過ぎて橋を渡り、マレーシア側検問所へ入る。
そうマレーシア側の出国検査が終わった地点でよくバイクタクシーが寄ってきて、Sungai Golok まで乗らないかとさそいますが、あわてることはありません。タイ側のパスポート検査が終わった地点にはいつもバイクタクシーやシクロがたむろしてますからいつでも利用できます。そこからSungai Golokの中心部まではバイクなら数分ですが歩くと15分ほどかかりますが、歩けない距離ではありません。バイクタクシーの場合、タイ通貨払いなら30バーツぐらいです(2013年)。もちろんSungai Golokの町から国境まで行くのも同様で、バイクタクシーの客引きがうるさいくらいです。
バイクタクシーとはタイでは大変一般的な交通手段です。運転手の後ろにまたがって目的地まで行きます。もちろん近距離だけです。相場を知らなければはじめに聞いたほうがいいでしょう。全くしらない外国人でも、たいしてぼられることはないと思います。
Sungai Golok の町にはその規模に似つかず数十軒の大小ホテルがありますから、ぶらぶらしながら宿探しは簡単です。ただし5星のような高級ホテルはありませんよ。レストランだけでなくカラオケバーからタイマッサージの店までそろっており、隣のクランタン州では味わえないナイトライフができますから、その辺が東海岸北部州のマレーシア人が憩いにやってくる理由でしょう。
マレーシア人以外の外国人は大変すくなくバックパッカーぐらいで、時々目にする程度です。
Sungai Golokは一応娯楽と買い物の町ですが、同じ南部タイのハジャイに比べたらその規模と華やかさはまったくかないませんから、団体観光客が大挙観光バスで来るなんてことはないはずです。それからここはタイムスリムが非常に多い町です、訪問客がマレーシア人中心なので、タイムスリムならタイ語とマレーシア語(クランタン方言)の両方を話しますから、できれば一つは話せた方が何事もスムーズに行きます。
タイ深南部では基本的なタイ語とマレーシア語ができれば、英語を使う必要はまったくありません。もっともホテル以外では英語はほとんど通じませんがね。
さて筆者は今回ここに泊る予定を急遽変えて、さらに少し北上して南部タイの東海岸の中心都市ナラティワットまでバスで行きました。その後のことはタイでのことなので省略します。
次にタイからマレーシアに戻る方法です。一番簡単なのは、Sungai golokからまたバイクタクシーでタイ側出入国管理所まで行き、OUTの窓口で手続きし、橋を歩いてわたりマレーシアに入国すればいいのです。
それでは筆者には面白くないので、ナラティワットからミニバスでもう一つの国境 Takbai までいきました。南シナ海海岸沿をずっと南下するわけです(といっても数十キロ、45分)。
タクバイ (タイ語ではターバーとも呼称される)は小さな河口の波止場町です。波止場の前は市場と商店街でにぎわっております。対岸百数十メートル先がマレーシアの Pengkalan Kubor です。つまり川が国境になっている。 1999年にマレーシア側から タクバイTakbai の町を撮った下の写真でおわかりのように、はっきりイミグレーションの建物が見えます。
この Takbai−Pengkalan Kubur国境ルートは旅行者にはほとんど知られていません。マレーシア人でもクランタン州の人しか知らないでしょう。筆者はRantau Panjang のイミグレーションの係官とおしゃべりしてて聞きだしました。それまで筆者はこのルートは国境付近の住民だけが通過できる”生活国境”だと思ってました。(数回ここを訪れたので確認したのですが、実際出入国検査場を通過しない対岸の地元マレー人が次々とボートでやって来て買い物してまた検査場を通らずに対岸へ戻って行きます。旅行者は間違ってもこの行為をしてはいけません。違法出入国で逮捕されますよ)
追記:2004年以降の治安状況の不穏化のせいでしょう、2006年時点以降はもうこの種の無許可越境ボートは見かけなくなった。
実際この国境を使うのは両国のそれも南部タイの一部住民とクランタン州の一部住民がほとんどでしょう。パスポートなしで、越境通過証明書だけで越境するタイ人労働者が多いようです。マレーシアからは Takbaiの町へ買い物しに行くか、南部タイにある親戚訪問にいくのでしょう。
出入国窓口事務所は出入国管理事務所ビルの一角にあり(右の写真ではバイクの陰になっている)、ここでパスポートにスタンプを押してもらえばそれで手続き終わり。別になんの検査もありませんから、そのあと事務所ビルをでて市場に戻ることだってできます。マレーシア側到着した時、ボートを降りた場所の小屋は、パスポート検査窓口ではありませんよ。
対岸のマレーシアに渡るには、出入国事務所と横にある車も積めるフェリーか同じ敷地内にある渡し船乗り場からです。
一回5バーツのエンジン付きボートは両国間を頻繁に運転してますから、ちょっと待てばすぐ乗れ、渡航時間はわずか数分です。2013年時点 マレーシア側からRM 1で、タイ側から乗る場合は恐らく10バーツです。
数分でマレーシアのPengkalan Kubur のイミグレーションに着きます。ボートを降りて、はしけを歩き、入国検査窓口でパスポートにスタンプを押してもらえばマレーシア入国手続きは終わりです。マレーシアのイミグレーションはタイと違って電算化されてますので、外国人旅行者をコンピューター入力するのに時間がかかります。しばし辛抱を。出国の場合も同様に出国窓口を出ればそこがはしけです。
旅行者はめったに通過しないのでいろいろ尋ねられるのがわずらわしいです。
尚このPegkalan Kubur − Takbai国境はマレーシア時間7時から19時まで、タイ時間6時から18時まで開いています。ここでは一人も欧米や日本からの外国人旅行者を見ませんでした。左の写真のように、こじんまりとしたイミグレーションの建物はきれいで新しいのです。(2006年3月の時点で、尋ねたら6時からオープンとの答えを得た)
Pegkalan Kuburのイミグレーションビルを出れば、そこに乗合タクシー乗り場とバス乗り場があります。それ以外に、ここは町というより村ですから、屋台が数軒、商店が数軒しかなく、タイ側のTakbai と比べるとずいぶん寂しい感じです。
筆者はKTM鉄道の始発駅のあるTumpatへ行きたかったので、バスを待っていたのですが時刻表通りに一向に発車しないので、あきらめてタクシーで行きました。筆者一人しかいなかったのですが、それでも6リンギットだけです。ここからコタバルへ向かうなら、待っていれば乗客が集まるようですから、乗合タクシーが手っ取り早いかもしれません。
バス便のこと
Kota Bharu とPengkalan Kubor 間にはWakaf Bahru経由でバスが運行されている。3種類あり、27番エアコンバスが一番乗車時間が少なくてすむが、19番と43番バスは回り道するので時間がかかる。43番はTumpat 駅経由なのでマレー鉄道利用者はこれに乗ればよい、駅前から Pengkalan Kuborまで約20分、90セント。
2012年10月追記: 2012年時点で Cityliner バス43番 運賃RM 3.50です。1時間近くかかる
上記で説明しているように、バスとタクシー乗り場のある一角から至近の場所にマレーシア側国境検問所つまり Imigresenの建物がある。Imgresen建物裏が川口に面しておりボート乗り場に直結しているため、出国手続き後すぐボートに乗って対岸のTakBai に渡れます。ボートは頻繁に運行されている。
このImigresenの建物の敷地に入るすぐ左手前に、税関の小さな建物がある。その建物中を通りぬけると、囲い込み免税地区Duty Free Zone が広がっている。もちろん誰でも入れます。免税地区といっても、場所柄ブランド品などが並んでいるわけではなく、日用品、衣料品、食品の店がほとんどです。飲食店も何軒かあり、店自体の数はかなりある。
この囲い込み免税地区のもう一つある出入り口が、Kompleks Imigresen の敷地に隣接しています。つまり出入国管理と税関からなるこのKompleks Imigresen は自動車または多量の荷物を携帯して国境を越える車と人用です。歩行者も利用できますので、出入国検査ブースでパスポート検査を受けます。その後タイ側に渡るフェリーボート乗り場へ向かう(下写真が乗り場の入り口、これは2013年9月撮影)。歩行者の運賃は60セント。フェリーなので上記の人用ボートほど頻繁に発着しない。タイ側の発着場所は、人用ボートのすぐ近くです。
2012年10月にクランタン州側からタイへ入国するために、この国境検問所を利用した際のに撮った写真と情報です。