ラマダン時期のクランタン州の旅
チョコレートさん作
ジャングル列車でクランタン州をゆく
昨晩 20:30 にクアラルンプールを出た EKSPRES WAU 号は朝7時前にまだ薄暗いグアムサン駅に到着します。2等寝台車ではまだ寝てる人も多かったですね。グアムサンはそのむかし、林業で栄えたマレー人の町です。グア(Gua)とはマレー語で洞窟という意味で、グアムサンの町は洞くつの開いた岩山に囲まれています。グアムサン駅背後にもそびえ立つように岩山があります。
[01 グアムサン駅] [02 そびえ立つ岩山]
マレー人の町ということでラマダン中の今、駅前の食堂もやはり開いていませんでした。昨晩にKLセントラル駅構内のセブンイレブンでパンとカヤジャム、缶マイロを買っておいてよかった。だけど、暖かいお茶ひとつ手に入らないのは不便ですね。駅のベンチで朝食をとり、駅にある水槽を眺めながら列車を待ちます。
乗り換える列車は、朝 7:25 発の鈍行列車です。列車は4両編成で窓の開くおんぼろ客車です。いつもなら列車に専属の物売りのおじちゃんがいるのですが、ラマダン中だからでしょうか?今日は乗り込んでいません。お客さんの数よりも車掌さんや途中で降りる線路保守の人など鉄道関係者のほうが多い状態でグアムサンを出発します。
[03 鈍行列車] [04 列車の車内]
グアムサンを出た列車は薄く霧がかかったうっそうとした中を行きます。途中の駅でもないところで列車は停車し、保線係りのおじさんたちが降りてゆきます。電気的な工具などなく、すべて手作業で草刈りや砂利の交換などをするようです。ラマダン中で早朝に食べてからしばらくは食事もできない中、ご苦労さまです。
[05 手を振る子供たち] [06 ジャングルの中をゆく]
駅と呼ぶにはちょっと首をかしげてしまうような駅からも乗り込む人たちはいます。グアムサン〜ダボン〜クアラクライの区間は幹線道路とも離れていて、1日3本のこの鈍行列車だけが公共交通なのでしょう。駅前にはにわとりややぎが放し飼いにされていて、駅付近の家の子供たちは手を振ってくれます。
[07 ダボン駅にて] [08 マレー人のお宅]
列車は11時過ぎ、クアラクライの駅に到着します。途中の小さな駅から乗り込んだ人たちの大多数もここで下車するようです。買い物など用事をすませる大きな町なのでしょう。
クアラクライの町
クアラクライの駅を出るとまっすぐ1本道があります。3分ほど歩けばバスステーションで、その先5分ほど行けば突き当たりになるでしょうか。突き当たりになったところを右に少し行くとクアラクライのセントラルマーケットがあります。2階建てになっていて、地上階は野菜、鶏肉、乾燥物など豊富です。飛び交うハエもすごかった(笑) 2階には調味料を売る店やバティック布を売る店があります。
[09 野菜売り] [10 鶏肉売り]
ラマダン中でなかなか昼食を食べるところが見つからなかったのですが、セントラルマーケット近くで1件の華人系の食堂をみつけ、カレーアヤムを食べることができました。セントラルマーケットから駅近くのバスステーションまではベチャ(トライショー)で戻ります。料金はRM 2とぼったくってきません。重い荷物もあるので申し訳ないくらいです。クアラクライからバスでコタバルへと向かいます。
[11 カレーアヤム] [12 コタバル行きバス]
クアラクライからコタバルまでは1時間半くらいかかります。一番前の座席に座っていたのですが、道路沿いにラマダン時期ならではの出店をときおり見ることができました。くだものを売る屋台、きれいなお菓子を売る屋台などなど。
州都 コタバル
時計塔が見えてきて、州の王・女王の看板が目立つようになるとコタバルです。近距離バスは街の中心部まで行ってくれます。まずはホテル探しです。今回はラマダン中ということもあり、ぜひムスリムホテルに泊まりたいなと考えていました。今回宿泊したのはバスターミナルから時計塔の方へベチャで3分くらいのところにある Raudah ホテルで1泊98リンギットでした。
[13 ムスリムホテル] [14 ホテル客室]
このムスリムホテル、宿泊時にはこんなことを言われました。
「今はラマダン中だから、朝食が朝の4時半から5時までになるわよ、大丈夫?」
ラマダン中はホテルの朝食サービスどうするんだろう?と疑問に思っていたのですが、ちゃんと早朝に準備されるんですね。ムスリムホテルは他にも部屋に入るとき・出るとき、トイレに入るとき・出るときなどのひとことお祈りの言葉がアラビア文字とマレー語で部屋中に書かれていたり、各部屋にお祈りグッツが用意されていたりします。
[15 着飾ったベチャ] [16 セントラルマーケット]
コタバルの街を歩きます。まずはセントラルマーケット。特に買うものはなくとも、この雰囲気を見ておきたいですね。地上階は野菜にくだもの、鶏肉にさかながあざやかで生々しい。2階3階は調味料の店やバティック布の店が多いです。セントラルマーケット向かいの建物もバティック布屋や仕立て屋が多いのですが、ここの3階に民芸品の店があり、(かさばりますが)おみやげにもってこいですよ。
夕方になり、パサールマラム(ナイトマーケット)もにぎやかになり、飲食物を売る車もあちこちにとまっています。コタバルでは持ち帰り食の方が一般的なようで、みな新聞紙とフィルム紙やビニール袋に詰めてもらい持ち帰ってしまいます。どこか飲食をしてる人たちでにぎやかな場所があればと思っていたのに残念。僕も持ち帰り用に1つ作ってもらいました。マレー人家族がアヤムゴレン(鶏肉のから揚げ)をその場で揚げてご飯や付け合せの野菜とセットにして売っている屋台があったのでそこで購入。揚げたての鳥がすごくおいしかったです。
コタバル周辺のみどころ
翌朝4時半に起きて、ムスリムたちと朝早い朝食をとった後は部屋に戻りまたうとうとしてしまい寝てしまいました。あたりが明るくなったころ、今日の活動のスタートです。カルチャーゾーンの近くにあるミニバスステーションから10番のバスに乗ってPCBへ向かいます。PCBは " 情熱の愛の浜(Pantai Cinta Berahi) " と呼ばれていたが、刺激的過ぎるという理由で頭文字が同じ " 月の光の浜辺(Pantai Chahaya Bulan) " に改名されたことで有名です。
[17 ミニバス乗り場] [18 静かなビーチ]
ラマダン中ということで、PCBのビーチもいつもにまして静かでした。茶店もバティック屋もどこも開いていないし、人の姿すら見かけません。閉まっている茶店で子ネコたちと遊んだあと、釣りをしている親子を見つけたので少し話をして、コタバルへと戻ります。
ホテルをチェックアウトした後、コタバル近郊の町トゥンパッに向かいます。バスで約1時間、トゥンパッ駅に到着。ここで荷物を駅に預けた後、トゥンパッのバス・タクシーステーションに行き、タクシーチャーターの交渉をします。バスでは行くことのできない涅槃(ねはん)仏 Wat Phothivihan とタイ国境に近い Pantai Seri Tujuh などを回ってもらってRM 40になりました。
[19 全長41メートル] [20 涅槃仏]
ワット・ポティヴィハン(ティドゥー・ブッダで通じます)は Kg Jambu という小さな村にあり、トゥンパッからは結構な距離がありました。涅槃仏の前では子供たちが追いかけっこをして遊んでいるだけでしたが、横のテントではお食事会?が開かれていて、全然無縁の僕も呼びかけていただき、食事と飲み物、デザートにまでありつけたのはラッキーでしたね。40分くらい見て回った後、タクシーでもうひとつ仏教のお寺を回ってもらい、パンタイ・スリ・トゥジュへと向かいます。魚の干物つくりや漁船など見られたらラッキーだなと思っていましたが、こちらはそううまくはいかず、静かな浜辺が広がっているだけでした。
タクシーでトゥンパッ駅へ戻り、夕方 18:30 発の EKSPRES WAU でクアラルンプールへと帰ります。
2007年10月15日掲載 (旅行時期は9月です)
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