カパス島を楽しんだ後、僕はボートでマラン Marang に戻り、海岸線沿いに Marang からドゥングン Dungun (所要1時間 RM 4)、Dungun からクママン Kemaman (所要2時間 RM 8)とローカルバスを乗り継いだ。Intraasia さんのところの「新聞の記事から」でトレンガヌ州にも蛍鑑賞地があるというのを知り、ぜひ見てみたかったのだ。夕方、Kemaman のタクシー乗り場でカンポン・イボック Kampung Ibok まで行きたいと告げると、係りの女性は運賃一覧表を開いて、RM 20という。蛍を見るために片道30リンギットくらいまでなら払って行こうと思っていたので、よかった〜、と思う。タクシー運転手のおっちゃんはまったく英語を介さず、僕のマレー語もカタコトなのでなかなか意思疎通がとれないが、蛍を見るのか?それともホームステイか?と聞いている。蛍を見たい!というと、タクシーを発車させた。
Kemaman の町から Kampung Ibok まではT131号線を進んでいく。30分くらい走ったところでものすごい渋滞に巻き込まれ全然進めない。最初、この車と人たちはみんな蛍見物に行く人なんじゃないかと不安になったが、タクシーの運ちゃん曰く、今日、Mini ZOO がオープンしたからだそう。Mini ZOO を過ぎ、快調に進み、蛍の生息する Yak Yah 川のボート乗り場に到着。タクシーの運ちゃんがこのガイコクジンが蛍を見たいそうだが、大丈夫か?などいろいろ話をつけてくれる。
僕はボート乗り場でぼんやりしているおっちゃん(アブドゥルさん)にホームステイについて聞いてみた。僕はここでホームステイ・プログラムをやってるなんて知らなかったし、もちろん予約なんかもしていない。だけど、できることならホームステイしてみたいと告げると彼は快く、アレンジする、待ってなさい、と言ってくれた。タクシーの運ちゃんは、もしホームステイできなくて帰りの足に困ったら、この番号に電話してくれ、と優しい言葉を残して帰っていった。
しばらくして、迎えの車がやってきた。蛍鑑賞のボートをやりくりしている方で、ホームステイ先のモハマッドさんのお家まで連れて行ってくれるという。ボート乗り場から3キロくらい車で進んだところが Kampung Ibok の集落だった。バス停らしきものもあるので、T131号線には(本数は極めて少ないだろうが、)バス便もあるのかもしれない。
モハマッドさん宅は、モハマッドさんと奥さん、娘さんと婿養子さん、息子2人、孫2人の家族。モハマッドさんは僕に Sarung (腰巻き)をプレゼントしてくれた。さっそく着替えてみるが、うまく結べず引きずり歩くのでみんなに笑われる。娘さんと婿養子さんは「こにちは〜」「ありがと〜」「スシすきぃ〜」などカタコトの日本語も話せるのでビックリ。さっそくパサールマラム(ナイトマーケット)に連れて行ってもらうことに。蛍は?と心配になり尋ねると夕食のあと、8時半頃に行きましょう、と言ってくれる。
そして、夜8時過ぎ、娘さんのお友達などみんなが揃い、いよいよ蛍を見に出かけます。ジェッティに行ってみると観光バスが1台止まっていて、シンガポールからの観光客だと聞く。僕たちも手漕ぎボートを出し、蛍クルーズに出発。川の両岸の木にたくさんの蛍が光っていました。(パノラマ合成写真)
朝食はモハマッドさん自らバイクでロティ・チャナイを買ってきてくれた。なんでも、朝はロティで昼・夜はナシ(ご飯)を食べるのだそう。甘いテー・オーが美味しい。モハマッドさんちでは紅茶にコンデンスミルクは入れないみたい。今日は午前中、Kemaman の町まで買い物に、午後は昨日オープンしたばかりの Mini ZOO に行きましょうということになる。
帰ってきて、お昼ご飯。またいっぱい何品も出していただき感謝。塩味の効いた魚のフライが美味しかった。カレーもココナツミルクでまろやかになっていて食べやすいものでした。
午後、お昼寝と水浴びをしたあと、車で Mini ZOO へ。昨日はものすごい大渋滞だったけど、今日はそれほどでもなく、エントランス近くに車を止めることもできた。展示されている生き物は鳥類が多いけど、いちばんの見せ物は背中に乗ることもできる象でしょう。子供たちは怖がって泣いてたけど、大人は近寄って象をじっくり見ることができました。子供たちは生き物よりも遊具コーナーではしゃいでいたなぁ。
3日目、今日でホームステイもおしまいです。いちばんよくお話をしていた婿養子さんは今日は出勤でいません(警察署で働いてるそうです)。朝食の後、モハマッドさんが散歩に誘ってくれます。Kampung Ibok の集落をぶらぶらして、まずお茶とお菓子をご馳走になります。モハマッドさんはなかなかの権力者のようでみんなが挨拶していきます。
お昼過ぎ、娘さんの運転する車で Kemaman の町まで送ってもらいます。今回のホームステイ、まったく予約もなく飛び込みで行ったにもかかわらず暖かく迎えていただき、ほんとうに嬉しかったし、よい経験ができました。費用のほうもエージェントを通さないこともあるし、モハマッドさんの人柄のよさもあって、格安に済みました。きれいだった蛍や星空は忘れません。また機会があったら、Kampung Ibok 再訪したいな。
← Mohamad Bin Saleh さんの名刺
蛍鑑賞のほか、エビ釣りや植物観察などもしているそう。
もちろん、州認定のホームステイ・プログラムも。