洗濯
洗い方は人それぞれですが、もっともポピュラーなのは、「漬け置き洗い」です。洗濯液(洗濯洗剤+水)に洗濯物を漬け込み、シンクの壁を洗濯板代わりにし、たわしで擦って洗うのです。ムスリム女性の服、「バジュ・クルン」にはシルクやシルク混のものもありますが、そんなことは気にせず、生地が傷んでしまうのではないかと心配になるほどマレー系学生は一生懸命に擦っています。この「たわし」がクセモノで、皆さんがご想像する、天然素材の「日本のたわし」とはわけが違い、マレーシアのたわしは柔らかめのプラスティック製なのでなおさらです。
手洗いの洗濯で一番大変なことは、なんといっても絞る作業。タオルやジーンズは絞りにくいので2つに折り、水道の蛇口に引っかけ捻り絞っている人を見かけます。 インド系と中国系学生は、そのまま絞って干しますが、マレー系学生のほとんどは絞らずに彼らオリジナルの方法で脱水します。洗濯物を2つ折りにしてバケツの縁に掛け、しばらくそのままにして水気を切るのです。
余談ですが、この区別がつけられなかったり、共同生活をしていくうえのマナーがなっていない人たちは、私が今まで見聞きしてきた限り、マレー人学生に多いように思います。そうでない人ももちろんいるし、インド系、中国系の学生にもそういう人がいる、ということを誤解のないように付け加えておきます。
脱水後は、裏庭か自分の部屋に干します。朝9時ごろまでには裏庭の物干し竿はいっぱいです。「洗濯をしてから授業へ行く人が多い」というのと、「マレー系の学生のなかには朝一番のお祈りのために早く起きる人がいるから」というのが、その理由だと思われます。洗濯物を外に干したかったら、朝はウダウダしていられない!
以上のように洗濯しているのですから、当然生地は早く傷み、きちんと裏返して干してもマレーシアの強い太陽の光にさらされ早く色褪せます。私も初めのころは真似してこのようにしていましたが、経験を積んだ今は違う!
洗濯物は外に干さずに部屋に干すのが基本。「色褪せ防止」、「朝早く場所取りをしなくて済む」、という先程の2つの理由と、「盗難予防」という理由も含まれています。Tシャツを盗まれた経験のある日本人留学生から、「服を盗まれて、マレーシアを嫌だと思うきっかけにしたくないから部屋に干している。」と聞いて私も部屋にそうするようになりました。「Tシャツ一枚ぐらい…。」、なんて思われるかもしれませんが、彼女が言うように、ちょっとしたことが意外とその国を嫌になるきっかけになったりすると私も思うのです。それに、予防できるものですし…。
以上が「コタバル流洗濯方法」です。経験を積んだから、というより、だんだんダレてきて手を抜き始めたんだ、なんて言わないで下さいね。
洗濯に関してマレーシア人学生に言いたいことは3つ。
1つめ、隣に人がいるのにもかかわらず、洗剤や水を飛ばすんじゃない! 2つめ、洗濯物をほったらかしにして悪臭を漂わせるな! 3つめ、洗濯をする場所で食器を洗うな!洗濯物に食べ物のかす(特に油)がつくでしょ!
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