別項目で紹介した象の保護区への日帰りツアーを主催しているのはUBATというマレーシア人のチームです。マレーシア語のつづり Utan Bara Adventure Teamを省略したもので、ジャングル冒険チームの情熱的な精神とでもいう意味を込めているそうです。
UBATはマレーシアのジャングルに精通した Mr. Mohamad Razaliがその仲間と1994年末に設立し、野生動物と国立公園庁の協力の下、いくつかの自然保護区やジャングルへへのツアーを組織して、一般人にエコツアーの意識を植え付ける活動を行っています。これまでに数千の参加者をみましたが、そういうツアーに参加するのは例によって欧米の白人が多く、また欧米の雑誌にも紹介されていますが、日本人はこれまで一人しかいないそうです。そこでIntraasiaがUBATの活動を紹介しましょう。
リーダーで中心人物の通称 Razali(写真の人)はマレーシア陸軍のジャングル戦特殊部隊に13年従事した経歴の持ち主で、米軍やオーストラリア軍のジャングル線部隊の教官も務めたことがあるそうです。その経歴を聞くと恐いイメージですが、実際の氏はたいへんきやすい親しめるナイスガイで且企業家でもあります。
ジャングルと自然動物への愛が言葉から伝わってきます。ジャングルと生物を傷つけてはいけない、不必要な殺傷は避ける、例え1匹の虫でもころしてはいけないと情熱を込めて筆者に語ってくれました。
「ジャングルは中立であり、大きすぎて探索せずにしておくことはできない。」ということを一般大衆に再教育しようというのです。UBAT、マレーシア語で薬の意、は都会人にジャングルを知ってもらうための薬にもなるのです
UBATのツアーは別項で紹介した入門程度の象の保護区への日帰り訪問のほかに、次のような種類があります。( )内はそれぞれのツアーの難易度です。
参加資格は健康な一般人なら誰でも、6才以上の子供から構わないとこことです。ただし下の条件に合致することが必要です。
UBATのトレッキングツアーは、すべて旅行者のまったくいない、ゴミもない本当のジャングルで行います。例、Ulu Cheh (ペラ州)、Bukit Tinggi(パハン州)、Taman NegaraのTenor Trailなど。
ですから森と植物に注意と尊敬を払うことをまず求められます。キャンプした跡地にその跡を残すな、水で洗う時、石鹸などは生物に有害だから、水源地から離れて行いなさい、など自然を保護し尊敬しながら、そのトレッキングを楽しむことをモットーにかかげているのです。
UBAT主催のツアーは旅行者のいないジャングルでのトレッキングツアーですから、参加者はUBATの助けのもと、トレッキングを続けていくよう努力することを求められます。
参加者は単なるホリデーというよりも教育的なワーキングホリデーであると思って下さい。なぜならツアーでは多くのことを学びますから。