総合バスターミナルMelaka Sentral 増補

− 国内最大級で最新の優れたバスターミナル −

マラッカに新しいバスターミナルが2004年5月上旬オープンしました。このバスターミナルを含めた一群の建物は Melaka Sentral と名づけられています(詳しくは下記で説明します)。Melaka Sentral のオープンによって、これまでマラッカ市内中心部にあった市内・近郊バス乗降場と中長距離バス乗降場は閉鎖されました。つまりMelaka Sentral はマラッカを基点とした内外のバス交通網を一元化する総合バスターミナルです。且つ州内各地へのタクシー ( Taksi antara Negri) と州外へ行く通称Outstationタクシーの乗り場もこのMelaka Sentral 内に併設されており、それほど利用者がないにも関わらずゆったりとしたスペースを割り当てられている。

一言で言えば、このMelaka Sentralバスターミナルは、国内最新であるだけでなく、その当時国内最大級のバスターミナルでもある。バスを利用する人にとってたいへんわかりやすく使いやすく設計されている、マレーシアで最も優れた総合バスターミナルです。
その後訪れた2005年6月後半の感想は、バスターミナル内は1年たってテナントの店がぐっと増え、かなりにぎやかになりました。

なお新しい記事は下段に追加しています。
このページの最終更新2012年6月

Melaka Sentral の位置と構造

Peringgit 地区にある Melaka Sentral は、マラッカ市内中心部から乗り合いバスで10分弱、車なら5分で到達できる距離にあるため、郊外ではなく中心部からややはずれた場所 だと捉えることができる。住所は Jalan Tun Razak と Jalan Bendahar Tepak の交差するあたりです。つまりこれまでの旧バス発着場があった場所からそれほど離れているわけではない。尚付近にはTESCOの大きなビルがある。
当然ながらMelaka Sentral はまだ地図には載っていないが、全てのバスがここを起点にしており、この場所を知らないタクシーは絶対にありえない。

 

バスターミナルは変形した円のような形であり、中央部分から通路を介して、中長距離バス発着場、市内近郊バス発着場、タクシー発着場のどれへにもアクセスできる構造となっている。だから乗り換え時に雨、太陽にさらされることはない。

バスターミナルの特徴

  

 

  


市内・近郊路線バス

Tai Lye, Salira, MOS, SKA, Patt Hup, Town Bus, Bas Wira, Batang Bus といったバス会社が、それそれバス会社毎に決められたプラットフォームに停車する(下左の写真)。プラットフォームを複数使うバス会社もあり、プラットフォームは全部で18ほどある。

 

オールドマラッカ方面へ行くには、緑色のTown Bus(上右写真の左バス)またはSKAバスの内、フロントガラスに ”Makhota”  と表示が出ているバスに乗る。”Makhota”が終着のバスは、オールドマラッカの中心部を通らずに Makhota Parade裏の一角、つまり Century Makhota Hotel に面した側に到着する。Melaka Sentral からMakhota Parade まで約15‐20分、非冷房バスなら運賃 80セントです。

または同じTown Bus会社のバスで Makohta Parade 前を通るバス、例えばBanda Hiller行きバス、SKAバスのMuar行きなど、でもよい。これだと オールドマラッカ内の一方通行路Jalan Quayside を通って Makhota Parade の正面口の道路際に停車する。 所要時間は上記バスと同じくらいでしょう。

尚有名なポルトガルの砦遺跡 A Fomosa があるのは、Makhotaパレードの正面入り口の対面あたりになる。MelakaSentral へ戻るのは、Makhota Paradeの裏側のバス停からです(バス停標識はない)。Makhota Parade の正面口の道路際に停車するバスはMelakaSentral へは行きません。

Melaka Sentral からはTampin やAlohGajahなどマラッカ州各地へのバス便がでている。いうまでもなくバス発着時刻表はありませんよ。マレー鉄道のTampin駅へ行きたい方は、Tai Lyeバスの26番。

中長距離バス

中長距離バス用の切符販売所は機能的に配置され、それぞれのバス会社の窓口に並びます(下左の写真)。
プラットフォーム数が20を超え、バス会社ごとにプラットフォームが割り当てられている(下右の写真)。
Ipoh, Penang ( RM 36) , Butterworth, Alor Star, Kota Bahru ( RM 40) , Kuala Terennganu, Lumut, Kuala Perlis など各地へのバス便がある。Segamat を経由してKuantan行き( RM 21) もある。タイ国境の町RantauPanjang行きのバスも以前はあった。長距離バスはいずれもほとんど夜行便です。

ジョーホール州の主要町へ行く便も割合あり、中でもMuar行きは意外なほどある。Muar-Kluang- Mersing 行きのバスもある( RM 17.5) 。ヌグリスンビラン州Seremban行きのバスも運行されている。

クアラルンプール間を結ぶバス便数にはとてもかなわないが、頻繁にあるのが、ジョーホールバル(旧運賃RM 12.5)、シンガポール(旧運賃RM15 )間を結ぶバスです。複数のバス会社がこの路線を運行している。シンガポール・ジョーホールバル ― マラッカ間はバス会社数も複数あり便数も多いと覚えておくとよい。

  

マラッカ−クアラルンプールを結ぶバス便

朝早くから夕方遅くまである。一番多い便数を運行するのがTransnasionalで、 ほぼ30分おきに1本、次いで頻繁に運行便を持つのが KL-Malacca Ekspres バスで大体1時間に1本ほど。Transnasional 社は30便近い、KL-Melakaバス社は20数便ある。

2012年6月の追記: マラッカ−クアラルンプールのバス便で本数多く運行しているのは、
Transnasional バス (www.transnasional.com.my/destination.php) と 
KKKL バス (www.kkkl.com.my/) です。
1時間に1本、時間帯によってはそれ以上の頻度となる。 2012年の運賃はRM 12.2 所要時間は2時間。
現在ではクアラルンプールでの発着はすべて新しい TBSバスターミナルでの発着です, Pudraya ではありません。当サイトの該当ページをご覧ください。

他にもTriton 社などいくつものバス会社がこの路線便を運行しているが頻度は少ない。KL-Melakaバス社が Delima というバス名で、ごく一部だけダブルデッカー車両を導入して数少なく運行している(2004年10月時点)。

どのバス会社もクアラルンプールのPuduRayaバスターミナルから乗車約2時間、運賃はRM 9.5。バス便は朝6時または7時ごろから夜8時ごろまであり、マラッカからの最終便は20時頃です(窓口で確認要)。

2012年6月の追記: マラッカと クアラルンプール国際空港のLCCターミナルを結ぶTransnasional バス便
Melaka Sentral 発: 08:20、 10:30、 12:50,  14:50、 18:00、など日に9本。 運賃RM 22

タクシー乗り場

バスターミナルと同じ建物内の一画に、広い場所を占めてタクシー乗り場がある。州外へのタクシー、通称Outstationタクシーは乗車場にそれぞれ行き先が掲げてある(下左の写真)。通称Outstationタクシーの待合所は冷房されていないが、椅子が充分に用意されている。客引きが激しいですが、運賃は1人いくらとちゃんと決められているので確認してから乗りましょう。下右の写真はタクシー乗り場から市場を眺めた、市場はこのようにごく近接している。

 


この写真だけは2012年6月に撮影したもの。Outstationタクシーは90年代の昔は利用者がかなりあった、しかしバス車輌の向上と便数が増えたことで、もうかつての人気がないことは停車している車輌の多さからもわかる。

2004年5月27日初掲載、2005年6月23日更新、2012年6月28日最新更新


バスターミナル Melaka Sentral の2012年の様子


数年ぶりにマラッカセントラルバスターミナルを利用しました。以下は2012年6月時点における、バスターミナルの様子を写したものです。上記で紹介している、バスターミナルがオープンして間もない頃と比べての変化を示しておきます。

 
左上:右上写真の歩道橋から写したバスターミナルの遠景、 右上:ターミナルは忙しい道路に面しており、その交差点上方にはご覧のように大きな看板が設置されているので、すぐわかる

  
左上:中長距離バスの切符販売窓口と待合コーナーのあるホール、 右上:中長距離バス各社の出発プラットフォーム

 
左上:Transnasional の切符販売窓口、 右上:KLや LCCターミナル行きもある Transnasional バスの出発プラットフォーム

  
左上:中長距離バスはターミナル内の到着プラットフォームで乗客を降ろす、出発プラットフォームとは場所が違う、 右上:バスターミナル内部の様子。多くのテナントが入居しており、大変にぎやかです。食事する所には困らない。

州内運行バスにRapid KL車輌が使われている

現在では  Panorama Melaka がマラッカ州内を運行している。しかもその車輌に クアラルンプール圏でお馴染みのRapid KL バス車輌が多く使われている。その理由は後日わかった。州政府翼下の PMCT Panorama Melakaが、2012年3月に国の会社である Syarikat Prasarana Negara Bhd の子会社 RapidKLから 15台の車輌をリースする契約を交わしたからです。その後2012年8月にはさらに15台の車輌のリースを受ける契約を結んだとのニュースが現れた。

 
左上:州内運行バスの待合ロビー、切符は乗車時に買い、窓口で買うのではない、 右上: 行き先別に分かれた州内運行バス乗り場。問題はバスの行き先と番号表示機能が壊れているバスがあることです。 写真に写ったTampin 行きバス、マレー鉄道のTampin 駅へはこのバスに乗ります。

 
左と右とも、同じく州内運行バス乗り場の写真です。主たる行き先がプラットフォームに表示されているのでバスターミナルからは乗り易い。しかし街のバス停にこの種の表示は一切ないので、ルートを知らない限り、乗りこなすのは難しい。さらにバス停の表示すらないバス停も少なからずある。

2012年6月28日掲載


3つの施設から構成される Melaka Sentral

Melaka Sentral は正面入り口の大きな看板にも表示してあるように(下左の写真)、バスターミナルと市場 (Pasar) とバザール(Bazar) の三つの独立した施設から構成されている。その3つの施設中、最大の面積且つ最大の建物はバスターミナルで、それに近接して市場のビル, その近くにまだオープンしていない小型なバザールの建物が建っている。

   

市場(Pasar Besar)
以前市中心部の旧バスターミナルの対面にあった古くて汚いPasar Besar(大きな市場という意味)を廃止し、新しく建造した建物に移転させたのがこの市場です(上右の写真)。まだ一部内装工事中でしたが、営業は開始しています(下左の写真)。
1階(日本式では2階)に屋内屋台式の食堂kafetaria がある。クアラルンプールより物価が安いし席数が多いので、ゆっくり食事ができますよ(下右の写真)。市場で買い物する客主体ですが、もちろん誰でもこの建物に入れます。

   

バザール(Bazar)
まだオープンしてない。建物はすべて完成しているが、2004年10月時点でもテナントが全く入居しておらずオープンしていない。2005年6月時点でもバザールだけはオープンしているとはいいずらい状態です。

ひとこと
施設はマレーシアのこの種のバスターミナルの中で最高といえます。あとはこのバスターミナルを運営していく関係者の手入れやサービス精神、バス会社のサービスの良し悪し、そして利用者の公共道徳にかかっています。この素晴らしいバスターミナルが器だけでなく、利用面でもいいバスターミナルになっていくことを願っておきます。

2004年5月27日初掲載、2005年6月23日最終更新