マレー鉄道を中心とした旅行情報の質とその信頼度に関して


マレー鉄道のみならず、いろんな旅行情報がマレーシア提供のインターネットサイトや無料パンフレットから得られます。旅行前にまたは旅行中、それらを参照されるのはあたりまえのことでしょうが、それらの情報を時々吟味する必要があることを、ここで例をあげて示しておきます。
以下は「旅の掲示板」で、2002年7月9日に「マレー鉄道の座席販売の件を明確にしておきます」 と題して書いたもののをごくわずか手直しして収録しておきます。


まずマレーシアにおいて、公開された情報の質とその情報の吟味の仕方から説明する必要があります。KTMの情報に限らず、さまざまな場所、機会に、公表された情報と実際の運用が違っている場合がよくあります。例えば「マレーシアは第2の我が家」プログラムでImigresen発行の公式説明文書には、条件を満たせばスポンサーは不要である、と書かれてますが、窓口の係官はそんなことはありえないと筆者に説明しています。筆者はさらにその点をただしましたがらちはあきませんでした。

交通の面で典型的な例をあげます、中長距離バスの切符窓口、クアラルンプールでなくてもどこでもよい、には大抵そのバス会社の発着便が書かれています。しかしその書かれたバス便の発着情報の一部が正しくない、つまり古い情報のままの場合が、数十パーセントの確率であります。窓口の者にその点をついてもまずらちはあきません。”tak tahu" 私はしらないよ、と言うのが典型的反応です。これにいちいち腹を立てていても始まりません、そういうありかたとあきらめるしかありません。

さて問題のKTMの情報に移りましょう。KTMもマレーシア社会の一機構です、特に半官半民的イメージの強い会社です。これをよく頭においておいて下さい。私はこれまでも何十回もKTMの窓口や情報センターと質問、問い合わせで話してきました。その時感じる事ですが、返答が不確実である、または途中ではぐらかされてしまうケースがよくあります。なぜこういうことがおこるかというと、現場の(複数の)担当者がKTMに関する全ての質問には答えられません。彼ら彼女たちの傾向として、徹底的に質問なり問題を解決していくという姿勢が欠けがちです。その場合どうしても最終責任者まで追ってその問題を追及していかねばなりませんが、そこへたどりつくのは極めて時間がかかり難しいことです。且つそれに固執するといやがられます。

シンガポールからジョーホールバルまでの乗車運賃は、KTM発行の最新時刻表には列車種類によっては載っています(載せてない列車もある)。またE-Tichetでは列車、クラス、大人子供毎に全便細かく載っています。これだけを見ると、シンガポールからジョーホールバルまで全ての列車とクラスで切符が販売されているような感覚に陥りますが、実際は違います。一般的に急行列車の場合はこの区間を販売しません。
私の記憶からいっても、シンガとジョーホールバル区間の寝台販売は窓口では拒否してました。これは他の線でも同じでごく短距離区間は寝台は販売しません。
じゃあ寝台でなく急行の2等の座席はどうか?KTMの情報センターは、それも販売しないと言明しています。例外はエコノミーの座席を自由席として販売するSenandung列車だ、と。(もちろん鈍行列車はシンガポールとジョーホールバル区間でも問題なく買えます)

つまりE‐Ticketで運賃が載っていても現実には販売しないわけです。E‐Ticketには以前なかった次ぎの条件が加わっていますね。”Minimum amount for each transaction should be at least RM 20.00.” つまりE‐Ticketで購入する場合は1回の取り引きの合計が最低RM20必要であるということです。シンガポールとジョーホールバル区間で座席席ではRM20以下の場合が多いので、この面からも買えないケースが多いでしょう。じゃあ1等寝台はRM20を超えるから、買えるのではないだろうか? その場合試したところ、E-Ticketだと買えるはずです。これは明らかに、KTM情報センターのことばと矛盾しています。窓口でも寝台は売りませんからね。

こういった矛盾は解決されていません。また販売しない区間の切符の価格を表示するという誤解を招くおかしな点も残っています。この点をKTM相手に追求するのはものすごく骨の折れる仕事です。

さらにもう一つ大事な点を付け加えておきます。クアラルンプールの本社筋の情報では、シンガポールとジョーホールバル区間の急行の1等と2等の座席は、窓口販売しないと言明していますが、これは現実にシンガポールの窓口で確かめる必要が残ります。なぜなら、これまでの経験から言って、クアラルンプールの本社筋の情報は90数パーセントの信頼度だからです。現場では柔軟に対応して販売しているのかもしれません、またはやはり販売してないのかもしれません。いずれにしろ寝台は売りませんよ。どなたかシンガポールで実際に窓口に日を変えて2回(1回ではだめ)足を運んで調べて発表していただきたいですね。

これまで官庁と民間の機関相手に様々な場と機会でものすごい数のマレーシア人と交渉・問い合わせしてきた経験を通じていえることは、このKTMの例のように、マレーシアでの情報取りと確認は決して楽ではありません。発表されたことだけを信頼していてもだめです。もちろん情報取り自体は第1に必要な事ですが。

2002年7月11日掲載