高架電車 Sri Petaling Line & Ampang Line (旧名 Starline)



クアラルンプール圏の広域電車網路線地図 −2016年最新版 PDF 
出典: 陸上公共交通委員会 (SPAD) がそのサイトで掲載している路線地図を2016年8月に取り込んだものです。上記部分をクリックしてご覧ください。



名前の変更

LRT 高架鉄道は2002年経済省の持ち株会社である SPNB (Syarikat Prasarana Negara Bhd)翼下に買収されました。これによって2本のLRTはそれぞれStarline と Putraline に呼称を変えました。
その後2004年に両高架電車は、組織上 SPNB翼下の会社 Rapid KLの電車部門となりました。
そして2005年8月から、高架電車LRT のSTAR lineが Ampang Line と Sri Petaling Line に、 PUTRA line が Kelana Jaya Line とそれぞれ改名された


Ampang Line と Sri Petaling Line の変遷を古い順に掲載しています。 記事を掲載した日付に注目してください。最新記事は2015年11月中旬掲載。



待望のLRT開業

LRT (Light Rail Transit) と呼ばれる高架電車が、いよいよ 1996年12月16日から一般営業をはじめました(一路線12Kmのみ)
ドイツのダイムラーベンツグループの技術協力を受けオーストリア製のしゃれた車両を使い STAR と呼ばれる公団が運営する、マレーシア初の都市内電車です。
複線で始発駅近くを除くとすべて高架になっており、従って踏みきり無しです。

シンガポールのMRTに似てますね。 はたしてクアラルンプールの交通渋滞緩和の救世主になるでしょうか。運賃が普通のバスに比べて倍、一番安いミニバスとなら3倍もしますが、速さと快適さを当局は売り込んでいます。


筆者もさっそく乗ってみましたよ。 電車と駅の概観だけは外から何カ月も前から見てたので、驚く様なことはありませんが、とにかくスマートできれいです。日本人なら都市交通に電車網はあたりまえですが、ほとんどのクアラルンプール市民にとっては初めて乗る電車ですから、車内で皆さんの喜んでる雰囲気が伝わってきました。 私もこういう風に街が発展していくのはうれしいですね。

写真でもわかりますように、パンタグラフなしで3ドアータイプの電車です。東京の地下鉄に走ってる電車を小ぶりにした感じですね。 これを4両編成にして Ampang駅から Sultan Ismail駅までの12Kmの一路線がまず開通し、その後路線が 多少延長します。 (現在は6両編成)

またこれとは別の公団が、クアラルンプールとペタリンジャヤを 結ぶ同じようなLRT路線を建設しています(Putra‐LRTのこと)。 あちこちで高架路線や道路を工事し、且つビルディングを建てと、クアラルンプール一帯はどこへ行っても、建築ラッシュです。 おかげで交通渋滞も一向に緩和しませんが。

LRT駅で待つ冷房バス


LRTの郊外の主な駅前には駐車場が併設されています。またIntrakota バス会社が運行するバスが客待ちしていて、電車とバスの連絡が図られています。

写真は駅前で停車している Intrakotaバスです。 このバスは近い将来ミニバスにとって代わることになっており、すでにクアラルンプール一帯のいろんな路線でおめにかかれます。 90セントの均一料金と 冷房付きの車体の快適なバスです。この2、3年の市内公共交通は大きく変わりつつあるのです。

追記:写真の冷房バス以外に、いくつかの駅では近辺を巡回するミニバスが運行されています。このミニバスはかつてクアラルンプール内外を走っていたミニバス車両の再利用で、色を塗り替えかつてのような神風走行を放棄して走っているのです。
97年1月初掲載、後年一部追記


2路線あるStar‐lineの案内

  

上左の写真は車内の様子 です。座席がステンレス製で熱帯国としてひんやりとして気持ちはいいのですが、座っていても滑るのが難です。つり革がありますが、ほとんどの人はそれに捉まりません。中写真は切符自動販売機、通常は各駅に2台あるのが普通、ただ乗客は窓口で切符買うことを好みます。上右写真はプラットフォーム掲げられた駅名(上段)と乗り換え表示(下段)です。これはKTMのコミューターに乗り換えできますという意味です。

Star電車は有人運転で、全路線が高架になっており、2路線ある:Sentul Timur - Ampang路線 と Sentul Timur - Sri Petaling路線。写真はプラットフォームの行き先表示です。

両路線はSentul Timur駅から Chan Sow Lin駅の区間までは同一線路上を走行する、そこからAmpang駅方面又はSri Petaling駅方面に分かれる。チャイナタウンへはPlaza Rakayt駅で降りて徒歩3分です。また国立競技場施設がたくさん存在し、時々コンサート、集会が開催されるBukit Jalil駅はSri Petaling路線の最終手前駅です。KTM Komuterに乗り換えるならBandar Tasik Selatan駅で、Putra-LRT高架電車に乗り換えならMajid Jamek駅がたいへん便利です。

運賃は最低RM 0.70で、路線の最初から最後まで乗っても大人RM 2.80です。始発6時、終発23時半頃まで運行、休日は多少違う。運行間隔は4分から10分程度です。

最終更新2003年9月

2009年9月から実施の定期券種類
月間定期券種類
Tバス
Bバス
Uバス
Eバス
高架電車2路線
モノレール
月額
Tバス専用
OK
-
-
-
-
-
RM 40
総合バス(Semua)
OK
OK
OK
-
-
-
RM 100
総合バス・高架電車統合定期
OK
OK
OK
OK
OK
2009年12月
よりOK となる
RM 150
高架電車専用定期
-
-
-
-
OK
-
RM 100
割引定期 (高齢・身障・生徒)
OK
OK
OK
-
-
-
RM 50


 
左:郊外区間を走行中   右: PWTC駅プラットフォーム
2010年3月更新

プリペード機能の共通乗車ICカード "myrapid " カード

Rapid KL 翼下の電車とバスでは以前からTouch'n Go カード機能を入れたIC式カードが使われています。いわば日本の Suica カードと同じように、あらかじめ一定金額をカードに保存しておくICカードです。電車またはバスに乗る度に該当料金が差し引かれます。

さてRapid KL は2011年中頃から独自ブランドの ICカード "myrapid " カードを発売し始め、積極的に宣伝し、利用を奨励しています。2011年終わりごろにAmpang Line& Sri Petaling Line と Kelana Jaya Line の運賃徴収システムを統合化しました。そこで乗客には一層"myrapid " カードの使用を奨励するようになりました。
さらに2012年2月にはKLモノレールをこの高架電車LRT の運賃徴収システムに参加させたことで、電車とモノレールの乗り換えは別々に切符を買う必要はなくなりました。"myrapid " カードを使えば3路線に共通の乗車カードとなり、自動改札機にタッチするだけです。

"myrapid " カードは販売奨励キャンペーンの期間中は、RM 10で販売されています、内運賃用としてRM 8の金額が保存されている。

 
2011年終わりごろ写真のような新型券売機と自動改札機に全て入れ替わった

Masjid Jamek 駅はLRT高架電車のAmpang 路線 と Kelana Jaya路線が交差する駅です。開通以来ずっと両駅は独立した形で、乗り換えは一度駅改札を出る必要がありました。しかし2011年に両駅が統合された形に改良されて、改札を経ることなく乗り換え出来るようになった。下写真はAmpang 路線駅から  Kelana Jaya路線駅(地下にある)につながるエスカレータです(2012年6月撮影)。

 

2012年6 月最新更新


高架鉄道LRT は路線延長プロジェクトが進行中

2012年3月6日の『新聞の記事から』
クアラルンプール及び近郊都市に乗り入れている高架鉄道LRT では路線延長プロジェクトが進行しています。
LRT の路線が35km延長されるこのプロジェクトでは、Ampang 路線では10の駅を増設、Kelana Jaya 路線では12の駅を増設します。これによって現在1日の利用者数30万人に 50万人が加わることになる予定です。

総建設費RM 70億のこのプロジェクトの竣工は2014年末の計画です。完成時には、Ampang 路線とKelana Jaya 路線が新設される Putra Heights 駅でつながることになります。


LRT電車路線延長プロジェクトの第1段階が完成して、延長区間が2015年10月31日オープンした

(クアラルンプール圏の高架電車 LRTは国家資本の会社 Prasarana が所有しその子会社Rapid KL が運営している。1990年代から運行が始まったLRTは2路線あり、Kelana Jaya 路線と Sri Petaling/ Ampang路線です。2つのLRT路線で路線延長プロジェクトが数年前から進行中です。)

Sri Petaling 路線の延長プロジェクト中の第1段階が10月31日に開通した。既に陸上公共交通委員会 (SPAD) からも運行認可を受けています。 なおAmpang 路線の延長区間は全体で18.1q、新駅が11駅建設される。

第1段階はこれまでの終着駅である Sri Petaling駅に続く4つの新駅が完成: Awan Besar駅, Muhibbah駅, Alam Suera駅, Kinrara BK5 駅、(右の写真を参照)

この完成延長区間を走行する電車は、新しい型の車輛で6輌編成となる、また客収容能力が増え新しい機能も加わっている、愛称が AMY とのことです。
延長区間は新しい信号システムを導入しています、このため両方向の乗客は Sri Petaling駅で電車を乗り換える必要がある。

地理的な要所にできた新駅 Kinrara BK5 駅は Bandar Kinrara地区の住民にとって朗報であり、大きな人口を抱えるPuchong地区に近接した初めてできる駅となる。ほとんどの駅は駐車場も備えている。各新駅はトイレ、祈祷室も設置されており、身障者用の配慮、例えば車いす用のランプなども作られました。
新駅ではそぞれその駅を起点とした、RapidKLバスの新しい周回バス路線が創設される。

Ampang 路線の延長プロジェクトが第2段階が完成して全てオープンするのは、2016年3月の予定です。延長区間の最終駅は Putra Heights駅です。この駅は KelanaJaya路線の延長プロジェクトの最終駅ともなる。こちらの延長プロジェクトの完成は2016年6月の予定です。




 

新型車両の前面。 駅プラットフォームに入る直前のLRT電車

 

新型車両の内部です。従来の座席はステンレス製でしたが、新型は違います。  Kinrara BK5 駅の外観

2015年11月中旬掲載


進行中の Sri Petaling 路線の延長プロジェクトにおいて、さらに延長区間が完成して4つの新駅ができたことで、下に掲載の写真のように、2016年3月末に Bandar Putri駅までの区間がオープンしました。



 

新型LRT には上左写真のような車椅子/ ベビーカー利用の乗客向けの場所が設定されている。
上右写真は新駅 Pusat Bandar Puchong駅の外観です。モダンな駅舎だとわかりますね。

全面開通した延長路線を含めたLRT 電車の最新路線地図 − 2016年7月版



2016年5月掲載


これより下の記事は廃止されたり、変更された過去情報です。参考ため残してあります。


新しい月間乗り放題定期券が11月24日から発売されます。この乗り放題定期は月歴の1ヶ月間、その路線の全区間で使用できるというもので、日本的な定期券とは違います。乗り放題切符の1ヶ月版(1日から31日まで有効)といえます。

2002年になってStar‐LRTの名前がStarlineに変わった経緯、上記の新乗り放題切符の発売などを 「クアラルンプールの新公共交通網」の項目で説明してあります。詳しくはそちらを開いてお読みください
2002年11月24日記

各種交通カード早見表 2005年8月時点
名称方式価格RM有効期間 Putra-
Line
Star-
Line
周回
バス
Rapid
KLバス
KL
モノレール
KTM
Komuter
Touch 'n Go
カード
プリペード
式・追加
最低20なしOKOKOK?
05年8月
からOK
05年7月
からOK
Monthly Travel
Card
乗り放題RM 80歴月1ヶ月

OKOK
近郊電車
コミューター
の項目参照
Monthly Travel
Card
乗り放題RM 90歴月1ヶ月OKOK

Monthly Travel
Card
乗り放題RM 125歴月1ヶ月OKOkOKOK











注:プリペード式のIntraakotaカードは2004年に廃止されました。
注:Satrline がRapid KL に吸収合併されたことでTouch 'n Go カードが導入された。従来のSatrline専用のプリペードカードも引き続き販売・使用されている。2004年3月ぐらいからStarline の3駅:MasjidJamek, Ampang, Bandar Tasik Selatan だけにTouch 'n Go カードが使用できるようになり、その後次第に他のStar駅でも使えるようになりました。2005年現在では全部の駅で使用できる。
注:City LinerバスとIntrakota バスは2004年終わりごろ Rapid KL に吸収合併された。他の項目をお読みください。

2005年8月初め更新

統計

統計庁発表の電車利用者の統計
電車の種類PutralineStarline (27km)Komuter
2004年の年間乗客数5770万人4330万人2730万人