近郊電車 KTM Komuter


1995年10月に開通した、マラヤ鉄道が運行しているコミューターと呼ばれる首都圏の電車路線があります。2路線はあってスランゴール州のRawangラワンから KLセントラル駅経由ヌグリスンビラン州のSerembanスレンバンまでの路線と、クアラルンプール郊外の SentulセントゥルからKLセントラル駅経由スランゴール州のPort Klangポートクランまでの路線です。2010年7月末に Sentul 路線において路線が延長されて、終点・始発駅が Sentul から Batu caves になりました。

なお両路線が重なる駅は Putra, Bank Negara, (旧)Kula Lumpur 駅、そしてKL Sentral駅の4駅です。ただ各電車の運転席前面と最後尾の同所にしか行き先表示がしてないので、到着した電車がどの路線のものかがわからない不便さがある。

2015年11月13日最終更新、99年11月1日初掲載


Komuter 電車の路線と駅名 

路線図ダウンロード:KTM Komuter を主としたクアラルンプール圏の2015年総合電車網の路線図 PDF 版 をクリックしてください。

KTM Komuter の路線別駅名一覧(2015年版) :


2015年12月2日からマレー鉄道 Komuter 電車の 値上げが行われる

マラヤ鉄道は、クアラルンプール圏で走行している Komuter電車の運賃値上げを2015年12月2日から実施します。
値上げ率は 1qあたり 4セント。 その結果路線内における片道の最高値上げ額は RM 7.10になり、例えば最長区間である Sungai Gadut −Tanjung Malim 間の運賃は RM 19.20になる。 初乗り運賃は RM 1.20 です。

KL Sentral - Mid Valley : RM 1.80、
KL Sentral − Bandar Tasik Selatan (注:TBSバスターミナルのある駅): RM 2.40、
KL Sentral - Subang jaya RM 2.90、

Touch ‘n Goカードの利用者は 運賃が20%割り引きとなる。 1週間切符が 20%割引、 1か月定期が30%の割引です。


Komuter 電車の南部区間がさらに延長された −2015年10月

上図でおわかりのように、Komuter電車の南部区間がさらに伸びて Gemas 駅までとなった。ただし KL Sentral 駅から乗り換えなしでは行けず、Seremban で乗り換える必要がある。
Seremban - Pulau Sebang(Tampin) は多くの本数が運行されるが、Gemas までの便は1日2往復しかない。

サービスが向上した Komuter 電車 - 2015年5月1日の新聞記事から

政府転換プログラム2014年報告書によれば、公共交通機関の利用率が向上した。2014年の平日の朝6時から10時までの利用者数は 45万5千人です、これは2013年より4%の増加となる。
(参考: Rapid KL 翼下の高架電車LRTと モノレールの合計利用者数は2014年で日平均 36万人。この数字は1日平均の数字です)

KTMコミューター電車は近年新しい車輛6輌からなる 38編成を導入した。これによって従来の電車待ち時間 30分から45分を15分に短縮した。さらに朝の通勤時間帯の定時運行率が 97.5%という大幅な向上を成し遂げた。

下の写真は2015年4月撮影の新車輛内の写真


新型コミューター車輌が2012年3月に登場した

まず2012年3月7日付けの『新聞の記事から』を載せておきます。
KTM Komuter 電車に、今週末から6輌編成が 4列車登場します。マレー鉄道KTNB の責任者の明らかにするところによれば、現行の3輌編成では 1列車で400人の定員乗客数が新編成では 1,100人に増えることから、Komuter サービスに直ちに向上が期待されます。新型電車には、音声案内とLCD画面通知が備わっており、車内空間が広くなっています。また各車両に3台の監視カメラが付いていますので、運転手席から監視できます
データ:最高時速 120km/時、LED式の行き先表示、 優先席と女性専用車輌あり、

新型車輛は中国の電車製造会社製で、1列車編成がRM 5千万します、KTMB は38編成を注文しており、総額でRM 18億9千万になります。残りの34編成は6月までに順次Komuter路線に導入されるとのこと。 そうなれば、10分間隔の運行が可能になる計画です。 朝夕の通勤時間帯にKomuter を利用する乗客数は日に7万人ほど、その他時間帯が28000人ほどです。

政府はKomuter電車サービス向上のためにRM 20億を割り当てています。残りのRM 1億1千万は新型自動改札機を5月に導入することになっています。
以上

イントラアジアは3月9日にたまたまKLSentral 駅を訪れたら、一番列車が来るということでした。そこでごく短区間だけ乗った際に下の写真を撮りました。確かに車内は明るく、快適です、まあ新品ですから同然でしょう。
新型車輛は今後増えていきますが、旧車両も引き続きコミューター運行に使用される、というマレー鉄道側の説明です。

  

 

以上は2012年3月10日掲載

下左写真はプラットフォームのKomuterです。 下右は 比較的乗降客の多い、Bank Negara駅の改札フロアの様子です。この駅改札フロアには電車発車時刻掲示板がないので、プラットフォームまで降りないとわからないという不便さを感じます。その写真に写っている自動改札機は、小さな駅だと2機しかないことになる。Touch ' n Go カードが Komuter 電車駅でも使用できるようになりました。しかしTouch ' n Go カード機能が付いた改札機はどの駅も半数以下です。 

   

2010年に始まったと推測されます、各運行便の真ん中にある 1輌が女性専用車輛に割り当てられています(下左の写真)。下右はPutra駅のプラットフォームの様子です。 2011年においても、コミューターの到着出発を知らせる駅の電光掲示はあまり正確とはいえません、というのは遅れが起きても一切その旨が表示されないからです。

  

以上は2011年8月末に掲載

旧クアラルンプール駅は以前から変わらずKTM Komuter 電車の停車駅です。プラットフォームが改良されて下写真のようになりました(2012年6月撮影)。



車輌の種類
車両製造には3種あり :韓国、南アフリカ、オーストリア です、いずれも快適な冷房車両を使用している。
連結されている車両には2種類あります: 2ドアタイプで通路を挟んで2座席、2座席の車両(下中写真)と、2000年代半ばに登場したと思われる通路を挟んで対面式座席の4ドアタイプの車輛(下左写真)。 尚下右写真の赤い座席4ドアタイプの車両は2010年時点ではもう使用されていないように思われます。

   

運行時間は朝5時半頃から上り下りの各始発駅を発車し、終電は夜10時近くに各起点駅を発車します。平日と土曜日、日曜日の時刻表には多少違いあり。通勤時間帯は結構混みます。問い合わせ電話:03-22671200. 
Komuter 電車の最大のそして長年変わらない弱点は、時刻表に従って運行されていないということです、遅れが常態化しており、時刻表通りに走っている方が珍しいといえるでしょう。このことによって、高架電車に較べて利用者からの不満がずっと多い。 時々Komuterを利用するIntraasia もKomuter の運行不正確さはいつも体験するところです。

運賃は最低RM 1.0から 最長のSeremban-PortKlang間で RM 8.8となります。 KL Sentral - Port Klang RM 4.3 。 切符自動販売機が各駅においてありますが、多くの駅では2台だけであり、且つ紙幣の認識率が悪いことなどの理由によって切符購買に時間がかかることが難です。

Touch ' n Go カードが使用できる

2005年7月初めから Touch ' n Go カードが使用できるようになりました。Komuterの全駅に使用できるとの説明ですが、改札機の全てにTouch ' n Go カードを使えるわけではなく、その駅の自動改札機の1部です。しかもTouch ' n Go カード検知機の故障が多い。

ラワン −タンジュンマリム 区間がオープン  2009年6月

Rawang -- Kuala Kubu Bharu 区間が 2009年6月1日から Rawang -- Tanjung Malim に延長されました。3両編成で所要時間約 50分。
Rawang :始発 5.25、終発 10.25、 Tanjung Malim: 始発 5.25、終発 10.25、ポスターなどの表示には30分毎に1本となっているが、その後変更されて2010年時点では1時間に1本の運行。  運賃 Rawang -- Tanjung Malim RM 4.9

Rawang -- Tanjung Malim間の沿線風景は、都会近郊のそれではなく、地方の山野部の風景そのものです。この区間にある駅は一見してどれも新駅舎に改築されたと推測されます、なおそれらの駅はその町の中心部から多少離れている場所にある。Tanjung Malimの場合は、目測したところ徒歩で10分もかからないと思われます。

  

長距離列車も停止するTanjung Malm 駅は旧駅舎が取り壊れて駅全体が新造されたかのようであり、全てがピカピカというところです。上右写真の改札機は従来のKomuter駅にある改札機(上段の写真)と較べて、読み取りも格段に早い新型です。表示文字に日本語も混じっているので、 日本製かもしれません。右上写真に写っている4機の内、左2機はTouch ' n Go カード専用です。これも従来機にはない点です。

セントゥル - バトウ洞窟 区間  2010年7月末にオープン

このため Sentul は途中駅になり、始発終点駅がBatu caves になりました。 既存のSentul 駅及び臨時駅であったBatu Caves 駅、及びその間に新しく作られた 3駅は、全く新しく建築されましたので、駅舎もプラットフォームもピカピカの新しい駅です。 下2枚の写真。

 

運賃例: KL Sentral - Batu cave RM 2.0、  Putra - Batu cave RM 2.0

 

上右写真は新型自動改札機。従来の改札機は反応が遅く且つTouch ' n Go カード読み取り機能の故障が目立ちました。右上写真は新型切符販売機。従来型は極めて非効率な販売機です、2種の新型機で効率改善となることを多いに期待したいです。



過去情報: Komuter電車の1日乗り放題切符 Pas Harian

マラヤ鉄道は Komuter電車の1日乗り放題切符 Pas Harian を2010年2月から発売しました。ラワン −タンジュンマリム 区間を含めたコミューターの全路線に使用できる。下左の写真は駅の広告で Pas Harian を宣伝しています。
値段:RM 12, 子供と高齢者は半額、 有効期間 1日
新規発売を記念して、2010年2月のみ 大人RM 10、子供 RM 5の値段です。


切符種類
片道切符、往復切符、上記の1日乗り放題切符、区間の1週間定期、区間の1ヶ月定期

  

上右の写真はKomuter電車内に掲示されている、禁止事項と注意事項の通知ポスターです。 7つの禁止事項が赤丸に斜め線で強調されています。

2011年5月の追記
しかしながら1日乗り放題切符 Pas Harian 及び1ヶ月定期は2011年4月末をもって廃止されました。
1日切符はこれで2回目の改廃です。その裏に不正使用があったのか、なかったのかわかりませんが、こういうシステムが長く続けられないところに興味がわくところです。

Kmuter用新型電車に関して −2010年1月5日の新聞の記事から

マラヤ鉄道会長は語る、「Komuter電車用の新型電車車両の38編成の調達には、今後3ヶ月から6ヶ月以内に公開入札を行います。 マラヤ鉄道は2012年までに6輌編成の新型電車を購入したい、その総予算はRM 20億になるでしょう。国際入札の調達先国家は日本、中国、欧州といったところです。 マラヤ鉄道は長期間待つ余裕がないので、新型電車のマレーシアへの配達は18ヶ月から24ヶ月を期待しています。」

Komuter電車の状況 −2010年2月7日の新聞の記事から

マラヤ鉄道の運営する、クアラルンプール圏のKomuter 電車について、与党の国会議員でもあるマラヤ鉄道会社の会長はKomuter電車の欠点を説明しています。Komuter電車は平日10万人ほどの乗客を運んでいます。 1組の電車編成は3車輛からなって、約20組が稼動しています。

Komuter電車の15分間隔運転には 少なくとも 36組の電車編成が必要です。20分間隔では 25組の電車編成が必要です。しかしマラヤ鉄道は25組も用意できません。2009年9月以降は21組の電車編成になっています、しかも時々15組から18組の編成になってしまう日もあります。 従って遅れが40分以上も出てしまいます。

そこで会長はこの背景を語る、「メンテナンスが十分にされていないこと、及びメンテナンスのための予算が不足していること、がこうした事態を生んでいます。1995年から1998年までは、Komuter電車は 62組の編成でした。その後5組が廃棄されました。残り57組の内、32組は磨耗や損傷で、加えてお粗末なメンテナンスで稼動できなくなりました。残ったのがわずか25組です。」
新しい電車を購入することに加えて、メンテナンスのため、非稼動の電車を修理するための予算が必要だと会長は語る。




以下は過去の情報です

1週間乗り放題切符と月間乗り放題切符

下記のように、これまでの割引切符類は1ヶ月切符(定期)を除いて、2004年12月末を持って全て廃止されてしまった。その替わりに、2005年1月1日から、区間乗り放題の1週間切符(定期)が新に登場しました。その特典は:

マレー鉄道配布の案内文書の説明が今一つ不十分なので駅で確認しました。1日にA駅とH駅を何往復しても構わない。またA駅とH駅の間にある、 例えばD駅で途中下車して再度乗車もできます、つまり途中下車も自由な乗り降り自由切符な切符です。

1ヶ月乗り放題切符(定期) :

1日乗り放題切符と多数回使用切符−2004年12月末で廃止された

平日(月曜から金曜)の午前9時以降から使用でき購買したその1日全線乗り放題切符を Tiket "Mana Mana "といい料金RM6。学校休み期間中は販売しません。

もう1種の乗り放題チケット”Kembara"は、クンバラと呼ぶ、週末と祝日と学校の休暇時期に発売され、購買したその日1日全線乗り放題です。料金大人用 RM10、子供用RM5。
多数回使用型切符:ある駅とある駅間に限定された1種の多数回使用切符だ、12回分(10日間有効)、24回分(20日間有効)がある、20%お得だと宣伝してある