KL モノレールKL Monorail
モノレールの開通
2003年8月31日、マハティール首相を迎えてオープン式が行われたことを受けて、その日からモノレールがついに一般開通となりました。10月から運賃は規定運賃で、営業時間は7時から20時になりました。それ以後 2004年3月時点でも7時から22時までの運行です。半年ほど後の2004年6月15日からフル運行である6時から24時までになりました。注:24時が終電ということではなく、運行が24時までです。
KLモノレールはその後 2007年に、クアラルンプール圏の高架電車とバス網を保有する Syarikat Prasarana Negara Berhad (Prasarana)に買収されてその 翼下に入りました。 この会社は政府が100%出資する持ち株会社 です。 現在モノレールの運行はSyarikat Prasarana Negara Berhad (Prasarana) の100%子会社である Rapid KLの下でKL StarRail Sdn Bhd (会社) がしています。
2015年5月最終更新
左:Imbi 駅のプラットフォーム 右:車内の様子、車内は狭い感じがする、荷物の多い旅行者には置き場が充分とはいえない
乗り心地は多少揺れを感じますが、気になるほどではありません。市内の中心を通りぬけて走るので、見慣れた景色を眼の位置が高い所から眺められるという楽しみがあります。HangTuah 駅近くでは、元プドゥ刑務所内を一瞬ですが見渡せます(下左写真 プドゥ刑務所跡から至近距離を走行します)。ブキットビンタン街からKLSentral まで8分、チャイナタウンの裏側まで5分、Chawkitまで8分で到達できるようになったので、これまでの所用時間を圧倒的に縮めたという便利さがいいですね。完全運行になれば、まことに便利な乗り物になるでしょう。拍手。
他の高架電車への乗り換えも下記のように4駅でできます。駅内の案内板に日本語も加わっていますよ。駅にはトイレ設備があります。
車内につり革が取りつけられました。下右写真はプラットフォームの様子です。
KLモノレールの乗換駅
モノレール駅は全11駅です。「クアラルンプールの新公共交通網案内と路線図」のページ参照のこと。
高架電車 Ampang Line との乗り換え:Titiwangsa 駅、HangTuah 駅、 どちらもほぼ隣接といえるほど近い
高架電車Kkelana Jaya Line との乗り換え:いずれも至近距離ではあるが道路を横切って数分程度歩く必要がある
- モノレールBukit Nanas駅から 高架電車 DangWangi 駅まで徒歩3分、駅舎が互いに見えない位置にあるが、屋根付き歩道が設けられている。
- モノレールのKLSentral駅は総合ターミナルのKLSentral 駅とは道路を挟んで別の建物です、徒歩5分。
2012年追記:KL モノレールがRapid KL翼下に入ったことで、2012年にはLRTとの乗換え駅である Hang Tuah 駅と Titiwangsa駅では駅改造工事によって一体化して、別々に切符を買う必要がなくなった。
運賃とプリペードカード
運賃:最低RM 1.20、RM 1.60, RM 2.10 最高RM 2.50までの 4段階ある。下段に KL Monorail 出典の料金表を載せました。
- 例:Bukit Bintang駅と KL Sentral 駅間はRM 2.10、Bukit Bintang駅と Chow Kit駅間はRM 1.60, KL Sentral駅とImbi 駅間 RM 1.60
Touch'n Go カード:他の電車網ではすでに使用が始まっていたTouch'n Go カードがモノレールでも、2005年8月6日から全ての駅で使えるようになりました。
2009年12月から Rapid KL の1ヶ月総合バス・高架電車統合定期 RM 150 にモノレールが含められました。
LRT高架電車で2011年から使われ始めたプリペード式 myrapid (rabbit) カードはすでにモノレール路線でも使えます。
2012年2月18日の新聞の記事から
- KL StarRail Sdn Bhd (会社) は高架電車と同様の自動運賃徴収を用いた統合切符システムをKLモノレールにも導入開始し、2012年2月17日からモノレール路線全体に適用となりました。Syarikat Pasarana Negara Berhadの経営責任者は言う、「結果を見てこの切符システムを実施していくことに問題ないことを確信した。」 そこでプリペードICカード式のMyRapid カードの利用を利用者に強く勧めています。
- 高架電車LRT とモノレールの乗換駅であるHang Tuah 駅と Titiwangsa 駅では、(切符の替わりである)片道トークンを買うと乗り換え時にまた別の片道トークンを買う必要があります。 「現在改造工事中であるHang Tuah 駅と Titiwangsa 駅 で統合化が終われば、モノレール 駅とLRT 駅は物理的につながり、利用者はそれぞれの駅を出ることなく乗り換えできます。」 と説明しています。 改造工事は2012年3月に終わる予定です。
以上の経緯を経て、モノレールの自動改札機は2012年2月中旬に新型に一新されました(下左の写真)。
上左: KLモノレール Titiwangsa 駅(2012年9月撮影)、
上右:モノレールKL Sentral駅と KLSentral 駅の間に建設中ビルまで連絡する通路を工事中の写真 (2012年9月撮影)2014年に完成して既に連絡している
下3枚は過去の様子です: KLモノレールのKL Sentral 駅
左:KLSentral の空き地部分からモノレール駅を眺めた写真、このように道路を横切ることになります
中:KLSentral の建物2階位置からモノレール駅を撮った写真、直線距離で100m弱ぐらいだが、2009年2月から遠回りのルートに変更
右:ホームに掲げられた禁止行為のイラスト
各駅毎の沿線の訪問場所
駅名 | 下車した場合の主な訪問場所 |
KL Sentral駅
から所用時間 |
KL Sentral | KLSentral駅、郵便局、エコノミーホテルなど |
|
Tun Sambanthan | 駅の位置はBrickfields地区の裏側にあたる、 | 1分 |
Maharajalera | 駅はチャイナタウンの裏側ともいえる場所、その中心街入り口まで徒歩5分 | 3分 |
Hang Tuah | 旅行者には乗り換え目的以外には、ほとんど関係ない、 | 5分 |
Imbi | 新しい巨大ショッピングセンターTimes Square に直結した改札口がある | 6分 |
Bukit Bintang | 有名ショッピングセンター、ホテル、レストラン、カフェの集合地 | 8分 |
Raja Chulan | KLタワー, Twinタワーまでどちらも徒歩約15分かかる、歩きたい人向け | 10分 |
Bukit Nanas | マレーシア・ツーリズムセンターMTCまで徒歩2分、KLCCまで徒歩7、8分 | 12分 |
Medan Tuank | Tuank Abdul Rahman街, Sogo, Masjid India 通りまで徒歩5分から7分 | 14分 |
Chow kit | 駅はチョーキットの入り口に位置する。PWTC、Mall へも徒歩なら約6分 | 16分 |
Titiwangsa | Pekeliling バスターミナルに隣接 | 19分 |
所用時間はあくまでも公称です、実運転では多少変化する。 路線距離 8.6Km、乗客定員数214人のモノレールの平均時速は30km
2012年からLRT高架電車路線との乗継切符も販売されるようになったので、LRT路線の駅までの運賃表は Rapid KL サイトの運賃表 をクリックしてご覧ください。
小型な車両が2両だけという短い編成です。右写真は大きなブキットビンタン駅で、駅名表示はCoca Colaの大きなロゴ入り。
2013年10月16日の「新聞の記事から」 モノレールの増車輛計画とプラットフォーム改良工事
(クアラルンプール市内を走行する KL Monorail はRapidKL 公共交通機関網の一部です。これを保有する持ち株会社 Syarikat Prasarana Negara Berhad、略称 Prasarana、は国の会社である)
2014年第3四半期に完成予定のモノレールの拡張プロジェクトの一環として、車輛編成において4輌編成を12組導入することを、 Prasaranaが発表しました。
Prasaranaの幹部の説明では: 現在は2輌編成のモノレールが12組運行しています、日平均乗客者数は7万人を超えている、これはほぼ輸送能力の最大限です。
4輌編成車は来年から徐々に導入されることになります。
拡張プロジェクトではさらに、モノレール駅の改良工事と信号システムの入れ替えも行いつつあります。これによって11の駅は改良されます、一部ではプラットフォームの拡張、屋根の架け替え、プラットフォームに自動遮断扉の設置、などが行われます。さらに4輌編成にそなえて新しい車庫も建築します。
Prasaranaの幹部によれば、工事の進捗率は85%とのことです。
2015年になって既に4輌編成の新車輛が走行しています。下3枚の写真は2015年4月撮影の新4両編成の車輛写真です。 監視カメラも備わっています。
これまでの経過
- 総工費RM12億ほどを要したこのモノレールプロジェクトは、開始された1997年の時点では、デザイン、製造、システム供給社として複数の日系企業がコンソーシアムに参加しており、1998年完成が目標だったそうです。しかしその後のアジア経済混乱などの理由で工事が完全に停滞し且つ日系企業が手を引きましたので、モノレール車両は初のマレーシア産です。政府及び政府系銀行ががRM9億近い借款を提供することなどを決定してから、2000年に建設が再開されたのです。KLモノレールの社長は、日系企業の撤退は不幸中の幸いであった、それによって地元生産のモノレール車両が出来上がったからです、と語っています。地元生産のためプロジェクトのコストをRM4億下げました。
以上2002年7月1日付けの新聞の記事から
モノレールの一般営業開始は何回も延期された
- しかしその後無料乗車計画もキャンセル、さらに8月始めになっても一般開通できない状況となりました。その直後(8月)、走行中のモノレールの車輪が落下して下にいた通行人を重傷にさせた事故が発生し、KLモノレールの開通計画は大きく狂いました。
- 12月初めテスト運転を再開したKLモノレールは、予定として来年3月末までには本運転を開始したいと、KLモノレール会社が12月5日発表しました。しかしこれもまた延期となり、一般開通が2002年から2003年にかけて数回延期されました。
2004年5月中旬の新聞より
- KL Monorail は現在の路線に追加して、Tun Sambanthan 駅からMidvalleyショッピングセンターまで新に2Kmほど線路を建設する予定です。そのためKL Monorail の親会社は、そのプランを関係当局に提出したばかりです。そのプランに対する認可は今年中にでると見ています。投資RM3000万を見込むこの新線路建設は工期9ヶ月ほどです。
- KL Monorail はその駅からStarlineのHangTuahとTitiwangsaで連絡通路の設置を作り終えました。さらにPutraline の駅との連絡通路も作る予定です。さらにKL Monorail のKLSentral駅を KLSentralターミナルビルに接続する計画もあります。
- KL Monorail は現在2両連結の列車が12組あり、日平均3万人を運んでいるとのことです。親会社は、この組数を増加させることなく、運行頻度を増すことで、今後も充分乗客増加に対応できるとしています。
- これとは別に親会社のMTransは半島部の中長距離バス会社5社の株多数を買収しました。これによってMTrans グループは120台のバスを保有することになりました。