アリおじさんの家でのオープンハウス


オープンハウスというのは、マレーシアの大きな祝い事、祝日の際、主催者が公邸、事務所、住居を一般開放して、手料理やお菓子で訪問者をもてなすマレーシア独特のお祝い方法です。マレー人のオープンハウスに中国人、インド人も訪れますし、外国人でも訪れていいのです、だから文字通りオープンなのです。もちろん一般人が自分の家をオープンハウスにして、友人、知人、近所、親戚を招くのもあります。

一般に有名なオープンハウスは、ハリラヤ、中国正月、(ヒンヅー教の祝日)デーパーバリ時に、それぞれマレー人、中国人、インド人の政界の指導者がそれぞれオープンハウスを開くのです。中央だけでなく地方の州段階でも、スルタンとか州首相や政党幹部がそれぞれオープンハウスを開きます。ただ小さなオープンハススは新聞などに開催場所と日時が載らないので、そういう情報に接する組織に属したり、その組織に知り合いがいないと、どこでオープンハスが開催されるかわからないのです。

さて今回の2重祝日時に、新聞にKLでのオープンハウスの開催案内が、他州の案内を含めて載りました。「新聞の記事から」にも掲載しましたね。 筆者は中国正月元旦(1月28日)の中国人与党政党MCA とGerakan党のオープンハウスへ行く機会を逃しましたので、ハリラヤプアサ初日(30日)のマハティール首相主催のオープンハウスを覗いてみようと思ったのです。でも公邸のSri Perdanaまでの足がなくて、途中まで出かけて結局あきらめました。バス便がないのです。残念残念というところです。

オープンハウス1そこで、偶然友人が車で出かけようということになったので、それに便乗して別のオープンハウスを覗いてみました。クアラルンプール郊外のGombak地区にあるPak Aliの家でのオープンハウスです。クアラルンプール観光協会と文化芸術観光省の共催のようです。

pak Ali Rumah Pak Aliというのは”アリおじさんの家”という意味で、クアラルンプールに珍しく残っている伝統的マレー民家です。写真に示したのがこのRumah Pak Aliを正面から眺めたものです。結構大きいのです。

私人の住居でもあり、ハリラヤ時だけでなく常時一般開放していますので、ツーリストコースに入っています。ですからクアラルンプール観光した時、観光バスでこのRumah Pak Aliを訪れた方もいらっしゃることでしょう。

オープンハウス2その前の庭兼駐車場にオープンハウス用のテントが張られ、コーナーのテーブル上にマレーお菓子と簡単なマレー料理が合わせ20種類ほど載せてあり、自分で好きなだけとって食べればいいのです。係りのおばさんがもっと取りなさいと勧めてきます。もちろん無料です、それと言うまでもなく、酒類はありませんよ。

混んでるのかな思ったけど、がらがらでちょっとひょうしぬけしました。筆者のささやかなハリラヤ祝いといったところでした。



98年2月掲載

追記:2003年10月中旬、このアリおじさんの家は火事で全焼しました。


ムスリムホテル

このRumah Pak Aliアリおじさんの家から50mほど離れているだけの場所に、写真に示したムスリムホテル Sri Alamがある。泊まり客は別にムスリムでなけれなならないということはないので、興味に泊ってみるのもいいだろう。この地区Gombakは観光地でも商業地でもないマレー人居住地区、そういう場所に1晩ほど滞在してみるのも面白いかもしれない。

Hotel Sri Alamの住所: Jalan Gombak ,Kuala Lumpur, Tel:03-6880039
部屋代: Standardなら RM50ほどから。

99年11月末追記