ショッピングセンターのThe Mallがある地域は、Putra通りに沿って建つMallとそれと一体となったLegend ホテル、Pan Pacificホテル、その裏横にあるPWTC、そしてPutraバスターミナルの4つの主な建築物からなるわかりやすく狭い地域です。この地域が開発されたのが比較的新しく、回りにはいくつかの高級コンドミニアムも建っています。また98年末からはStar LRTの高架電車駅”PTWC”もオープンしたので、数少ないバス便だけが公共交通だった頃に比べて、この地域訪問がずっと便利になりました。さらにこの数年、付近にビジネスホテルも建設されました。
もう一つの地域チョーキットは Mall地域とRaja Laut通りを境にして接しています。チョーキットという響きに人々は正反対の反応を示します。大衆的でまったく気取りのない日用品食料品類の買い物と食事の街と考える人たちと、麻薬患者が徘徊し売春婦が今尚いる”危険な”悪名高い地域と思い浮かべる人たちです。このようにチョーキットの見かたは別れるのです。
チョーキットは今尚麻薬患者がうろつき売春婦(夫)が客引きをしている街なのでしょうか、そして本当に危険な界隈なのでしょうか。
チョーキットと言う呼び名は南北がIpoh通りとそれにつながるRaja Muda通りからSri Amar通りぐらいまで、東西がRaja Laut通りからTuank Abdul Rahman通りを超えてRaja Bot通りまでの一帯を指します。チョキットの名前の由来であるChow Kit通りは上記の範囲内の極一部で、チョーキット通り自体は長さ150mほどの短い通りです。そこだけ見てもチョーキットの本当の姿が見えてきません。
チョーキットは一般店舗も旅館やホテルも貿易会社の事務所兼店舗にも圧倒的に華人経営の多い地区ですが、働いている、集まってくる客又は一帯を歩いている人に、マレー人と外国人肉体労働者としてのインドネシア人などが多いのです。だからマレー人、インド人それにインドネシア人ら外国人労働者街と言われるくらいです。ただこれも場所と時間帯に依って大きく変わります。日中は近くのオフィスのOLとかサラリーマンが昼食に出かけたり、貿易会社・商店の労働者が荷物を積み降ろしています。ひと度日が暮れる頃から様相がかわり、夜市や屋台街に華人の客とか女性連れだけの姿を見る事はずっと少なくなります。もちろん地域の住人である華人の姿をはあちこちにあります。
90年代前半頃までは Haji Taib通り界隈は売春宿が並んでいましたが、今では建物は同じでもその多くは別の商売に衣更えしたり、廃業したりで以前の面影は随分なくなりました。しかし夜市のたつHaji Taib通りから横に入る4本の路地のいくつかには今でも街娼やおかまが路地の店先やショップハウスの階段当たりにその姿を現します。路地の奥の人目につきにくい所では麻薬患者らしきが日中からうごめいています。
警告
Taji Haib通りからすぐ入った路地に交番が99年後半完成しました。警察官が詰めていますが、界隈を定期的にパトロールしているわけではありません。
チョーキットで誰もが思い浮かべるのは、クアラルンプールでも有数の生鮮魚肉市場です。いかにも東南アジアの市場という雰囲気を漂わしており、肉類魚類、野菜果物類、乾物とスパイス類などの店が雑然と並んでおり、換気の悪いことから生物の臭いが市場には充満しております。市場内の小路は常に水で濡れております。市場の店は華人系が3分の1から半分ほども占めていますが、客層はマレー系が多いのです。
豊富な品揃えと値ごろさで屋台商売人から一般庶民まで多くの客を常に引きつけています。店に並んだものを見るだけでも店店の人たちの威勢のいい売り声があいまって、東南アジア市場の雰囲気を充分感じます。ただチョーキット市場は観光場所ではないので、人々の買い物の邪魔にならないように見物しましょう。
チョーキット市場はRaja Bot通りに入り口がありますが、このRaja Bot通りは片側は1日中営業しているマレー料理の大衆料理店で、もう片側は日中は果物売り屋台が通りにならび夕方からはマレー屋台街に変身します。通り一杯に並んだ20軒ほどの屋台とマレー大衆料理店前にはサテーとかマレーお菓子、Yong Touhu売りの屋台も出ます。
その他の屋台街なら、日中から開いているChow Kit通りのビニールテントで囲った所と、界隈の外れにあたるDewan Sultan Sulaiman通りです。ここは店が10軒ほどありマレー海鮮料理とTom Yamスープを供している店が多く、また珍しいマレーデザート類を何種類もならべている屋台、Bubur Manisと書かれてます、が2軒ある。Dewan Sultan Sulaiman通りの屋台は全く外国人のいないローカルな雰囲気ですがお勧めです。
古ぼけたショップハウスや小さなビルの並ぶ Haji Taib通りはある意味でチョーキット界隈の縮図です。この通り沿いとその路地付近にも旅社、旅店、低級ホテルなどの安宿がありますが、泊るのはお勧めしません。(ですからそういう安宿は地図に示してありません)
お昼近くにもなると、この通りの一画に香具師が現れ、通りの地面に商品を並べ出します、その多くが民間クスリ類と指輪です。薬売りの香具師はほとんどが口上を述べながら時には演技しながらその薬を売りこみますので、その回りに見物人の人垣ができます。いろんな小道具を使い、中には本物のコブラを何匹も使うものもいる、又色褪せた写真を地面に並べ、香具師は口上の合間にその伝統的マレー・インドネシア薬の効能を説き、見物人を買う気にさせようとするのですが、買う人は多くありません。いずれも得体の知れない薬ばかりですから買う事は全くお勧めしませんが、一見の価値ある香具師の口上と演技です。
時々番号あて宝くじの当選番号を占う呪術師まがいの男も現れます。尚こういった香具師の口上はすべてマレーシア語で見物人もほとんどマレー系の男ばかりです。クアラルンプールでこういうマレー口上香具師が現れるのは、他にセントラルマーケット横の通りですが、頻繁さではこのHaji Taib通りが一番です。
ことばが分からなくても、香具師の巧みな口上が感じられることでしょう。注意:断りもなく香具師や見物人の写真を撮らない事。
数年前までチョーキット通りに交差するTuank Abdul Rahman通りの歩道の両側とRaja Muda通りの歩道の一部に、歩道一杯に広がって商売していた屋台(仮設移動式店と言った方が当を得ている)群がこの通りに移されて以来、ずっとまとまりができました。通りがこのパサールマラム用に自動車通行止めになるのは本来は夕方4時からですが、すでに2時頃から店の人たちは仮設店舗の準備に忙しいのです。
このパサールマラムで売られている品物は場所柄のせいでしょう、マレー・インドネシア音楽のビデオ・カセット類、時計、家庭の工具、かぎ、薬、雑誌、衣料、下着類などで、旅行者の土産品になるものはそれほど多くありません。訪問客は圧倒的にマレー系が多い。夜でも数は少ないが香具師が出ます。
この地域では、The Mallが唯一の総合ショッピングセンターです。建物の3分の1ほどを旧Yaohan、現在はAktif Life Styleと呼ばれるデパートが占めています。ビル入り口から真ん中部分が広くて天井まで吹き抜けになっており、天井屋根がガラス張りのため光が降り注ぎ明るい。その吹き抜けを3方向から囲むようにテナント階が4Fまで続きます。
GFにはカフェとかファーストフードの店もあります。1Fには2映画同時上映のシネプレックス、インターネットステーション機が1台置いてあります。2Fにはタイレストランのほか石焼きの料理のレストランあり。ブティックがいくつか。
3Fには旅行エージェントのTrimaflightsがある。航空券や市内観光のほかKL市内のホテルのいくつかのを手ごろな価格で斡旋してます。マレーシア航空の切符予約販売オフィスは平日10時から19時までオープン、土曜日曜日は休みです。 マレーシアのクルーズ会社Empress Cruise Lineのオフィスがある。日本語古本を売るにこにこ堂もこの階にあります。
4Fはアミューズメントセンターとフードコート(屋内の屋台街)です。土産物ショップもいくつか。その他日本食の星が丘レストランもあり。
地階はちょっと高級なスーパーマーケットと家電製品販売階となります。
次に大通りを見てみると、Raja Laut通りは大衆的なインドレストラン、肉骨茶などの飲食店、銀行、オフィス、理髪店などが目立ちますが、買い物向きの店はありません。
Tuank Abudul Rahman通りには食品衣料スーパーのBatu Road、Hankyu Jayaがあり、衣料靴、薬、かばん店などが通り両側にずっと続いています。マレー人服飾用の生地を売っている店もいくつかあり。どの店も大衆的な商品が中心で、ブランドショップは全くありません。
注意:Tuank Abudul Rahman通りに沿ってずっと、広くてきれいな歩道が98年に造られました。ですからぶらぶら歩くのに都合好いのですが、バイクが平気で歩道を走るので注意してください。
Raja Laut通りが終わりになるあたりの所に路地を挟んで2館向き合って建っています。両方とも昔からあるしにせの映画館で、1館がハリウッドとマレー映画中心、もう1館がインド映画専門です。
「クアラルンプールでエコノミーホテルを探す」項目の地図に示したように、Mall付近の5星の2軒を除けば、エコノミークラスとビジネスクラスのホテルが多い、しかもこの数年内にできた又は改修したばかりのホテルが大半を占めます。新しさと値ごろな価格でチャイナタウンの同種のホテルよりずっといいのですが、チョーキットという地名から宿泊する日本人や白人はぐっと少ない。
例えばチョーキット市場近くのビジネスクラス2軒などはホテルもきれいで便利な場所にあるので、お勧めなのですが。
尚古すぎるとか小さな旅社タイプの安宿は地図に名前を示してありません。
バス
Raja Laut通りとTuank Abudul Rahman通りは両方とも交通のたいへん激しい一方通行道路です。ここを市内バスのみならず近郊町へ向かう又はKLに戻る近郊バスも通り、市内バスの集結地の一つなのです、ですからバス便はたいへん便利です。Tuank Abudul Rahman通りのBaturoad当たりに停まるバスは全てPertamaショッピングセンター前を通り、その多くがセントラルマーケット、コタラヤ行きです。
LRTの駅
LRT高架電車の PWTC駅が The Mall 至近にあります。
追記:2011年後半になって、LRTのPWTC駅 と Mall と Pekeliling バスターミナル を結ぶ陸橋が建設された。下の写真はほぼ完成した2011年12月初めに撮影。