日本語に訳せば星が丘という意味のブキットビンタン街は、地形上それほど丘という感じを起させません。丘という意味ならKLタワーのあるあたりのBukit Nanasの方がいかにも丘らしい地形です。
このブキットビンタン街はブキットビンタン通りを中心にして西はそれがプドゥ通りと交差するまで、東はラジャチュラン通りと交差するあたりまでです。これがひし形の上の辺2辺になり、下の2辺がインビ通りにあたります。ひし形の上下の頂点を結ぶ対角線にあたるのがスルタンイスマイル通りです。
このスルタンイスマイル通りとブキットビンタン通りが交差する角に緑色のたいへん目立つショッピングビル Lot10が建ちその一部が Isetanデパートです。ここがこの界隈の中心になります。
このブキットビンタン街界隈は、ゴールデントライアングルと呼ばれるクアラルンプールのビジネス・商業・観光の中心部ですから、昼間の顔と夜の顔があります。スルタンイスマイル通りはブキットビンタン街を突き抜けてずっと続きますが、その通り沿いには高級ホテルがたくさんありますし、ビンタン街周辺にもエコノミーホテルから高級ホテルまで30近くのホテルがあるから、この界隈は旅行者のたいへん多い地区になる。
ビジネス中心地でもありますからオフィスビルと銀行の数には不足しませんし、旅行者相手の公認外貨両替店も数多くあります。
界隈には有名ショッピングセンターとレストラン、屋台街が立ち並んでいますから、昼間のビジネスとショッピングの街から夜はショッピングに加えて飲食と娯楽の街に変身するのです。ひし形左上辺に接する形で屋台大衆食堂街で有名なアロー通りがあり、右下辺のインビ通り周辺にもたくさんの屋台、大衆レストランが営業している。
このアロー通りとその外側のトゥンカットトンシンTengkat Tong Shin通りは古いショップハウスとアパートが並ぶ典型的な下町華人地区です。ですから大衆食堂と屋台、スヌーカーとビデオゲーム場、美容室、中国医、薬屋など華人生活に必須の店店が数多くあります。しかしティンカットトンシンTingkat Tong Shin通りは少しずつ変化し始めて、ビジネスクラスのホテルが90年代の終りに2軒建ちました。続いて2000年に入ってから、新しく洒落たレストラン、ビストロ、カフェが何軒もオープンし、かつての通りのイメージとは変わりました。
インビ通り周辺も華人主体の地区で中華レストラン、大衆食堂と結婚衣装兼写真店が多いのが特徴です。周辺には屋台街が数箇所ある。この両通りは夜になるとがぜん人出が増す地区です。
ショッピングセンターはひし形の中心付近にLot10を始めスンガイワンプラザ、KLプラザなどが固まって建っている。ですからお泊まりのホテルからどこでも歩いて行ける距離で買い物食事が済まされるとても便利な地区がブキットビンタイ街界隈です。
地図(2005年9月初め大幅更新、2009年12月修正)は別刷りでカラー印刷された方が見やすいでしょう。地図中の番号は下記表でホテル名の索引です。
番号 | ホテル名 | 注 | 番号 | ホテル名 | 注 |
1 | Nova | 3星クラス | 16 | The Royal Bintang | 4星クラス |
2 | Corona Inn | 3星クラス | 17 | Federal | 老舗の4星ホテル |
3 | Seasons View | 18 | Capitol | 3星クラス | |
4 | Budget Inn | 安宿 | 19 | Grand Plaza Park Royal | 5星クラス |
5 | Town View | 20 |
Royal Kuala Lumpur (Coronadeから2011年に変更) | 4星クラス | |
6 | Sungei Wang | 21 | J.W. Marriot | 5星クラス | |
7 | Bintang Warisan | 22 | The Regent | 5星クラス | |
8 | Cardogan | 23 | Dorsett Regency | 4星クラス | |
9 | Malaysia | 24 | The Ritz Carlton & Residence |
5星クラス & 高級サービスコンド |
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10 | Agora | 25 | Westin Kuala Lumpur | 5星クラス | |
11 | Shuttle Inn | 安宿 | 26 | Radius International | 3星クラス |
12 | Star Town Inn | エコノミホテル | 27 | Imperial | |
13 | Fortuna | 28 | Berjaya Times Square Hotel | 5星クラス | |
14 | Allson Genesis | 3星クラス | 29 | Comfort Inn | 安宿 |
15 | Melia Kuala Lumpur | 4星クラス | 30 |
Lodge in House Green Hut | バックッパカー用 |
31 | Coconut Guest House | 34 | Cube Hotel | 部屋は高級作り | |
32 | Vila Court Hotel | 35 | Hotel Alibaba | ||
33 | Hotel Bamboo Inn | 36 | V 'la Garden Hotel |
中心にあたるLot10前の交差点に立ちぐるっと周囲を見渡していただければ、ブキットビンタン街界隈が相当部分目に入ります。ここを基準にして、ビンタン通りを下ればStar Hill Gallery があり、反対方向にブキットビンタン通りを歩けば、BB Plazaと商店街になります。交差点を数十メートルほどインビ通り方向に下ればスンガイワンプラザになります。このように交差店周囲の有名ショッピングセンターで買い物・見物し、夜はレストラン又は例えばアロー街の屋台で食事のように、買い物と食事が手軽に楽しめるのです。この交差点をいつも基準にされれば、歩きやすく且つ路に迷うことはないでしょう。
一口アドバイス
マレーシアリンギットへの両替は銀行より公認外貨両替店の方が幾分有利で、面倒な手続きはありませんから、両替店又は銀行の両替専門店をお勧めします。尚円から米ドル、そしてリンギとへ合計2回換えるのは二重両替の手数料を取られますから、日本から円を携帯される事をお勧めします。
ブキットビンタン街の核はいくつかのショッピングセンターですから、順に説明します。
Lot10
旧KL Plaza、改造オープン後 Fahrenheit 88
Star Hill Gallery (2005年中頃改造工事を終えた)
BB Plaza
IMBI Plaza
Plaza Berjaya
Low Yat Plaza
豆知識
マレーシアのショッピングセンター・ビルは4F(4階)という表現を避けるため、おかしな階の命名法を採用している。イギリス式ですから地上階はGF(Ground Floor)になり、その上をUpper Ground Floor(UGF)とする、または本来の地上階をLower Ground Floor(LGF)などとしています。こうすれば本来地下2階と地上4階あるショッピング階部分をLGF,GF,UGF,1F,2F,3Fのように4Fを使わなくて済むのです。尚 4は中国語や広東語の発音で“死”につうずるからです。ほとんどのショッピングセンターは朝10時から夜10時までですが、テントによっては多少遅く開店します。
徹底解剖 Sungei Wang Plaza
完成以来20数年を迎えたスンガイワンプラザは、KL市内外に雨後のタケノコのように増えたショッピングセンターを押さえて現在でも人気度No.1の地位を保持しています。つまりマレーシアNo.1のショッピングセンターでもある。
ショッピングセンターの広さでは新しい巨大ショッピングセンターには適いませんが、様々な客層を常時引きつけており、平日でも充分混んでいるのです。その立地条件の良さだけでなく、上流階層を含んだあらゆる購買層を満足させる豊富なテナントの種類と人気テナントの多さが毎年発表されるショッピングセンター人気度No.1の秘密です。ですから時間が充分なくて他のショッピングセンターを回れない方とか、高級ブランド品以外の物を見てみたいという方は、まずスンガイワンプラザをお勧めします。ここだけ見ても首都圏のショッピングセンターの様子とファッション傾向が大体わかるのです。
スンガイワンプラザは建物自体は古いので、数年前に大改装されたとはいえ、4本もある通路がいずれも狭く見通しの悪いショッピングセンターですが、その分小さなテナントをたくさん収容し、店選択がはば広くなっています。加えて、テナントとしてでなく通路の一部で一定期間商売しているブース式の店がたくさんあります。
ビルの3分の1ほどは有名なデパートであるParkson Grandが占めており、一部の階ではスンガイワンのテナント部分とつながっている。
2003年後半にモノレールが開通して、これまで電車網のなかったブキットビンタン街がより便利になった。ブキットビンタン通りとSultan Ismail 通りが交差する付近にBukit Bintang 駅がある(もちろん高架駅)。BerjayaTimes Square へ行く人は、Imibi 駅で下車すれば、2階と駅出入り口が直接つながっています。この2つの駅は徒歩4分ほど離れているだけです。
スンガイワンプラザ内の食事処
他のショッピングセンターとこの界隈にあるレストラン(Hotel内をのぞく)
BB Plaza
KL Plaza
数百メートルほどの短い通りに多くのエコノミーホテルや飲食店が並び自動車が2重3重駐車をしているごみごみとした通りです。通りががぜん活気付くのは、日中よりも夜なのです。尚日中もいくつかの大衆食堂とごく一部の屋台は営業している。
通りの両側には茶餐店とか飯店とか酒家と書かれた看板を掲げた店がいくつかあり、日中から営業しているのですが、それらの店前の歩道に屋台が店を出し、通り全体がにぎやかになるのは日も暮れる頃からです。茶店と飯店と酒家の厳密な違いはもうほとんどなくなっており、どこでもビール類を供します。屋台で食べ物を注文時についでに聞かれる飲物はよくこの茶店、飯店、酒家から運ばれてくる。
屋台の数は50を超すのですが、一人又は1家族が2つの屋台を営業してるのもある。ですから別のものを注文しても支払いは同じ人にする場合もありますが、普通飲物類は食べ物類と別に請求されます。
この屋台街の場合は、大体自分が注文する店の前当たりのテーブルに席を取ります。あまり離れたところにある屋台からの注文はだめです。屋台料理は一般的な蝦麺、雲呑麺、西刀魚粉、などの麺類、炒飯、炒麺などの炒めもの、歯肉などの揚げ物、カレー魚頭、粥各種など選択は豊富です。また肉骨茶の専門屋台も数軒あります。一般的に酒家か飯店では炒め物一品料理が注文できますが、メニューはないところが多い。
Jalan Alor から Jalan Tingkat Ton Shin へ至る道路 Jalan Changkat Bukit Bintang はいくつもの店と安ホテルまたはエコノミーホテルが増えました(下の写真は2013年10月撮影)。この道路をさらに進むと、パブ、レストランが密集しており、夜間は非常ににぎやかになる。 Jalan とは通りという意味です。
有名な所なら2軒の中国レストラン、Rasa Sayang Shark Finレストランと Overseaレストランです。またマレーシア風に西洋、中国、マレー料理を供する大衆的で人気のレストランSakuraがあります。この通りの裏には肉骨茶、海鮮料理などを専門にしたいくつかの大衆中国料理店があり、屋台ならこの通りからKL Plazaに向かう小道に何軒も並んでいる。
Plaza Berjayaの1階には中国レストランのThai Thongがある。
Lot10の周囲から Star Hilの周囲lまでのブキットビンタン通りの歩道が大規模に改造され、きれいな装飾をほどこされて99年年末に完成しました。この歩道をBintang Walk となずけられ、そこにたくさんのカフェがオープンして毎晩遅くまで人を集めています。 この一帯、通りに面したビル内と路上のカフェとビストロは、実に17軒も営業しています。
Star Hill周辺
T Club, Austin Chase Coffee, Schlotzsky's Deli, Coffee Club Xpress, Deli France, Cesar's Bistro, Marriot Cafe
KL Plaza周辺
Star Bucks Coffee, The Coffee Bean, Planet Hollywood, Star
Lot10周辺
Hagen Dazs, Dome, SanfranciscoCoffee, Secret Recipe,
追記 2011年4月
Bintang Walk 自体は少しづつ変化してきました。2011年Lot 10 周りの工事によって従来カフェがあった辺りが広い歩道だけになりました。
5星。4つ星ホテルはインビ通りとブキットビンタン通り沿いにある。ビジネスクラスとエコノミーホテルが多いのはブキットビンタン通りのBB PlazaからFederal Hotelまでの短い区間とブキットビンタン通りのその区間のすぐ裏通りにあたるアロー通りです。そこだけで10数軒のエコノミー又はビジネスクラスがあるのです。
Star Hillの前のバス停またはスルタンイスマイル通りの香港銀行の斜め前にあるバス停を利用する。