概論
マラヤ鉄道の東海岸線はヌグリスンビラン州のグマスまで一度南下した後、そこから半島縦断する形で北上します、パハン州を横断する前にクアラリピスで停車しそしてクランタン州にはいり、グアムサンで停車しそれから一路クランタン州の北端の町トゥンパットまで線路が続きます。クアラリピスからグアムサンまではタマンヌガラの西端近くを走り、グアムサンからクアラクライまでは、主要国道の8号線からづっと離れた地区に鉄路がひかれているので、この部分は山間ジャングル部分がもっとも多い部分です。
旅行者は夜行に乗る機会の方がずっと多いのですが、昼間ののんびりとした鈍行列車の旅で、沿線のジャングル風景と合わせて楽しみたいものです。
クアラクライ駅を出てGua Musang駅までの多くの駅は、Dabong駅を含めて中長距離バスの通る主要道8号線から外れた地域の村にあるので、鉄道が住民の唯一の足且つ物運びである場合が多い。そのため鈍行列車はたいへんローカル色あふれている。乗客にはおばさん、おじさんとか子供連れの母親それに通学の生徒が多く、クランタン方言の会話がかまびすしい。中には週2回この列車でパハン州まで野菜を行商にいくおばさんも野菜を驚くほど抱えて乗り込んでいる。
西海岸線で使われたお古の車両、中にはそういう冷房車両が連結されている列車もある、のため列車内部も外部も汚いが、西海岸線では決してお目にかかれない土臭い人々の姿を眺める機会がある。それにこの区間は奥深い山野を通り抜けて走るので線路の両側はジャングル風景が続く。夜行列車だけでなくいくらかの区間を日中乗ってみるのもいいものだ。
3等車の外観 クランタン路線のある田舎の駅 車内の物売りおばさん
99年5月4日掲載