ヒンヅー教 Thaipusam タイプサンの風景から
1月31日はヒンヅー教の聖なるお祭りであるタイプサンです。ヒンヅー教の神 Lord Muruganを敬う祭りだそうで、Batu Caves洞窟は今回で102回目です。Thaipusamはヒンヅー歴の Thaiの月間にPusamという星が上る時に祝うそうです。ヒンヅー教徒中でも、南インドのタミールナド州を中心にすむタミール人が特に盛大に祝うそうなので、マレーシアのインド人はタミールが絶対多数派であるマレーシアのインド人界でも盛大に祝われるわけです。
今年99年はそれが日曜日に重なるので、クアラルンプール郊外にあるBatu Caves洞窟、そこにヒンヅー教の Subramaniaswary寺院がある、には数十万人の訪問者があるのではと予想されています。大混雑を恐れて筆者はその一日前の30日午後に行ってきました。
クアラルンプール中心地から Batu Caves行きは通常のバス便、IntrakotaバスとCity Linerバス以外に両社が臨時便を出していましたので、それに乗ってBatu Cavesに行きました。Batu Caves前の道路はバス以外通行止め、そこを含めでBatu Caves一帯はすでに何十という屋台が立ち並でいました、参拝者も結構多いのですが、観光客らしきはそれほど目立ちませんでしたね。
寺院敷地入り口には門が作られ(左の写真)、それをくぐると両側にインド屋台がずっとならんでいます(下の真ん中の写真)。もちろん売られてる物がヒンヅー教徒用ですが、日本のお寺の縁日みたいです。食べ物屋が多い、食事所と甘いインド菓子の販売屋台(下の左写真)が半分を占めるのではと思えるほどです。
それにインド音楽の屋台が道路に向けておいたスピーカーから大音量でインド音楽を流しています。ここだけ見るとここはインドのどこかかな、という錯覚に陥いりそうです。
信者は色とりどりのサリー又は参拝用の衣装(だと思います、黄色が多い)を身につけ、多くが家族連れです。とにかく老若男女、洞窟内の寺院へと272段の石階段を上っていきます。これがヒンヅー教徒の喜びでありその証なのでしょう。右端の写真で信者が肩に担いでいるのが Pal kodum(pal kudam)というステンレス製ミルクポットです。
以前に数回洞窟内まで登っている筆者は人込みで疲れる洞窟上りはパス、あちこちをぶらつきながら人々を眺めていました。時折小型のKavadis(ある種の宗教用具)を抱えて、上の3枚の写真(石階段の遠景、中景、近景)に示した急階段を上っていくグループがあります。観光パンフレットでおなじみの大型のKavadisを見られるのはきっとタイプサン当日なのでしょう。
寺院境内の屋台街の中には参拝手段の必要具を黄色い袋に入れて売っています(下左の写真)。中身を見せてもらった小さなココナツ、それをヒンヅー教徒は道路に叩きつけて割るのです、バナナなどが入っていました。1袋RM3です。
寺院の境内にはテント式休憩所らしきが一個所と休憩所一個所しかないし、ベンチもほとんどゼロ、暑い太陽の日を遮るところが訪問者の数に比して絶対的に不足していますので、人々はあちこちで影を求めて地面に腰を下ろして、飲食したり休んでいます。いくつかのインド人団体が屋台を設け無料の飲物をたくさん配っていますが、腰掛ける所は飲食屋台しかないわけです。
それにしても食べたパック飯の発砲スチロール容器、飲物のビニール袋、ペットボトルなどゴミの散らかり具合、散らかし放題の方が正確かな、だけはいけませんな。(上右の写真)
よく観光写真に載る chariot(山車みたいなもの)の行進とか、体に針を刺した信者の群れは見ませんでしたが、混雑を避けていったためそれは致し方ありませんね。筆者にとってはThaipusam時には初めて訪れた Batu Cavesの風景でした。
99年1月31日掲載
タイプサン一口知識
- Kavadhi: 木又は鉄製の枠組みを花などで飾った祭式用具、これを持って参拝する
- タイプサン時に真の信者であるためには、少なくとも2週間前からベジタリアン食になる必要がある(ただしこの日数は確固とした決まりがあるわけではないようです)、Lord Muruganと Goddes Ammman を褒め称え、寝る時には竹のマット上か又は白い衣装であること、だそうです
- 黄色:ヒンヅー教徒に黄色は縁起がいい色
- ココナツ割り:人間のエゴを壊す事をシンボルしている、1個割れば足りるが、多くのヒンヅー教徒は誤解してたくさん割ろうとする、とヒンヅー教の代表的説明者が語っています
2002年1月追加
タイプサム見物の案内
「旅の掲示板」 に2006年2月4日に書き込んだものです:
クアラルンプールの郊外つまりスランゴール州Gombak地区にあるバトゥ洞窟のヒンヅー教寺院が最大の祝祭場所になることはよく知られていますね。さらに下記のように、他の州の主だったヒンヅー教寺院でも祝われます。
毎年多くの信者が祝祭に訪れることで知られており、タイプサムはマレーシアの観光推進の一つとしても定着していますね。
以下はTourism Malaysia のお知らせから
ペナン州:Chettiar House 寺院、Nattukkottai Chettiar寺院
ケダー州:スンガイプタニの Murugan 寺院
ペラ州:イポーの Sri Maha Mariamman 寺院, Kallumalal Arui Migu Subramaniam 寺院
マラッカ州:Batu Berendam にある Sri subramaniam 寺院
ジョーホール州:ジョーホールバルの Sri Thandayuthabani 寺院
祝祭期間中である2月10日と11日限定の、バツ洞窟とを結ぶ臨時公共交通便
PutraLRT高架電車の最終駅Terminal Putra(Gombak)駅からシャトルバス 6時から24時まで運行
KomuterのSentul駅からBatuCaves駅行きの臨時電車 8時から翌午前3時まで 45分間隔運転
2006年2月掲載