ラマダーン時の街頭バザール光景

Masjid India通りとLorong Tuank Abdul Rahman路地 界隈のラマダーン時の光景


はじめに
クアラルンプールの古くからの中心街であるTAR街に隣接した、Masjid India通りとその隣の路地Lorong Tuank Abdul Rahman界隈はラマダーン時にはRamadan Bazaar になります。インド人街でもある Masjid India通りはもともとある店舗街に加えて歩道の両側に屋台が出店し、狭いLorong Tuank Abdul Rahmanも両側にびっしりと屋台が並びます。土曜日曜は、場所によっては歩くのもたいへんな大混雑を呈するのです。

下左写真は通りの上方に掲げられたHari Raya Aidilfitriの到来を待ち望む大きな看板とシンボルです。ラマダーン開始を祝ってこの通りの端に設けた仮設ステージ場で小さな催しがありました(11月18日)。そのプログラムの一つが Teh Tarikグループの音楽に合わせた演技です(下右の写真)。

  

この通りのもう一方の端の光景です(下左の写真)。この短い通りとそれと平行したLorong Tuank Abdul Rahman裏通りにはたくさんの屋台が出て、ラマダン月の商戦を展開しています。夕方ですから飲食物を売る店ががぜん活気よくなります。下中の写真はラマダーン時につき物の、ナツメヤシの実を売る店です。1KgあたりRM16がどうやらこの一帯の標準値段のようですが、決して安くないですね。花を売る店が固まっている一画もこの通りにはあります(下右の写真)。

    

2001年11月19日掲載


続・Masjid India通りとLorong Tuank Abdul Rahman路地 界隈のラマダーンバザール光景と女性のファッション


ハリラヤプアサがあと1週間ほどに迫った12月8日の夕方、この界隈を訪れてその活気ぶりを写して来ました。

    

まずなにはともあれ、その日の断食開け用(Buka Puasa)の料理を売る屋台が目に付きます。上左、上右、下左、下中の写真にその料理の展示と販売方法がよくうかがえますね。客はたくさん並んでいる中から好きな物を指差しまたは口頭で伝え、それを容器に詰めてもらい持ち帰ります。よく見かける料理には Ayam percik, rojah buah, udang masak tempoyak などがあります。下中に写っている白い容器が持ち帰り用の発泡スチロール容器です。この界隈に限らず、多くのムスリムはこういう店・屋台で持ちかえり食にします。尚この写真の屋台は全て持ち帰り専用です。上右はIkan Bakarつまり焼き魚です。
ほとんどがムスリム客の中、珍しく帽子を被った半袖姿の女性が上中の写真に見えますね、相当な確率で外国人旅行者だと思います。

    

比較的はっきり写っている人物写真に注目してください、上右の2人と下右の後姿の2人は、典型的なムスリム女性の外出服装です。この界隈にやって来る女性は圧倒的にトゥドゥン(頭からあごまですっぽり覆うスカーフ)姿が多いです。若いマレー男たちは下中に写っているように、バイクでこういう界隈にやって来るのも多いですね。下左では軽四輪の荷台を改造して移動屋台にし、ココナツジュースを売っています。下右で写っている屋台はカバン屋ですね。こういうアクセサリー、装身具を売る屋台も並んでおり、マレー女性の好きなブローチ(kerongsang) の販売屋台も出ていました。

    

下左は甘く色とりどりなマレー菓子(Kuihと呼ぶ) の屋台です。筆者も買いましたよ。よりどりみどり3個で1リンギットです。下中は典型的なスタイルのマレーおばさんの写真で、背景はバティック布売りです。下右は軽4輪トラックの屋台を改造した移動屋台、ハリラヤにつき物のクッキーを詰めた容器を売っています。

   

下左はマレー男性の帽子であるソンコック(songkok)ばかりを並べた店。ムスリム男性はソンコックを被り、シャツにあたるbaju melayu を身につけます。下中は花屋さん。下右はバジュクルンやバティック布売りの店の外で品定めするヤングマレー女性と連れの男。いずれも学生かそれと同年代のヤングです。このバザールに出店している数百の屋台は、食品、衣服、アクセサリー、日用品、花などを所狭しと並べて売っています。

    

下左の奥に写っている屋台は多分違法コピーVCDも売っているVCD屋です、今回はこういうVCD屋台は当局の取り締まりの結果、減ったように思えました。VCD屋の手前は食品の店。下中は地面にビニール布を敷いて、そこに無造作にシャツ類を並べて売っています。こういう販売主、写真では足だけが見える男、は多分出店の許可証を持っていないはずです。下右は2人のヤングマレー女性。ジーンズは彼女たちの大好きな服装です。

    

下左はトゥドゥン姿を真横から撮った写真です。下中は買い物を終えて手に物を下げた2人のヤングマレー女性です。こういう年代のマレー女性には、この写真のようなファッションが極めて一般的です。Masjid India通りの混雑ぶりを少し高台から写したのが、下右の写真です。多数がマレー人中心のムスリムで多少インド人が混じり、華人の姿は物売りの一部を除けば全く見かけません。外国人旅行者の姿はまずありません。

   

この人並みと屋台の賑わいはハリラヤ前日まで続くことでしょう。


付録の写真


   

上の2枚の写真は別の日の夕方、カンポンバル地区で撮ったものです。白い袋に入っている食物は粥です。断食開け食として好まれるこの粥(bubur lambukという)はカンポンバル地区のそれが有名とのことです。

2001年12月9日掲載