マレーシア中が,1月28日からの中国正月(写真は中国正月の飾り)と30日からの(断食月明けの)ハリラヤプアサを祝福しています。今年は3年続く2重休日 Gongxi Rayaの最後の年です。
中国正月もハリラヤも旧暦つまり太陰暦に基づいていますが、中国暦は農業に使うための農暦と呼ぶように、数年毎に閏月を挟むので、中国正月は太陽暦の1月と2月の間に必ずありますよね。
かたやイスラム暦は閏月などありませんので、太陽暦の中をどんどん逆に進んでいくのです。ですからハリラヤがクリスマスに重なりそのうちに夏に行われることになります。確か30数年後に1周してきます。
又同じ旧暦でもひと月の初めの考え方が、理論的な月が出ない日から始める農暦と、新月が観測されたら月の初めとするイスラム暦とは違いますので、月初が食い違うことにもなり、面白いですね。(右の写真:新年を祝う垂れ看板)
中国系マレーシア人は中国正月に合わせて少なくとも1週間は休むでしょうし、マレー人はハリラヤプアサに合わせて最低1週間は休暇ですので、マレーシア人口の8割以上が休みに入ることになります。そして都会から地方、田舎へと里帰りしてしまうのです。
したがって工場もオフィスも店も働く人がほとんどいなくなってしまうので、結局全部お休みなのです。もちろん警察や交通機関関やホテル関係者は働いてますが。
クアラルンプールに残った人はしばし静かな一時を味わうのです。
(左の写真:ショッピングセンター内でマレー料理の実演)
耳学問ながらこの年中行事を少しばかり説明してみます。
中国正月は、日本で正月を伝統的に祝う方法と違いはあるものの、基本的にそんなに変わらないのでは、というのが筆者の印象です。正月前に大掃除し、いろんな物を買い、お祝い料理(献立は違いますが)を準備します。大晦日は、都会に行った者を含めて家族全員が集まって晩餐を食べます。これが家族の絆を固める確かめる機会でもあるそうです。そしてゲームしたりテレビを見たりして午前0時を待つのです。伝統的スタイルだと新年の到来を爆竹などで祝うのですが、今は禁止されています。
元旦は子供たちはそれに未婚の青年も、アンパウ(紅包)という現金入りのお年玉袋をもらうのです。午後からは親戚友人を訪ね又は訪ねられるのです。これが2,3日続きます。さらに中国正月が正式に終わる15日、Chap Goh Mehと呼ぶ、まで知人親戚訪問をしてもよいそうです。この中国正月最終日に、最後の盛大な獅子舞が中国人居住地で行われます。
普通は単にハリラヤと読んでいる Hari Raya Aidil Fitri は、ラマダンが終わってイスラム歴10番目の月の開始を祝う休日です。苦しい(と思われる)断食月が終わったから、なおさらお祝い気分が盛り上がるようです。ラマダン月はムスリムの義務である Zakatを収める月でもあるのです。
ムスリムはハリラヤAidil Fitri 開始の朝モスクで祈りをささげ、その後身内の墓を詣でるそうです。このハリラヤに合わせて家族再集合のため里帰りするのは中国正月と同じです。おかげでクアラルンプールはずっと静かになります。そして家族全員が集まり絆を確かめ合い、過去のいさかいを許しあうのです。この時年功順に若い者が年寄りにぬかずくシーンをみます。
モスク、家々、そして政府の建物などはきれいに電気の光で装飾されます。お祝いは3日間ほど盛大に続き、オープンハウスといって、友人近所親戚が自由に訪れ挨拶をかわす一種のパーティを開きます。そこでマレー伝統お菓子類が振る舞われます。これらは理屈上はその(イスラム)月の末まで続けてもよいそうです。
こういう機会に招待されれば、マレーシア滞在がもっと意味多いものになるかもしれませんね。