Langsat は読者の皆さんには多分なじみのない果物でしょう。原産地東南アジアですからマレーシアでももちろん採れます。ランザットが木になっているのを見たことはありませんが、ぶどうのように房状になっています。大きさもそうですね、マスカットぐらいの大きさで皮の厚さもそれぐらいです。Langsatが熟してしまうと房から落ちてしまうそうです。
写真でおわかりような茶色というより薄い壁色のような色です。ちょうどつぶの大きなぶどうの皮をめくるように、爪と指でランザットを1個1個剥きますが、その時水分がでてきて指につきます。
その水分がたいへん粘っこくてまるで接着剤が指についたかのような感覚です。このねばっこさは石鹸でよく洗わないととれないのです。これがこのランザットの唯一の難ですね。
味は甘く幾分酸味があるのもありますが、水分が多いせいでしょうか、喉にスムーズです。
栽培技術上種なしランザットになっていますが、時に種の痕跡が果実のなかに残っていてこれを噛むとものすごい苦みが口いっぱいに広がります。そんな時は次のランザットを急いでむいて、甘い果実を口に含めばいいのです。
果実は5つに分かれていますが、境界は普通はっきりしませんし、皮がきれいにむけないこともよくあります。Lansatはマレーシア語名ですが英語でもこう呼びます。親戚の果物にDukuがあります。
尚 Langsatの木の樹皮は下痢の治療とさそりの刺し傷に用いられるそうです。
98年7月