「今週のマレーシア」 2010年4月から12月分のトピックス


・ 自由旅行者にも滞在者にも多いに関係ある、交通事故の危険性をよく認識しましょう
・ 数字で見たマレーシアシリーズ - その35  ・ 蜜柑と金の相似性から華人の伝統的観念を説明し、ついでに声調言語の入門の入門 
Intraasia の雑文集 −2010年上半期分



自由旅行者にも滞在者にも多いに関係ある、交通事故の危険性をよく認識しましょう


はじめに

海外旅行でしいて何が最も危険率が高いかといえば、強盗のような犯罪に遭うことでも、摂取した飲食物によって病気にかかることでもなく、交通事故に遭うことなのです。この点を昔からIntraasia は折に触れて説明してきましたので、このコラムでも書いておきます。

ある人にとって海外旅行でのリスクはその人の旅行スタイルに大きく左右されますから、全て団体行動であり、一流ホテルに泊まり一流レストランで食事、ほとんど自由行動なく添乗員付きバスやバンの行動であれば、いろんな面でのリスクは当然一番低くなることでしょう。それでもリスクがゼロにならないことはおわかりですね。この種の旅行はIntraasia の行動スタイルの対極にある旅行であり、Intraasia が論ずることはありません。

Intraasia のホームページで対象にしてきたのはマレーシアを主とした東南アジアの自由旅行者であり、次いでマレーシア在住者です。自由旅行者といっても幅はかなり広いですが、とにかく団体旅行参加ではないということです。こういう自由旅行者にとって、行動する中で、なんらかの危険に遭うこと当然あります。100%安全などということはありえないので、誰であれ、もちろんIntraasia自身を含めて、なんらかのリスクはあります。しかしそのリスクのことばかりを気にしていてはなんのための自由旅行かわからなくなりますね。  在住に役立つページにある、【続・海外生活体験素人だけど、マレーシアにロングステイをお考えの方のために】の項目内で、マレーシアの犯罪率ののことに触れましたので、参考にしてください。

そこでマレーシアに滞在する・住む方たちの場合も、自由旅行者の場合と基本的に同じであると言っても間違いではないでしょう。
マレーシア(他の東南アジア国も含めて)に滞在する・住む以上、個人の行動スタイルから多かれ少なかれの違いは当然でてきても、自由行動自体は当たり前となりますし、それなくして滞在の意味がなくなってしまいます。日本人がたくさん固まって住むコンドミニアムからほとんど出ることなく、ロングステイする・するつもりという方であれば、当ホームページを開いたり、その内容に興味を持つことはないでしょう。当ホームページの対象は、旅行面での自由旅行者と同じように、滞在においては自由行動される・するつもりである滞在者です。

比較的リスクが高いのは交通事故

さて日常の行動、そしてマレーシア国内の小旅行において、何が比較的リスクが高いといえば、それは交通事故ですね。札付きの犯罪高率発生地区、つまり空き巣や強盗事件が頻繁に発生している、その中で比較的多いのが都市部近郊にある新興住宅地です、地区に日本人ロングステイ者がわざわざ住居を定めるようなことはまず考えられません。 日本人ロングステイ者は都市部であれば、コンドミニアムが圧倒的に第1選択であり、次いで犯罪のごく少ない中流住宅地での土地付き住宅でしょう。ほとんどの田舎は、交通などの面で不便であっても、都市部よりずっと犯罪発生率が低くなっていますので、田舎の土地付き住居にお住まい・住みたいロングステイ者はこの面でのリスクはずっと低くなりますね。田舎は近所の皆が顔見知りとなる緊密なコミュニティーですから、都会型の犯罪は起こりにくいわけです(といってゼロではない)。

Intraasia はホームページの中で長年、マレーシア社会における交通マナーの悪さを批判してきました。基本的にマレーシア人は交通マナーを重視しません、というかそういう社会慣習がまだ出来上がっていません。このため西欧米人のマレーシア滞在者が交通マナーの悪さを嘆く、批判する投書類をよく目にします。その観点はIntraasia とほぼ同じです。これは西欧米国や日本の社会における、交通マナーと交通規則遵守風潮を経験している者であれば、当然起きてくる反応といえます。

自動車化時代がマレーシアより遅れて始まった国、例えばカンボジアやインドネシアはもっと交通マナーが悪いのだから、マレーシアの現状に我慢するべきだなどというふざけた論理にはIntraasia は到底賛成できません。マレーシア社会には国の発展度に見合った、交通規則遵守と交通マナー重視の風潮が出来上がってないからこそ、西欧米人や日本人はマレーシア社会の交通規則軽視とマナーの悪さを批判するのです。

バイク乗りの性質の悪さは際立っている

マレーシアの特徴として、タイやインドネシアより性質が悪いといえる、バイク乗りの他人を危険に巻き込む自己中心振舞いがあります。渋滞道路でのジグザグ走行、無理な追い越し、スピード違反はバイク乗り自身が被るであろう危険を伴っています。文字通り横行であり決して数少ない行動ではない、バイクの一方通行の逆走行と赤信号無視の横行は、歩行者を直接巻き込む危険性を常に伴っています。ですから性質が悪いのです。最悪は歩道を走行するバイクの多さです。日本の都会で歩道を走行する自転車の多さに驚きますが、これと同じようにマレーシアでは都市部の歩道をバイクがごく当たり前に走行しています。これは歩行者を危険にさらす危険度の高い行為ながら、警察は全く取り締まりません。

その他にも、自動車が右左折時に指示ランプを点けない、車間距離が非常に不充分である、道路での二重駐車の多さなどなど、あげればきりがありません。これらは全てマレーシア社会に交通事故の危険性を高度の危険度と捉える社会慣習・認識ができていないことに起因します。ですから交通事故で死亡させても、免停や免許取り消しに即なるわけではない、飲酒運転で即免許取り消しにならない、交通違反金を滞納した人たちを”救済”するために警察や官庁が罰金割り引きキャンペーンを展開するなどといった、非常に緩い処罰と寛大な処置が未だに続いています。

それでは交通事故に関する統計をご覧ください。現在の 6745人という数になる前に、恐らく10数年間ぐらいに渡って、毎年の交通事故死者数が 5、6千人前後ありました。まずこれだけでも事故の多さがおわかりでしょう。死者の背後にはその5倍にも10倍にもなる交通事故負傷者がいるわけですから、5、6千人前後という数は非常に重みを持つ数字です。

マレーシア道路安全研究所のまとめた統計

内容
2009年
1999年
1万台当たりの交通事故死者数
3.55人
5.83人
人口10万人当たりの交通事故死者数
23.83人
25.5人
10億自動車キロメートル当たりの交通事故死者数
17.28人
26.79人

総人口と自動車台数:         2009年 2831万人で 1900万台、 1989年 1740万人で 415万台、 
交通事故総数と交通事故死者数: 2009年 397,330件で 6,745人、  1989年 75,626件で 3,773人

世界保健機構の 登録自動車1万台当たりの交通事故死者数番付によれば、マレーシアは 172か国中46位とのことです。この順位はインドネシア、ベトナムより良いが、中国より下とのことです。

交通事故に対する社会的捉え方が生み出している

自動車台数の飛躍的増加にも関わらず、交通事故発生件数と死者数はそれと同じ比率ほど増えてはいないという、奇妙な主張がマレーシア国内にあります。この種の論理を展開する側の責任回避なのか、人命尊重意識の低さなのか知りませんが、まともに相手にする論議とはいえません。死亡や重体が生じた交通事故を過失で起こした運転手の免許証を取り上げるのは、その人の生活の糧を奪うことになり反対だという論理がまかり通っています。交通事故で相手を死亡させれば、それはある種の殺人なのに、なぜこれほど刑罰が軽いのだろうか。 こうした現状を知れば、マレーシア社会は交通違反と事故をある種の犯罪ではなく不可避のできごととでも捉えているあり方がわかります。

いずれにしろ人口 2千7、8百万人の国で交通事故死者数年間 6千人から7千人という数は、日本人であれば誰でも多すぎると感じることでしょう。マレーシア社会の交通規則軽視とマナーの悪さを批判だけしていてもことは解決しません。こういう現状を踏まえて、自分自身で交通事故に遭わない行動に心がけましょう、というしかないですな。

飲食に起因する病気の深刻さの低さ

ところで上記であげたリスクの1つ、”摂取した飲食物によって病気にかかる”ことは、強盗などの犯罪や交通事故に遭うことに比べれば、発生率の面からではなく、重大さの面からこの両者をずっと下回る、深刻度の低いリスクです。摂取した飲食物によって病気にかかることは、クアラルンプールのような大都会にだってもちろんあります。これまで Intraasiaは軽い食中毒並みのひどい下痢をクアラルンプールで2回経験しています。対象を東南アジアの他国に広げれば、かなりひどい下痢は4,5回は経験しています。東南アジアを広範囲に町部から僻地まで歩いてきた旅人として、ある意味では避けられないことと言えますが、あの苦しさは二度と味わいたくないとその都度強く強く思いました。

深刻度の低いリスクという判断を説明しましょう。重い下痢やデング熱といった病気は時間の猶予があります、つまり交通事故のような一刻を争う危険性はまずありません。その面で深刻度は落ちるということです(リスクが低いからあまり注意を払わなくてよい、ということではありませんよ)。とりわけ都会であれば医院や病院がすぐ近くにありますので、身体的苦しさはなくなりませんが、交通事故よりはるかに深刻さは減るということです。 Intraasiaは東南アジアの僻地も数多く旅してきたので、例えばスマトラのアチェ内陸部など、多少まともな医者のいる町まで半日は十分にかかるような不便な地も訪れました。そんな僻地だと食中毒症状になったら命にさえ危険を及ぼしますが、その種の行動をされる方は当ホームページの読者にはまずいらっしゃらないでしょうから、考慮する必要はないと言っておきます。

要するに交通事故には十分に気をつけましょう

ということで、とにかく交通事故が一番危険度が高いのです。日本と違って電話したら救急車がすぐ向かえる来るような地は、東南アジアには稀有です。クアラルンプール市内でも事故現場に居合わせた人が車で病院へ運ぶ場合の方が、救急車では運ばれるよりも多いのです。事故は時間の猶予がないからこそ、深刻度が高いのです。 マレーシアでは交通事故に多いに気をつけましょう。



数字で見たマレーシアシリーズ - その35 


これまで断続的に掲載してきた 数字で見た シリーズです。マレーシアに関する様々な統計数字を掲載しています。ここでは、数字を視点にしてマレーシアの諸面を知ってください。

【人間に関する数字】

出生数、死亡者数、
2009年に国内で出生した赤ん坊の数は 516,645人でした。2008年より 2万人ほど増えました。 州の中で最多はスランゴール州で、80,110人、次いでサバ州が 60,190人、ジョーホール州が58,597人、でした。2008年の数字をみると、76,032人、ジョーホール州 58,517人、 サバ州 51,773人でした。

2009年に国内で死亡した人の数は、129,922人でした。2008年より 6500人ほど多い数です。死亡者数最大の州はスランゴール州で 16,494人、ジョーホール州 15,749人、ペラ州 15,467人です。以上 国民登録庁が記録している数字です。

出生率、世帯人数 (統計庁が発表する数字による)
2007年の人口は 2,717万人でした。2008年は 2,773万人に増え、2009年は 2,831万人に達したと推定されます。 
1000人あたりの粗出生率: 1991年 27.9人、  2006年 19.0人
世帯の平均家族数: 1991年 4.8人、  2006年 4.2人

【経済面の数字】

外国からの直接投資の流れ

単位は米ドル2004年2005年2006年2007年2008年2009年
マレーシアに流入額$46億$39億$60億$84億$80億
マレーシアから流出額$20億$30億$61億$110億$140億


経済成長率の比較
国内総生産高の伸び率は一般に経済成長率とみなされています。1997年と8年はアジア経済危機が起きた年です。 そこでその経済危機の前の経済成長率とその後の経済成長率の比較です。
経済成長率比較
期間中の
経済成長率
中国マレーシア シンガ
ポール
ベトナム韓国台湾 インド
ネシア
タイインド米国日本平均
1990年から
1997年まで
11.5%
9.1%
8.6%
8.4%
7.2%
7.0%
6.1%
5.5%
5.4%
2.0%
1.6%
6.0%
2000年から
2008年まで
10.0%
5.5%
5.4%
7.5%
4.9%
3.8%
5.2%
48%
7.0%
2.4%
1.5%
5.0%


広告額
2009年の広告支出額に関する調査を、調査会社のNielsen Co Malaysiaが発表しました。
2009年の総広告支出額は対前年比 7.4%増のRM 66億2千万でした。広告を載せる媒体別に分けると:
1位 新聞 RM 34億(2.6%増)、 2位 テレビ(衛星TVは含まず) RM 24億 (13.2%増)、 3位 ラジオ RM 3億6千万(24%増)、 4位 雑誌 RM 1億4千万(マイナス11%)、5位 屋外広告 RM 1億1千万 (17%増) 以下 店舗販売場所、インターネット、映画  

企業別支出額 トップ 10
1位 Procter & Gamble RM 1億9千万、 2位 Unilever RM 1億7千万、 3位 Celcom RM 1億1500万、 4位 Galxo SmithKline RM 1億1千万、 5位 Nestle RM 1億、 6位Telekom Malaysia RM 9400万、 7位 保健省 RM 9000万、 8位 Maxis RM 9000万、 9位 DiGi RM 8700万、 10位 KFC RM 6800万

経済成長率
2009年の四半期毎の経済成長率は、 第1 マイナス6.2%、第2 マイナス3.9%、第3 マイナス 1.2%、そして第4が プラス4.5%。この結果、2009年のGDPの伸びつまり経済成長率は マイナス 1.7%ということになります。

低所得世帯の定義
2010年1月に政府が公表した、政府変革プログラムに記載されている内容です。


パームオイル
マレーシアはインドネシアに次ぐ世界2位のパームオイル生産国です。 2008年は1773万トンでしたが、2009年は1756万トンでわずかに減りました。今年のエルニーニョ現象で今年のパームオイル生産高は減るだろうと、マレーシア農園業主協会は推測している。

マレーシアのオイルパーム農園
植え付け総面積 430万へくタール: 内訳 サバ州 1278244ヘクタール、 サラワク州 664612ヘクタール、半島部 2362057ヘクタール  
成熟樹に限った総面積 306万ヘクタール:内訳 サバ州 1151698ヘクタール、 サラワク州 103678ヘクタール、半島部 1810228ヘクタール

【ビジネス国際比較】

事業を営む 2010年報告書 -国際ランキング   出展:世界銀行

事業の
し安さ
事業を
始める
建設許可を
得るための交渉
不動産を
登記する
国境を越えて
取引する
契約を
実行する
シンガポール
1位
4位
2位
16位
1位
13位
香港
3
18
1
75
2
3
米国
4
8
25
12
18
8
英国
5
16
16
23
16
23
タイ
12
55
13
6
12
24
日本
15
91
45
54
17
20
韓国
19
53
23
71
8
5
マレーシア
23
88
109
86
35
59

世界銀行の調査基準が公平なのか? 適切なのか?という問いかけは当然でてくるでしょうが、マレーシア以上に日本の順位は興味あるところですね。

【犯罪と事故関連】

違法タバコの多さ
British American Tobacco マレーシア会社がまとめたマレーシアにおける違法タバコの比率
2004年: 14.4%、 2005年: 17.6%、 2006年: 21%、 2007年: 23.8%、 2008年10月から12月:27.5%、 2009年6月から8月: 38.7%

マレーシア道路安全研究所のまとめた統計

総人口と自動車台数: 2009年 2831万人で 1900万台 事故総数 、1989年 1740万人で 415万台 事故総数 
交通事故総数と交通事故死者数: 2009年 397,330件で 6,745人、 1989年  75,626件で3,773人

世界保健機構の 登録自動車1万台当たりの交通事故死者数番付によれば、 172か国中 46位とのことです。この順位はインドネシア、ベトナムより良いが、中国より下とのことです。

麻薬
外国で麻薬運び人として逮捕されたマレーシア人の数 - 外務省調べ
2008年 78人: 性別では男性 45人、女性 33人、民族別ではマレー人 35人、華人 29人、インド人 11人、その他 3人
2007年 107人: 性別では男性 55人、女性 52人、民族別ではマレー人 40人、華人 49人、インド人 14人、その他 4人
2006年 45人: 性別では男性 40人、女性 5人、民族別ではマレー人 9人、華人 32人、インド人 4人、その他 0人
2005年は男性 2人と女性2人、2004年は男性 30人と女性 1人。 2007年から女性の数が急増しています。

2007年: 麻薬使用者総数 14489人、内男性 14141人 女性 348人、 内初犯者 6679人 再犯者 7810人、
2008年: 麻薬使用者総数 12352人、内男性 12076人 女性 276人、 内初犯者 5939人 再犯者 6413人、
2009年: 麻薬使用者総数 15736人、内男性 15458人 女性 278人、 内初犯者 7123人 再犯者 8613人、

麻薬使用者において好まれる麻薬の種類をみると、最多は全体の約3分の1を占める ヘロインです。 最近は合成麻薬の シャブ、クタミン、エクスタシーなどが増えつつある。

危険麻薬法を適用されて逮捕されたものの数
2007年 100、328人、 2008年 105、618人、 2009年 125、620人

危険麻薬法の39条B違反で取調べを受けて逮捕された者の数
2007年 2080人、 2008年 2572人、 2009年 2955人

警察への届け出に基づく犯罪統計
2007年: 総犯罪数 209582件 その内財産犯罪 174423件、 人身犯罪 35159件、 人口10万人あたりの犯罪率 767
2008年: 総犯罪数 211645件 その内財産犯罪 173828件、 人身犯罪 37817件、 人口10万人あたりの犯罪率 767
2009年10月まで: 総犯罪数 211184件 その内財産犯罪 169914件、 人身犯罪 41270件、 人口10万人あたりの犯罪率 746

財産犯罪とは窃盗、ひったくり、車バイク盗み、空き巣など、  人身犯罪とは殺人、強盗、暴行、強盗など

【保健面の数字】

政府の負担する医療費と割合
2006年: 保健省が支出した医療費総額  RM 92億、 政府が保健省に割り当てた予算総額  110億、 その割合 83%
2007年: 保健省が支出した医療費総額  RM112億、 政府が保健省に割り当てた予算総額  135億、 その割合 83%
2008年: 保健省が支出した医療費総額  RM 130億、 政府が保健省に割り当てた予算総額  162億、 その割合 80%

2007年の場合、国内総生産高に占める保健省が支出した医療費総額の割合は 4.7%でした。これに民間医療機関の医療費総額を加えると、国内総生産高に占める割合は 6.9%に増えます。
国内に国立病院は130ほどあります、このうち2000年以降新たに建設した国立病院は22 です。

【学校教育面の数字】

SPM試験2009年の結果
2009年このSPM試験を受けた生徒は 465,853人であり、その内 全体成績としてSPM 修了(つまり基準点以上を取った)となる生徒数は 36万4千人です。 修了者の内、受験した全科目で基準点以上を取った生徒は 19万9千人でした。

【家族と婚姻】

国家人口と家族発展審議会が、2000年から2007年までの対象期間における婚姻などの傾向を調査しました。この結果、10年前に比べて婚姻数が減っています。

マラヤ大学の準教授は解説する、「 民族毎に婚姻傾向にかなりの差がありますが、一般傾向として結婚年齢が遅くなっていること、結婚しない人の増加です。女性は教育と仕事キャリアを期待することで展望が広がっている、それらが結婚と競合することになる。伝統的に、女性は自分と同等の教育程度の男性と結婚する傾向があります。

半島部における男女別の結婚しない理由 −国家人口と家族発展審議会の調査


非嫡出子の数
(国民の出生死亡と身分証明書発行などを扱う役所)国民登録庁によれば、(マレーシアの法律上の定義における)非嫡出子出生の数がこの5年間で11万人ほどになります: 2005年 22512人,  2006年 24139人,  2007年  21648人,  2008年 17963人,  2009年 22937人、

【その他の数字】

ハラル認定証の発行
マレーシアで Halal 認証を発行しているマレーシアイスラム教発展庁(Jakim)が明らかにしている数字です。
2009年にJakim が受けた halal 認証の申請数: ブミプトラから  622件、 非ブミプトラから 1285件
2009年にJakim が発行した halal 認証の数: ブミプトラに  301件、 非ブミプトラに 886件



蜜柑と金の相似性から華人の伝統的観念を説明し、ついでに声調言語の入門の入門


2010年1月16日付け「新聞の記事から」で中国ミカンの季節 という記事を載せました。それから抜粋します。
以下記事
(旧正月が近づいて、ショッピングセンタや店舗では中国ミカンが既に並んでいます)
中国と東南アジア諸国連合の間で今年1月1日から、アセアン-中国自由貿易地域協定が発効しましたので、今年の中国ミカンは昨年ほど急激な値上がりはないものと期待されています。
輸入業者は、旧正月後にミカンが売れ残ることを防ぐために量を減らしているとのことです。 クアラルンプール果物卸し協会の議長によれば、中国からのミカン用コンテナ1本の値段はUS$1500 ぐらいです、去年はUS$1200でした。「この差はリンギットでいえばRM 1,000ぐらいです、ミカンの箱を昨年よりRM 2 ほど見栄えよくしているわけです」 「市場は未だ静かです、月末に活気が出てくるでしょう」 人気あるミカンは福建省の 永春地方からのミカンです。

Intraasia 注: 一般に ローカム と呼ばれるミカンが人気ですが、あのタイプでも種があったり酸っぱくて、正直言ってあまり美味しいとはいえません、毎日食べてる中国フジリンゴの方がよっぽど美味しいです。でもこう思うのはIntraasia だけのようで、華人はミカンを縁起物としてみるので、そうは捉えませんね。
以上は記事

そう、縁起担ぎが伝統文化と言ってもおかしくない、華人界はまことにこの中国ミカンを好みます。旧正月時期になるとこれまでにも当サイトで何回も説明しましたように、ミカンが取り分け好まれるのは、ミカンの色が黄色つまり”黄金”色であること、及びミカンの発音が ”金”に似ていることの理由からと言われています。

現代マレーシア華人が好む中国ミカンは、上で書いたように 「ローカム」 です。中国漢字で 芦柑 と書きます。台湾などで使われている繁体字では、蘆柑 と書きます。華語(日本では中国語と呼ぶ)を習った人なら、ピンインで lugan と表記することを知ってますね。lu は上がり声調、gan は無気音で第1声調です。 ”金” は華語で jin とピンイン表記し ジン と発音します。つまり lugan はカタカナ表記の「ローカム」とは似ても似つかぬ発音なので、どうして? と思う方がほとんどどでしょう。

音声学による説明

これを説明するにはちょっと理屈っぽくなりますが、あしからずです。
まずピンインをカタカナで表記しても、華語の原音からは外れてしまうのは当然です。日本語は声調言語ではないこと、日本語に有気音と無気音の区別がないことがこの場合主たる理由になります(厳密にはもっと他にも理由があります)。 華語(日本では中国語と呼ぶ)のピンイン lugan をカタカナ読みすれば 「ルーガン」となりますが、こう発音しても、それは華語の発音ではありません。ルー は日本語にない "l" 音であり、ガン は日本語の ガギグゲゴ という濁音ではないからです。 ここで ガ は[k] という子音を無気化した音価を持っています。 言語の嫌いな人はこの説明を読んだだけで投げ出されるのかな(笑)。 まあ、そうはいわずに最後までお読みください。

日本語は[k] [t] [p] の子音を濁音と清音で区別しますが、華語も広東語も福建語も全て同じであるのは、有気音と無気音で区別するということです ( [s] 及び [p] 破裂音については省きます)。 [k] の無気音を ga または ka と書くあり方が多いのですが、これは絶対的な規則ではありません。同様に [k] の有気音を kha と書く場合もありますが、これも絶対的な規則ではありません。ある言語の音を正確に表記するのは、国際音標文字(IPA)だけです。これはいわゆる発音記号のことですが、英和辞書に載っているのはその一部です。

有気とは [k] や[t] を発音する際に、息を出しながら発声するのでこういう名前であり、反対に無気とは発声時に息をはかないということです。この有気と無気の区別は、声調言語で非常に重要です。これを区別して発音しないと、通じない発音になってしまいます。日本語で区別しないから発音できないなんてことは全然ありません。 正しい練習法で気長に練習すれば、ちゃんと区別できるようになります。まあ音が自然に出てくるには、半年ぐらいはかかるでしょう。

華語や広東語、タイ語やラオ語、ベトナム語といった声調言語にはこの有気音と無気音 の区別が必須です。無数にある中から例を上げれば、タイ語で カーカーフェー(コーヒーの代金という意味)の場合、最初の カーは有気の [k]、 次の カー は無気の [k] です、なお声調が違います。広東語で おー寒い は hou dung(好凍)であり、 おー痛い は hou tung (好痛) です。1番目は 無気の [t] であり、2番目は有気の [t] です。声調はどちらも同じなので、有気音 と無気音を正しく区別しないと意思が間違って伝わってしまいますね。 ベトナム語の thu'tu' (第4のという意味)では、最初の thu' は有気の[t] であり、2番目の tu' は無気の [t]なのです、尚声調記号は入力できないので省いています。

日本語の「学校」は濁音の [g] であり、「格好」は清音の[k] であると意識しながら発音する日本人は皆無ですね。なぜなら育つ時に親や周囲から矯正されながら体得したからです。 無気音と有気音の区別も同じことです、正しい練習法で訓練することが必要なのです。声調言語を学んでみようという人は、最初にこのあたりをしっかり体得しましょう。

ところで無気音と有気音の区別は声調言語だけにあるのではありません。非声調言語の中にもこの無気音と有気音区別をする言語があります、例えばヒンズー語です。ヒンズー語は有声音と無声音の区別があり、加えてそのそれぞれに無気音と有気音の区別があります。例:無声音 [t] に無気音と有気音、有声音 [d] に無気音と有気音があり、それぞれ違った文字を割り当てています。

芦柑(蘆柑) が ”金” となる理由

さて話は戻ります。なぜ  芦柑(蘆柑) が ”金” となるかです。”金”を広東語では gam と高平ら声調で無気発音します、カタカナで表記すれば ガム ですが、上で説明したように原音とは違います。広東語でミカンは ”柑” gam 、これも高平ら声調で無気発音します。つまり ”金” と”柑” は同じ発音ということです。尚広東語の gam という音は華語(中国語)にはありません、さらに広東語の声調は華語より、2つまたは3つ多いのです。 これを聞いてまた混乱される方が出てくるでしょうね(笑)

よって芦柑(蘆柑)は便宜的に英文字で表記すれば lohgam となります。いうまでもなくこの発音のカタカナ表記である 「ローカム」は原音とはかなり違います。とにかく 芦柑(蘆柑)は色が黄金色で、発音に”金”が含まれているのです。よって華人界には最高の縁起物なのです。 おわかりになりましたか?

なおこういう言語学的な説明は、決してマレーシア人からは聞けませんよ。華人は理屈は知らずに、単に育つ過程で音を取得するだけだからです。日本人が濁音と清音の区別を音声学的に納得して覚えるわけではなく、育つ過程で理屈抜きに収得していくことと同じですね。 だからこそ、大人になってから、他の異なる種の言語を習う時は、理論的に理解することが必要なのです(もちろん長時間の訓練も必要です)。大人の学習法と子供時に育つ過程で習う学習法は大きく違います。

あっ、声調という意味の説明が抜けてしまいました。でも、今回はもうやめておきましょう。これ以上書くと、読み続けてくれる人がいなくなってしまうかもしれませんからね(笑)。




Intraasia の雑文集 −2010年上半期分


はじめに

「ゲストブック」 には随時様々な題材で書き込んでいます。しかしその書き込みはいずれ消えてしまいます。そこで2010年上半期に Intraasia が書き込んだ中から主なものを抜粋して、コラムの1回分として収録しておきます。ごく一部の語句を修正した以外は、書き込み時のままです。

【トマトとトマトジュースのお話】

今日の昼食にはパンに加えて、昨日買ったトマトを食べました。Carefour で1kgあたりRM 3.90 となっていたから、久しぶりにトマトを買ったからですけど、といってトマトを食べたことを報告するために書いているわけではありませんぞ(笑)。Intraasia はマレーシア生活では毎日欠かさずりんごを朝食に食べていますけど、トマトを食べることはごく少ないですね、でも別にトマトが嫌いだなんてことではありません、Intraasiaは好き嫌いのない人間です。主たる理由はりんごの方が美味しくて且つ値段当たりの量が多いことです。

さてトマトはマレーシアでも栽培されています、キャメロンハイランドはその代表地でしょう。マレーシア語でも名前は”tomato”です。華語では”番茄”と表記しますので、茄子の一種と見なしているということでしょう。タイ語でなんと言ったかなあと思い出せなかったので辞書で見たら、こちらも茄子にちなんだ呼称です。言語によって捉え方の違いが面白いところです。

トマトはマレーシアでごく一般的な野菜ですけど、野菜サラダに使うよりも、料理の中に混ぜて煮てしまうことがずっと多いですね。もちろん個人家庭ではトマトサラダにする人は珍しくないと推測しています。ここでいう料理とは、マレー料理も中華料理もインド料理も、大衆食堂、大衆レストラン、屋台における料理が対象であり、高級レストランのそれではありません。

マレー料理だと、トマトがカレー味主体の料理の材料の一つに含まれていますね、インド料理でも似たように、カレー味の煮た物、炒めた物、炒め麺にトマトが時々加わっています。トマトはカレー味にあうということですな。ロティチャナイのクア(カレーソース)にもトマトが入っていることがありますが、あれは味を出すためが主なんだろうなと推測しています。

中華料理では、野菜主体の炒め物や多少煮込んだ物、さらに炒め麺にも、トマトがよく加えてあります。ただトマトが主材料になった料理を大衆中華、つまり経済飯などで出会った記憶がまずありません。マレーシアの中華経済飯(いわゆるエコノミックライス)は、まず生野菜を提供しませんから、生トマトはありません。 よってトマトにマヨネーズやドレッシングをかけてという食べ方は、高級レストランでの食スタイルだと思います。

大衆食堂、大衆レストランやショッピングセンター内にある食堂センターでは、飲み物のメニューに生ジュースを入れています。ジュース材料としてはオレンジ、パイナップル、マンゴなど、野菜ではニンジンが一般的ですね。なぜニンジンが案外人気あるのか知りませんが、トマトが材料に加わっている店は、外国人集中居住地や一部の店を除けば、ごくごく少ないはずです。つまり通常の生ジュースメニューにトマトは入っていませんね。

こういうことから、マレーシア人一般はトマトジュースはまず飲まないだろうと、推測できます。試しに普通のスーパーマーケットへ行って、缶飲料の並んでいる棚をご覧ください。トマトジュースの種類と量はぐっと少ないことがわかります。それも国外メーカー主体であり、マレーシア飲料メーカーのトマトジュース缶は目に付きません(ないと断言しているのではありませんが、主たる缶飲料として売り込んでいないことは確かです)。 高級スーパーでは1リットルパック入りのトマトジュースを売っているのかな?

というトマトのお話でした。あ、Intraasia は買ったトマトはそのまま、つまりリンゴと同じように何もかけずに食べますよ。


【マレー鉄道よ、タイ国鉄の時刻表を見習って欲しいなあ!】

マレー鉄道を運行するマラヤ鉄道会社(KTM Berhad) はそのホームページで 2010年1月15日から長距離列車各線の時刻表改正を行うと、昨年末?新年早々?から発表しています。しかし今日14日になっても、その 列車別時刻表一覧ページ(PDF形式)に載せている列車時刻表は旧列車時刻表です。 今回は新列車運行もあるのですが、それもまだ載せていません(実際は90年代に運転されていた列車の復活ですけど)。

(登録した上で利用できる e-ticket ページではなく)切符を買う前に誰でも閲覧し検索できるページについて、以前から感じている不満を書いておきましょう。

利用者が改定時刻表を知ることができるのは、行き先と到着駅且つ日時を選択した上でようやく表示される、「列車時刻調べ兼切符購買のための検索ページ」 においてだけです。 つまり 例えば クアラルンプールとバタワースを運行している列車の駅と日時を入力しない限り、情報が出てこないわけです。こういう検索方法は非常に見にくく、且つ不便ですね。 さらにマラヤ鉄道の列車検索ページを使いにくくしているのは、 日にちを変えるたびに最初のページに戻ってから、乗る駅と降りる駅を選択しなければならないことです。この選択過程がまた”のろい” のです。なぜこんな非効率で利用者の視点を欠いた検索ページがずっと以前から何年も使われているのか、不思議です。

AirAsia の検索ページでは、発着空港の選択は素早くでき、且つ日にちの選択はその都度発着空港を選択などする必要はありません。しかも翌日や前日機能があるので、表示ページを変えることなく、前日や翌日の便の状況を素早く調べることができます。 マラヤ鉄道の幹部はAirAsia のページを利用したことがないのだろうか?

一方マラヤ鉄道のホームページの列車検索ではこの種の機能が全くないのです。時刻表の展示方式が列車毎になっているので、シンガポール-クアラルンプール −バタワース間、またはクアラルンプール −クランタン州 といった方面で運行されている列車時刻を細かく知るためには、全部の列車の時刻表欄(PDF版もある)を開く必要があります。一部の人は別にして、乗客はある特定列車にだけに狙いを定めて切符を買うまたは時刻を調べるのではありません。その方面に行く、その方面から到着する列車を一覧して、その中から適当な列車を選択するという行動または思考が一般的なはずです。つまりマラヤ鉄道は未だに現代乗り物利用者の行動と思考を理解していないということです。

日本のJRや私鉄各社の時刻表だけではなく、ヨーロッパ鉄道網を網羅していることで知られた Thomas Cook 時刻表を手本にして、マラヤ鉄道は時刻表表示の基本から頭を切り替えるべきだと、Intraasia は前々から思っています。 まあ、何も遠くの国の列車時刻表を参考にしなくても、お隣のタイ国鉄は東北部路線、南部路線、北部路線という方面別に、その方面の列車を全て掲載した時刻表を駅で配布しています。マレー鉄道よ、タイ国鉄の時刻表を見習って欲しいなあ!

日本語だけで書いていてはマラヤ鉄道幹部の目に入らないでしょうから、マレーシア語でも付け加えておきます。 Google の検索に現われますように願っておきましょう(笑)。
Pengurus-pengurus KTM Berhad yang diharagai,
Jadual KTM yang sedang digunakan di dalam Laman Web KTM tidak sesuai untuk cara yang pengguna memakai . Kami mengharapkan KTMB akan memerbaik jadual tersebut supaya senang dapatkan maklumat kereta api.


【旧正月前の賑わいと、バーチュアルな”中華祝祭物”も人気を呼んでいる】

旧正月が近づいて、例年の事ながら、ショッピングセンターはどこも混んでいるようですね。何日か前のこと、たまに行く Carrefour ヘ午前中に訪れたら、いつもよりも人がかなり多いなと感じました。華人界は、買い物、買い物でまこと忙しいようです。ショッピングカートに一杯積んで、レジで会計しています。伝統市場の周囲路地には既に臨時物売り屋台が数多く出て商売しています。 昨日市場へリンゴを買いに行ったら、ポメロが並んでいました。1個小さいのでRM 8、普通サイズでRM 10 と値札が立ててあります。 ポメロは日本では馴染みない果物ですよね、大き目の物でサッカーボールより1まわりぐらい小さいサイズになります。ポメロは縁起果物ということで、こういう華人界の祝祭時に好まれるそうです。1個でRM 8もするので、Intraasiaはもちろん買いません。だから”恭喜發財”に縁がないのでしょうな(笑)。

今週末は旧正月前の最後の週末なので、恐らくスーパーや伝統市場、ショッピングセンターにとって一番忙しい時期なんでしょう。旧正月用の買い物は Intraasiaにとっては全くの他人事ですが、長年古い華人地区に住んでいるし、毎日華語・広東語ラジオ局をかけているので、気分的にも状況からも 「ああ、また旧正月がやって来たなあ」と強く感じます。 アパートの顔見知り住人とか行きつけの店などでは挨拶代わりに、コーニン(過年と書いて、新年を迎える意味) に関する短い広東語会話を交わします。 「トウヤッコライパイ コーニンロー。 ンゴモウホイピントー (もう1週間もすれば正月ですね。 私は新年はどこへも行かないのです)」  と私は言うしかないところです。(旧歴の)新年直前に郷里や旅行地へ出かけていく人の多い昨今、はっきり言って、クアラルンプールなんかに居たくないです。しかし、予算が無いので今年もクアラルンプールで過ごさざるをえませんなあ。

クアラルンプール圏の有名ショッピングセンターはどこも、マレーシアの大祝祭時期には祝祭装飾・展示に金をかけてかなり盛大に行うあり方が益々盛んになっています。ショッピングセンター内のイベント・展示広場に、加えて入り口や建物外壁に、大きな装飾を飾り、祝祭に関係ある展示を行います。旧正月はその性格上、一番派手になりやすいこともあって、巨大な縁起物や模擬ミニ建造物、赤や黄色の派手な色の装飾がまこと目立ちます。 ショッピングセンター訪問者は、外国人旅行者だけでなくマレーシア人訪問者も、しきりにそういう巨大縁起物・ミニ建造物や装飾を背景に写真を撮り合っています。 Intraasia はその種の複製文化的装飾や展示自体を背景にして自分の写真を撮って欲しいなどという気持ちに到底なりませんが、多くの人はそんなことは全く意に介さないようで、嬉々として撮り合っています。

Intraasiaは、展示や装飾は確かに見事に、デザイン美しく、且つ訪問者の興味を十分引き付けるように、製作されていると思う一方で、本来の場から離れた擬似世界(バーチュアルな世界)なのになあ、とも思います。しかしそんなIntraasia の捉え方を、ショッピングセンターで写真撮り合うマレーシア人はほとんど持っていないことがわかります。いわばショッピングセンセンターでの祝祭が、都会人の間に、そして都会を訪れる地方人の間に、大きく浸透していることを感じる、昨今です。


【新聞に載った、3者3様でしかも特徴あるバレンタインデーの捉え方】

2010年2月8日の新聞には、くしくも3つのバレンタインデーに関する記事がありました。それぞれの記事は互いに全く関係のないのですが、どれもバレンタインデーを巡る興味深い内容です。興味深いという意味は、ニュース記事になっている人たちの行為の背景にあるものが、極めてその民族らしさを現しているからです。その内の2つはマレーシアでの記事なので、「新聞の記事から」に載せましたよね。まだ読んでない方は、まず先に記事を読んでください。

若い男女、とりわけムスリム男女青年、のたわいのないバレンタインデー関心と行動に対して、マレームスリムグループが危機感を抱いたのかどうか知りませんが、とにかくムスリム倫理を前面に立てて、話題となっているそうな行為はムスリムのあり方から明確に逸脱するものだとの認識から、反”ノーパン”キャンペーンを展開するようです。キャンペーンを展開するのは、イスラム教当局ではなく、ムスリムグループが中心となっているような報道です。 イスラム教当局だけでなく、倫理の守護者を自負する民間人たちの行動は、マレー社会に根強くある、ある底流を反映したものといえるでしょう。 非ムスリムのIntraasia が別に批判するまたは同感するべきことではなく、現代マレー社会の潮流を考える、良い契機の1つだと思っています。

もう1つの記事は、華人界の縁起数字信奉を底流にした、バレンタインデーです。例年華人界ではバレンタインデーの日に行う集団結婚登録が話題になります。その主体は若者です。バレンタインでの本来の起源は置いておいて、その日の縁起の良さに強く引き付けられる思考が、このバレンタインデー結婚登録フィーバーの背景だと思います。その証拠にバレンタインデーに集団結婚登録する華人がクリスチャンだということには全然ならないこと、今年は 10が3つ並ぶ 10年10月10日が一番の人気日になりそうということも、縁起数字信奉の強さを物語ることですね。 2-14は縁起良い、でも今年は10-10-10がもっと縁起良いということなんでしょう。

さて3番目の記事は、外報ページに大きな写真付きで載ったAFP 配信の記事です。話題は日本の箱根にあるそうな ”チョコレートスパー”です。 「Yunessun はバレンタインデー向けに特別スパーを提供している、お客はチコレートシロップを身体に塗りつけます」と書かれており、大勢の水着姿の男女と子供がチョコレートの水?湯?に浸かっている写真が載っています。 現代日本の状況に極めて疎い Intraasia の目には冗談の本気化または現代風デカダンスの現われに映りますな。バレンタインデーのチョコレート狂騒は昔から商業主義以外の何物でもないはずですが、その商業主義を超えた新たな風潮に感じました。こういった冗談の本気化または現代風デカダンスは現代日本に育っているのでしょうか?  外国通信社の配信ですから、この種のニュースは世界中のいろんな新聞に掲載されることになるわけです。 この記事を読んで、写真を見て、日本人のバレンタインデーこだわりの奇妙さに驚く人も多いことでしょう。

というように、3者3様のしかも非常に特徴的なバレンタインデーに関する行動を示した記事でした。 たかがバレンタインデー、されどバレンタインデーという、ある程度冷めた捉え方は、なかなか通用しないようですな。


【Asian Lunar New Year (華語呼称 亜裔農暦新年)という呼称の適切さに同感】

現象、できごと、行為などをどう呼ぶかは、結構重要なことであり、時にはある呼称に対して不満や反発を持つ人たちもでてきます。

今日の華語新聞を読んでいたら、米国ではこれまでの英文呼称 Chinese New Year  (華語呼称 中国年)を、2009年のオバマ政権誕生以後 英文呼称 Asian Lunar New Year (華語呼称 亜裔農暦新年)に改称したという記事に目が止まりました。 これは、世界少なからずの国で旧正月が祝われる中、米国では華人・中華民族以外にとりわけ韓国からの移民とその子孫、ベトナムからの移民とその子孫が旧正月を祝っています。 旧正月を Chinese New Year  (華語呼称 中国年)と呼ぶことに、韓国移民が取り分け強く反発していたとのことです。 そのため 旧暦正月を祝う移民族間の交渉によって、Asian Lunar New Year (華語呼称 亜裔農暦新年)と呼び始めるようになったとのことです。 そして最終的に米国政府の公的な旧正月呼称の変更につながった、という外電報道を紹介する記事です。

Intraasia は以前は中国正月という呼称を当サイトでも使っていましたが、近年 旧正月 という呼称に変えました。そこでこの記事に同感を覚えた次第です。マレーシアでは旧正月を祝うのは確かに華人界ですから、マレーシア語の呼称も Tahun Baru Cina 、タウンバルチナと発音、となっています。なお Cina であって決してChina ではありませんよ。 マレーシア語で "China" を使う場合は ”中国” を指します。Negara China 中国(という国) というようにです。

韓国人子孫もベトナム人子孫もマレーシアを構成する民族ではないので、確かにほとんどのマレーシア人の間で Tahun Baru Cina、 Chinese New Year は違和感なく捉えられていると思います。 ですから、マレーシアも 中国正月という現呼称を変えるべきだなどと、主張するつもりはありません。 Intraasia は個人的にもっと中立的な呼称である 農暦新年を使いたいのですが、この用語は日本人にはほぼ馴染み無いので、旧正月とわかりやすく使っている次第です。

その意味で Asian Lunar New Year (華語呼称 亜裔農暦新年) という呼称は優れた呼称だと思います。 日本語に直せば、「アジア人末裔の太陰暦新年」 とでもなるでしょう。


【旧正月6日目7日目の風景】

旧正月も今日は初六 つまり6日目です。今年は元旦がきりの良い日曜日から始まったこともあって、華人会社・商店は大方が今週一杯休みでしょう。今日(19日)近辺にある華人商業地区を主体にかなり歩き回りました。古びたショップハウス街のほとんどを華人の零細・小規模会社や物品販売業店舗が占めているという、典型的な華人商業地区であり、加えてその周囲には住居が集まった商住混在地区ともなっています。営業している会社または店はごく少数でした。推測したとおり、今週一杯はお休みのようです。 普段は車や人の往来でごちゃごちゃ活気あるのですが、かなり大人しい雰囲気に旧正月らしさを感じました。 一方同じ華人地区でも我が地区は旧正月の静かさはとっくにありません。普段と同じく朝から人と車の往来が多く夜までざわついています。

今朝歩き回りを始める際に、大きなショッピングセンターを通ったのですが、まだ正午前というのにシネプレックス前には長蛇の列ができていました。並んでいるのは10代かせいぜい20代前半ぐらいまでの若者男女ばかりです。 この理由は小中学校が今週1杯休みだからですね。クアラルンプールは国民型華語小学校が多く、且つ国民中学校も華人比率の高い学校がある、ということで、そういう学校は今週一杯休みにしていますね。 そうではない国民小学校や中学校は、3連休の終わった17日から授業があるはずです。 数日間余分に旧正月期間を休む決定は生徒の民族構成を基にその学校の判断でできるそうであり、休んだ日は学期内の土曜日のやりくりで埋め合わせすることになります。 だから華人割合比の低い東海岸州などでは、1週間休む小中学校はより少ないことになります。

例年通り、旧正月の最初の数日、有名ホテルや有名ショッピングセンターでは獅子舞団を呼んで新年を祝ったところが多いようです。新聞にもそのニュースが載っていますし、Intraasia も通りすがらに見かけました。 獅子舞団の花形はなんといっても、高さ2mから3mの鉄柱上を行き来して舞う2人組みの獅子舞いです。旧正月時期のために彼らは1年中練習しているわけです、危険を伴うアクロバット舞ですから、普段の訓練が非常に大事だそうです。 獅子舞いはマレーシア華人界の旧正月風景にはなくてはならないものですよ。

ところで明日は初七、華人界の慣習では 人日 です。人日(広東語ではヤンヤット と発音)とは何か? 人皆なの誕生日ということだそうです。といってこの日を祝っているる華人はごくごく少なそうで、Intraasia は出合った記憶が無いですな。 中国大陸でどの程度 人日 が祝われるまたは祝われないのか、Intraasia は全然知りません。獅子舞いのスタイルや人日に見られるように、マレーシア華人界の慣習と中国大陸の中国人の慣習に多少の違いがあるのは当然です。 世界各国で、移民を出した Aという国と移民先の Bという国では伝統文化または慣習に変化が出てくる例はいくらでもあるはずですからね。


【歓迎されるはずのない訪問者の目で見た、ゲンティンハイランド】

久しぶりにゲンティンハイランドで行ってきました(月曜日)。といっても、もちろん自分で遊びに行ったわけではなく(ありえない)、ゲンティンハイランドでテナントとして各種アミューズメントビジネスをしている友人に、従業員新年会食に招待すると誘われたからです。ということで、彼の車で夕方出かけて深夜にクアラルンプールに戻りました。

先週1週間は旧正月前半ですから、言うまでもなく、すごく混んでいたそうです。今週は旧正月後半なので、多くのマレーシア人はすでに仕事始めであり、子供はすべて学校が始まりました。 という前提にも関わらず、ゲンティンハイランドのいわば屋内にあたるアミューズメント・飲食・販売店街は結構混んでいました。平日の夜なのになあ、という思いを吹き飛ばすゲンティンハイランドの入りの良さを目の当たりにしました。ゲンティンハイランド訪問者における外国人比率はかなり高いので、行き来したり、遊んでいる人たちの何割かは外国人のはずです。偶然2月22日の【新聞の記事から】で 「昨年ゲンティンハイランドを訪問した内外の人数は2千万になる」 という、ゲンティンハイランドの記事を載せました。なるほど、というところです。

 標高1000mの山頂にあるゲンティンハイランドでは、ほとんどの娯楽利用・入場料、食品類、物品類が、下界つまりクアラルンプールに比べて倍から3倍も高いのです。それにも関わらず、カップルや親子連れは盛んに遊び、食べ、ショッピングしています。RM 100などあっという間になくなるでしょう。 子供を数人持つ親はたいへんだなあ、彼女を連れた男もたいへんだなあ、と他人事ながら思いました(笑)。

中華レストランでの食事が終わってから、カジノホールへ足を踏み入れました。もちろん単なる見学です。夜11時ごろというのに、広いカジノホールは人で埋まっています。カジノホールには子供はいませんし、若者よりも年配者が目立ちます。 ゲンティンハイランドのカジノで一儲けを目論んできた団体旅行者も少なからずいるでしょうし、少人数で連れ立って賭け目的だけで来た客もいるでしょう。 わずか数分の間に賭け手の賭けた数百リンギット、数千リンギットが消えていくのです。それにしても、夜11時でもこんなに混んでいて熱気があるとはと、驚き半分、あきれ半分を感じました。賭け事に全く興味ないIntraasia にはギャンブラー心理はわかりませんが、国内外に賭け事好きは溢れていることをあらためて確認したというところです。

Genting グループはごく最近シンガポールに ResortsWorld Sentosa カジノホテルをオープンして、話題になっています。 屋内アミューズメント・飲食・販売店街の賑わいと、深夜のカジノホールの熱気をみれば、シンガポールにおけるカジノ、テーマパークの全面営業が始まっても、人々はゲンティンハイランドに変わらずやって来るでしょうね。 かくも賭け事が好きな人は多くしかも熱心なのですから、1箇所が2箇所に増えても訪問者が半分になるのではなく、プラスアルファの相乗効果が生まれるかもね。

1リンギット も使うつもりもないし使わなかった(笑)、非ギャンブラーで非遊び客である Intraasiaの久しぶりのゲンティンハイランド訪問のお話でした。


【冬季オリンピックは決して”冬のオリンピック”ではない】

カナダで行われている冬季オリンピックのことは、当然のごとく一般マレーシア人の間ではまず話題になりません。各新聞には確かに外電スポーツニュースとしてオリンピックの記事が複数載っています。しかしヨーロッパサッカーの記事の方が圧倒的に数多く且つ大きい扱いです。マレーシアマスコミにおける冬季オリンピックは、外電報道として載る世界のスポーツニュースの1つにしかすぎないということです。これはもちろんマレーシア国民の興味を反映したものですね。

今日の新聞(3月1日)を見ると、メダル獲得表が載っています。 メダルの多い順にカナダ、ドイツ、米国、ノルウエー、韓国、スイス、中国、スエーデン、オーストリア、オランダ・・・・・・最後がカザフスタン と26カ国名が連ねてあります。欧州諸国が20カ国も占め、北米の米国とカナダ、及び東アジアの韓国と中国と日本以外の国は、カザフスタンだけですね。カザフスタンは元ソ連邦の構成国だから冬季スポーツ種目に励んでいる人がいるのでしょう。

このメダル獲得表を眺めるだけで、冬季オリンピックは決して世界のスポーツ祭典ではないことがわかります。世界のではなく、先進諸国のスポーツ祭典と呼んだ方が的確だといえるほどです。 オリンピックという名称で五輪の輪を使って世界の5大陸と各国人の祭典を象徴しているのとは明らかにかけ離れた、冬季スポーツ大会といえます。要するに、冬季スポーツ大会自体にはなんら異議はありませんが、オリンピックという名称は不向きだということです。

なぜIntraasia はこういう捉え方になったかといえば、それはやはり、20年以上に渡る東南アジアへの打ち込みと滞在生活のおかげですね。東南アジアではどこでも冬季スポーツは全くといっていいほど行われていません。ごくごく少数のショッピングセンターに設立されたスケートリンクでスケート選手が練習しアイスホッケー競技が開催されていますが、それはいわばエリートの例外的参加とでもいえる段階であり、マレーシアであれ、タイであれ、インドネシアであれ、それがその国の一般スポーツになる可能性はまずないでしょう。

 一体全体冬季オリンピックに参加しているアフリカの国はあるのでしょうか? 南米は雪が積もる地もあるのですけど、何カ国が参加してるのでしょうか? その他中東、南アジア、南太平洋の小国、これらの国からの参加は例えあったとしても、メダルの可能性などありえないことは、しろうとでもわかります。こうしてみていけば、冬季オリンピックはオリンピックではないことに気がつくはずです。

誤解なきように強調しておきますと、Intraasia はなにも冬季スポーツ嫌いではありませんよ。1970年代後半から80年代末まではヨーロッパにかなり、一時はものすごく、没頭していたこともあって、冬季スポーツの話題にはごく身近に接していました。オーストリアにしばらく滞在中は、本場アルプスで何回もスキーを楽しみました。今でももう一度アルプスでスキーをしたいと思います、もちろんもはや実現不可能な夢ですけど。 当時は冬季オリンピックに対する視点に、上記で描写したような観点が欠けていたというか知識としてはあっても実感として捉えられなかったので、冬季オリンピックは名前の通り”冬のオリンピック”なんだと思っていました。しかし欧州と北米と東アジアを除いた世界のより多くの地域で、冬季オリンピックは決して”冬のオリンピック”ではないことに気がついた次第です。

人はある国、ある地域を旅行したり、滞在したからといって、必ずしも視点・観点の変化を経験するものではありません。例えば毎年何百万人、いや1千万人を超える先進欧米諸国人が東南アジアを訪れていますが、行動と思考様式がまったく変わらない人たちばかりであることに気がつきます。つまり冬季オリンピックをそのように呼称する思考と慣行はこの先変わらないことは極めて確実ですね。しかしIntraasia のIntraasia たるあり方として、思考の転換の必要を訴える主張もこの小文に込めておきます。


マクドナルド広告を例に大衆食堂での麺類昼食と比較しながら価格価値を考えてみる

新聞に折り込みのマクドナルド広告が入ってました。上質な紙に印刷された横に長い広告なので折ってあり、A4サイズで4枚分になります。マレーシアでは折り込み広告はありますが、ごくたまにという程度であり、新聞紙面印刷の広告がほとんどです。 Intraasia はハンバーガー類が嫌いだということではなく、値段が高くつくという理由から(さらに販売価格に5%の税も加わる)、マクドナルドで食事したり、買い食いすることはまずありません。この2, 3 年 1回も利用してないはずです。たまに食べると美味しいのではと、食べてみたい気もしますけどね。

でこの広告の中身を見たら、まず McValue Lunch  RM 5.95 からという部分がすごく目立つように大きく印刷されています。月曜日から日曜日まで12時から15時の販売時間 となっています。写真にはハンバーガーとフライドポテト、さらにコーラを注いだグラスが載せてあります。ということはこれがセットランチメニューということなんでしょう。そういえば、ショッピングセンター内などの立て看板広告や貼り紙広告に、このMcValue Lunch があることに気がつきました。恐らく頻繁に目にしているはずですが、マクドナルド店へ入らないので、記憶に薄いだけでしょう。

このセットでRM 6強か? いささか物足りない量にも見えますが、マクドナルド店は案外狭いけど全体的にきれいで冷房付きという環境の良さと、長居しても問題にならないことを考えれば、こういった入店目的に合えば、割得な感じもしますね。クアラルンプールの街の非冷房大衆食堂では現在普通サイズの麺類がすでにRM 4がごく一般的な最低基準価格になったかのようであり、RM 4.5、RM 5の店や麺類も全然珍しくありません。普通サイズと呼んでもやや小盛りという響きなので、昼食に普通サイズの麺類1杯だけでは物足りない量であると感じる人が、とりわけ大人男性は、大多数のはずです。 通常飲み物も一緒の注文するので、麺類1杯の軽めの昼食でも少なくともRM 4.5 は必要です。 やや一般的ではないとか具の多いタイプの麺類なら RM 5からRM 6はするでしょう。飲み物にコピや果物ジュースを注文すれば、RM 5、RM 6などとなります。

マレー屋台のミーゴレンでももはや 安い屋台でも RM 3.5の時代です。軽いミーゴレン1皿だけではまず誰でも夜までもたないでしょうね(途中で何か食べたくなる)。 非冷房のインドムスリム(ママック)レストランなら多少高くなって、ミーゴレンRM 4程度かな。加えてテータレ1杯 RM 1.2 。 ショッピングセンター内は冷房つきでテナント代が高いゆえ、内部にある大衆食堂、非高級レストラン、食堂街フロア(medan Selera ) のどの店であれ、街のショップハウスの店よりも数割高くなるのは当然です。よって軽い昼食でも RM 6くらいはごく普通にかかるでしょう。

こうして見ていくと、マクドナルドのMcValue Lunchの例を取れば、値段が高い感覚はぐっと低くなります。マクドナルド店での一品オーダー式で比べたらどうか、恐らく昔に比べれば対大衆食堂との割高感が多少減ったといえるでしょう。 クアラルンプールにおける90年代中頃のマクドナルド店でのランチは、街の大衆食堂での麺類昼食に比べていかにも高くつく印象を持っていました。その後10何年か経つうちに大衆食堂での値上がりの率の方が高くなり、結果として両者間における差が縮まったということかな。

この折込広告には平日朝食メニューも載っています:
ソーセージ McMufin と 卵、 コーヒー RM 4.5、 エッグMcMufin と チキンロール、コーヒー RM 4.5、 ソーセージMcMufin、コーヒー RM4
コーヒーのお替りは 11時まで無料
この場合も、冷房つきでインターネット接続のWiFi が提供されているなどの利点を考慮すれば、目的次第では大衆食堂の軽い朝食と大差ないことになりますね。

以前 Intraasiaは日本へ行った時、ほとんど毎日100円マックを食べていましたが(販売の店員には見下されていたことでしょうな)、あれも冷暖房付きで座って食べられる、つまり休憩もできるという面を考慮すると、物価高の日本の状況で価値ある 100円マックプラスコーヒー代 だと思いました。 このように利用者の目的に合えば、日本でもマレーシアでもマクドナルドはそれなりに割安になるということですね。 もっともハンバーガが嫌いな人にはあてはまりませんけど。

マレーシア通貨の為替相場を見ると、先週末で 1万円を銀行で両替するとRM 371.5 入手だったので、1リンギットが 27円ぐらいというところでしょう。このままの換算値をマレーシアの物価に当てはめても、実生活的な感覚がつかめません。  試みにインド大衆レストラン(Mamak レストラン)でのロティチャナイ1枚、RM 1.0 から1.2、が100円マックにあたると見なすと、マレーシア物価の感覚がなんとなくつかめることでしょう。

Intraasia はマクドナルドファンでもマクドナルド嫌いでもありません、世界の数多くの国にあるマクドナルドを基準にした物価調査もあるそうですね。こんな意味から、たまたましげしげと眺めた折り込み広告を題材にして昼食物価のことを展開してみました。




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