人気の新興ラジオ局 ・ バングラデシュ人問題 ・ クアラルンプールの映画館事情 ・ 続バングラデシュ人問題
マレーシアのインターネット事情 ・ 学校の長期休暇始まる ・ 都会のマレーシア人の金銭感覚
パソコンショーは展示即売ショー ・ クアラルンプール、ホーチミンシティー、バンコクを結ぶ三角形
コピーCD-ROM ソフトの氾濫 ・ スランゴール州からゲームセンターが消える日 ・ 行列の混乱 もう一つのコンピューターショー
今クアラルンプールで華人系マレーシア人に人気のあるラジオ局はというと、RFM98.8
いう今年開局したばかりの新興ラジオ局です。まだクアラルンプールとその一帯しか聴取できませんが、半公営の局と違って比較的ポップなDJスタイルが売り物です。
番組の構成がユニークで大クアラルンプールの民族構成比に多少似せて( 実態は随分違います)、一日の放送時間を中国語で五割、英語で3割、マレーシア語で2割と割り振っています。
これをみてもわかりますように、一番の聴取対象であるのは華人系マレーシア人です。そして中国語の時間の半分はクアラルンプールの中国人間の共通語である広東語なのです。これが華語( 日本でいう中国語)一辺倒の半公営の中国語ラジオ局と大きな違いで、日常広東語を使っている人たちの心を捉えたようです。またDJも音楽たっぷりのスタイルをとってるため飽きません。 広東語と香港歌の好きな私も毎日聞いてますよ。
クアラルンプールに来ることがありましたら、FMラジオの98.8 にダイアルをあわせてみてください。
ここ数週間新聞で話題になっている問題のひとつに、バングラデシュから働きに来た労働者の問題があります。マレーシアの事情に疎い人には意外に思われるかもしれませんが、
マレーシアは労働者の輸入超過の国のひとつなのです。それも相当な程度です。
人工2000万弱の国で、外国人労働者の数は、公称で180万ほど、実際はその5割り増しではないかともいわれています。 なぜ数字がそんなに違うかといいいますと、数字の半数以上が非合法外国人労働者なのです。 控えめな政府の数字をみても、実に100万人が非合法なのです。 これは驚くべき数です。 労働人口の15%近くが外国人で、そのまた半分が非合法となるわけです。
従来から、伝統的にインドネシア人が外国人労働者のトップを占めています。海を隔ててすぐ近いことと、言語がマレーシア語ときわめて近い( このことはいつか突っ込んで記します)インドネシア語なので、コミニケーションがよういであるなどの理由です。
ここ数年めきめきと数を伸ばしてきたのが、バングラデシュからの労働者です。 政府の数字でも10万人を超えています。3年ほど前までは、インドネシア人がほとんどであった、私どものオフィスのあるビルの清掃人は、最近バングラデシュ人が多数となりました。
バングラデシュ人は工場の単純労働者として、またはゴム園のゴム集め人としてなど、いわゆる3K職場だけでなく、清掃人や露店のウエイターなどでも見かけます。
バングラデシュ人もインドネシア人労働者のように、同国人同士かたまって住んでいることがほとんどなので、このことが地元のマレーシア人との文化的あつれきとなり、またバングラデシュ人の犯罪率が高いという政府の発表もあり、問題がいっきに表面化したのです。
この問題は単にバングラデシュ人の問題でなく、マレーシアの抱える労働政策とマレーシア人の生活態度に根づくものなので、本質的な解決策は当分見つからないでしょう。
この項は次回に続く。
数年前までは、当地の映画館は一棟全体が映画館という、昔ながらの映画館ばかりでした。古い建物に汚い椅子という、昔の日本の場末の映画館みたいなのがほとんどで、映画を見ていると足元を、ねずみが駆けていくなんてことも決して珍しいことではありませんでした。
映画好きの私は週数本見てましたので、いろんな映画館を回ったわけですが、禁煙サインなどどこ吹く風とばかりたばこを吸い、大きな声で話し、映画を鑑賞するというより、ただ娯楽に仲間ときてるという者が非常に多いことをいつも知らされたわけです。
ところがこの2年のうちに次々と新しい映画館が、ショッピングセンター内に設立されたおかげで、KLの映画館事情は随分変わりました。新しい映画館はいわゆるシネコンプレックスといって、2本から5、6本の映画が同時に上映されている形式ですね。 いずれも涼しすぎる冷房とソフトな椅子、デジタルサウンドの音響設備が売り物です。前のひとの頭が邪魔しないように、前から後ろへだんだんと勾配をつけた一歩進んだシネマもあります。
もちろんその分入場料金は高く普通の映画館より5割り高の7、8リンギット(310円から360円)です。人気のある
シネプレックスは土日曜日など行列ができます。マネジメントもよくなって、外部で購入した飲食物は持ち込み禁止の札をかかげ、入り口でチェックしています。これなら映画を鑑賞できますが、まだまだおしゃべりが多いのが残念
なところですな。
この新興映画館勢力に刺激されて、今までの映画館の中には改装して椅子を入れ替え館内を多少きれいにした
ところもでてきました。こうなると館内の広さは、シネプレックスより広いし、入場料は多少安いし(5リンギットぐらい)、交通の便利な中心地にあるといったメリットがいかされてきます。
でも依然として改まらない悪習は、上映中のおしゃべりと携帯電話使用です。そして更に土日曜日には親についてきた子どもが走りまわるといった、マレーシア人の大衆マナーの悪さです。子どもは無料ですから親は平気で幼児であろうと小学生であろうとつれてくるわけです。
映画鑑賞には忍耐を要求されますね。
外国人労働者問題はマレーシアの一般労働者の賃金に直接関係します。雇用者側からみて、非熟練労働者で十分な仕事であれば、当然のごとく外国人労働者を雇うという雰囲気が満ちています。
例えば一人の外国人を合法的に雇用した場合、政府からは人頭税が課せられ、斡旋エージェントには手数料が要りますが、それを払ってもマレーシア人を雇うより、被雇用者社会保険の会社負担もないこともあり、一人当たりの費用多少は安いということだそうです。もちろん外国人が密入国者であればもちろん政府への人頭税は払わないので更に安いということになります。
非合法労働者が摘発されても、これはしょっちゅう新聞に載ってますが、収容所送りは密入国した外国人被雇用者であり、雇用者側たる会社が刑事罰を食らうことはありません。これについては当地の専門家によって、その非合理性が指摘されています。
ではなぜこんなことが続いているのでしょうか。 マレーシアの産業体制が徐々に変わり行くなか、低労働賃金慣習が根強く残り、雇用者側は非熟練労働現場の賃金をぎりぎりに押さえているので、そういう現場へはマレーシア人がいかない、その結果賃金を上げるのでなく、外から労働力を入れるという方向に向かったわけです。
幸いというか何というかマレーシアの周りには潜在移住労働者にあふれた国があるわけです。 インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、インド、フィリピンなどです。 インドネシアのスマトラ島からはほとんど定期的に、合法非合法労働者がマラッカ海峡を超えて渡ってきます。地図で見てもらえばその近さが納得してもらえます。
フィリピンのミンダナオウ島からは半島マレーシアでなくボルネオ島のサバ州へ何十万人というフィリピン人が来ています。サバ州の労働人口の半分は外国人(インドネシアとフィリピン)でその半分は非合法なんだそうです。
こうなるともう単なる非合法労働者問題でなく、社会全体問題ですね。
半島マレーシアについても、たとえばマレーシア経済発展を象徴する産業である建築、建設現場で働く一般労働者はほとんど外国人です。日系建設会社で働く労働者はその下請け、孫請けが雇ったインドネシア人ばかりなんてことになるわけです。
以上のようなことが前提になってこのバングラデシュ人問題は起きてきたのですが、工場や建設現場、それに伝統的な外国人職場たるゴム園だけで外国人労働者をみるわけではまったくありません。都市のいたるところで彼らに出会うのです。
そこがこの問題の根にあるマレーシア人の意識につながるわけです。
次回に続く
最近 1996 Malaysuan Internet Survey という調査結果が発表されました。
これはそれまで(10月末まで)マレーシアでの唯一のプロバイダーであったJaring の親会社であるMIMOSという会社が9月から10月にかけて行ったアンケートに基づいたものです。え! プロバイダーが一つだけ、と聞かれるときっと日本の皆さんは驚かれると思いますが、プロバイダーへの登録者(社)が6万弱、利用者数でも10万を多少超える程度のマレーシアではいたしかたないかもしれません。
そこへTelekom Mlaysia という日本でいえばNTTにあたる電話会社が、マレーシア第二のプロバイダーとして今月
11月より参入したのです。プロバイダー事業は政府の認可事業なので勝手にに企業が始めることはできません。
マレーシア政府はインターネットの普及に力を入れているので、こういう件は政府の方針がいろこく反映されています。料金もほとんど政府の肝いりで決められているようで、担当大臣が2つのプロバイダーの料金は同じぐらいで
あるべきだなんて新聞の談話にありました。
そんなせいかTelekom Malaysiaのインターネット接続料金体系が発表された2、3日後には、第一のプロバイダーJaringの料金体系が改定され、接続料金がほぼ同じになりました。
実質的な値下げです。歓迎されることでしょうが、もろ手をあげて歓迎といかないところが現在のマレーシアのインターネット事情です。接続があまりにもよく切れ、且つスピードが遅い、この問題がなかなか解決されないのではないかというのが、正直なところです。料金を下げれば、利用者はもちろん喜び、更に増えるでしょうが、サーバーへの接続問題が向上し、国外との接続スピードが速くなっていかなければ、不満が解消されないことになります。
料金はたいへん安いのです。 もちろんマレーシアの物価が日本に比べれば何分の1かの物がほとんどですから、
安さ自体に驚くことはないのですが、PCが日本とほとんど変わらないかむしろ高いぐらいなので、その比較からいくとインターネット接続料金は確かに安いといえます。
例えば定額時間制の場合でインターネット専用番号につないだ場合、一月30時間程度ですと1分1セント、つまり日本円でわかりやすくいいますと、1時間つないで 27円ほど(電話代は別です)にしかなりませんからね、 もっともこの専用番号にはうまくつながらないのです。
私は旧料金体系の使用時間無制限を契約しているのですが、それでも一月2200円ほど(電話料金別)です。
さて上記の調査結果です、プロバイダーがその当時一つだけなので、この調査結果はマレーシアのインターネット事情をよく表していると思います。
利用者の実に3割が学生とのことです。マレーシアでは大学が7つしかなく、後は私立のカレッジと呼ばれる高等教育機関があるなかで、(大)学生の同年代に占める割合は10パーセントにも満たない中でこの数字が示すものは、
女性の利用者が全体の15パーセント程度というのとならんで、いかに利用者が偏っているかを示すものです。
又学歴からみると9割以上が高等教育を受けた又は現在受けている者だそうです。
地域的偏中もひどくクアラルンプールを中心とした首都圏一帯が利用者の半数以上を占めています。
以上をみても一般家庭で家族が使うなんてことは論外で、小企業や普通のお店がインターネットをつないで商売に役立てるのはまだまだ時間がかかるでしょう。パソコンの普及率が低いことが第一の理由でしょう。
もちろん有名企業やホテルは自分のホームページをもっていますし、インターネット関係の会社もままあるのですが(わたしたちもその一つです!)、日本とは比較にならないと言ってさしつかえないと思います。
付け加えておきますと、政府のインターネットの規制は、まだそれほど厳しいものではありません。伝えられるところによると、おとなりのシンガポールでは、プロシキサーバーを使って厳しくチェックしてるようですが、マレーシアでは
そこまでいっておりません。
もちろん政府は、ポルノ(定義自体が日本の感覚と違います)、反政府言動、民族問題を煽るものには、断固とした処置を、インターネットを含めて、とっていますが、どこまですべてのホームページを
規制しているのかよく分からないのが現状です。 なお今のところ日本のアダルトページは見えます。
小中学校の年度末休暇が11月21日よりちょうど始まりました。 当地ではスクールホリデーと呼ばれてます。それに合わせてショッピングセンターの商戦も始まりました。 学校の期末や年度末で休暇になると必ずといっていいほどバーゲンの垂れ幕が出るのです。
私はマレーシアに来て間もないころ、クリスマスや民族のお祝い時は別にして何故学校が休みになるといつもバーゲンになるのか、ピントこなかったことを覚えています。
でも出生率の高いマレーシアではひと家族あたりの子ども数がまず3人はくだらないしょうから( 詳しい数値が手元になくて)、子どもの行事が家族に及ぼす影響が大きいのでしょう。 家族旅行を期待して家族料金、 12歳以下は無料などといくつかのホテルが広告をだしたり、文房書籍を扱う本屋のみならず、スーパーマーケットも値引き広告を新聞に掲載します。
去年までは年度末休暇は10月末に始まりましたが、今年からひと月遅れて始まり来年1月初に学年度が始まることに変わりました。シンガポールと大体同じですね。 シンガポールのホテルはいつもマレーシアの学校休暇が始まると、観光客増加を期待して、マレーシア国民または永住者に限るという料金広告をだしますが、今年は期間が重なるしクリスマス休暇もその期間中になってしまいますから、マレーシア学校休暇の恩恵は少しへるのでは?。
恩恵といえば交通渋滞の多少の緩和に学校休暇が寄与するのです。 何故かといいますと、電車通学のないマレーシア( 一部の田舎を除く)特にクアラルンプールのような都会では、生徒は通学と帰宅には黄色のスクールバスを利用しますから、その黄色いバスが一日4回学校と各居住地を行き来します。又親が子どもの送り迎えに車でやってくる数もばかにできませんから、学校のある地域はその時間帯子ども待ちするバスと車の洪水です。
どういうわけか知りませんが私の住んでる地区は小中学校が5、6校も固まってるので、朝昼夕は黄色いバスと自動車が数珠つなぎになるのですが、学校が休みの間はほっとしますよ。
え?一日4回、2回の間違いではと思われるかも知れませんが、そう4回なのです。 小中学校は2部制、つまり朝7時半ごろからお昼までの午前の部と折り返し12時半ごろから始まる午後の部があります。学校数が足りないため一つの校舎を有効につかっているわけですね。田舎では違うのかもしれませんが、都市部はこうしないと増加する都市人口、それに比例した子ども数の増加に対応できないのです。
これを見ると若年労働力には不自由するはずがないのですが、現実には違います。 この問題はマレーシアの経済構造に結びつきますから、「 バングラデシュ人問題」 で扱ってます。 これまでのトピックスをご覧ください。
6リンギットは多いと思いますか? 突然なんのことかと思われるでしょうが、このたび決まった下水道料金です。
ある国の物価が高いのか安いのかは同じような物を単に日本円に換算してもよく分かりません。物価の比較は一つの物だけでで決まるわけではなく、全体の中でその物がその国の人にとってどのような重みを占めるのかにかかってきますから。
マレーシアは皆さんご存知のように、日本より一般に物価は安いです。それは日本に住む日本人や、外国に住んでも日本と同じような生活感覚を持った日本人にとっては特にそういえるでしょう。 もちろんこれがいけないというのでなく、何を基準にしているのかをはっきりさせたいからです。 日本レストランや日本人向けラウンジに度々足を運んだり毎週ゴルフにあけくれている日本人にとって、6リンギットの価値は限りなく低いでしょう。
で最初の質問に戻りますが、このところの円安でリンギットの対円交換率は上がって約44、45円ですので、6リンギットは270円ぐらいとなります。新聞などで知る限り下水道料金がやすいという論はみあたらないようです。それならば都会の平均的家庭が下水道料金として6リンギット払うことは、たいへんなことでしょうか? 物価の安い国だからちょっときついのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ちょっと待ってください。
都会特にクアラルンプールや近郊のペタリンジャヤなどで、レストランや冷房付きのファーストフードの店ではなく冷房のない大衆食堂( コピーハウスと呼ばれます)で昼に軽く昼食をとると、一人3リンギットぐらいはかかります。135円ぐらいですか。 チキンライスか又は麺類をたのんで飲み物にお茶をコップ一杯注文すれば3リンギットでおつりはあるかなしかでしょう。 筆者は夜も外食ですから、屋台の夜市へ食べに行きます。大変控えめに食べても妻と二人で5リンギットではまったく足りません。
又たばこをお吸いになるかたへ参考までに値段をおしらせいたしましょう。マイルドセブンライト、宣伝のかいあってかこちらでもよく売れてるようです。他の米国製タバコと同じ価格で20本入り3リンギット60セントです。
さて下水道料金に戻りましょう。 昼飯とタバコ一箱分ですね、又は夜の屋台で夫婦が控えめな夕食をすますのと同じかな。 そうするとこの下水道料金って、都会のマレーシア人にとっても安いですね。
下水道料金の賦課に関しては、公団にあたる下水・汚水処理会社の不手際があって、政府が料金と賦課方法見直し命令を出し、最近料金が決まったのです。
大きなコンドミニアムやアパートなどに住む家庭は別料金だてですが、一般家庭は一月2リンギットから8リンギットということです。 上水道を使えば汚水がでるのはしごく当然、それに対して相応の処理料金を払うのも至極当然のはずですが、そうならないのが都会のマレーシア人です。
永年下水料金を払ったことのない家庭がほとんどなので、たった6リンギットなのに、料金そのものに反感を持つようです。 ごみ収集がうまく機能していないこともひとつの原因ですが、自分の住居まわりにごみをちらからしてもまったく平気な多くの都会人、特に下町に住む人、にとって、下水道は使ったものを只たんに流すのに、どうして料金を払うのか納得がいかないのでしょう。 つまり家庭ごみや商店のごみ収集料を直接払わないのに(間接的には払ってることになりますが)、どうして下水道は下水道処理公団のINDAH WATER に払うの?ということでしょう。
環境をきれいに保とうという意識が残念ながら薄いので、公共場所はいうに及ばず自分の家の前の溝にさえ平気でごみを捨てる都会人はいっこうにへりません。大雨になるとしょちゅう道が冠水したり住宅が浸水するのですが、その大きな原因は、溝がごみで詰まっているので、水が増えるとすぐあふれてしまうことにあるのです。
高級住宅地やコンドミニアムに住む限りなかなか見えてこないマレーシアの一面ですね。
たったの6リンギットを惜しまずに、環境をきれいにし、それを保つにはお金が要るのだということに、都会のマレーシア人の皆さんが気づいてほしいものです。
先週、毎年恒例のMicro Fest がクアラルンプール随一展示会場でもあるPWTCにて催されましたので、足を運びました。 筆者は4年続けてこのパーソナルコンピューターショウを見ていることになりますが、年毎にショウーの規模が大きくなり、そのため訪問者の増加に備えて昨年から会場がPWTCに移ったのです。
主催者の英字紙マレーシアNo.1、2を争う 「 The Star 」 によれば、初日は3万人を超える入場者があったと報じています。私が訪れたのは午後の早い時間ですが、なるほどかなと思わせる盛況で、体育館のような会場は訪問者の熱気が渦巻いていました。100個近いブースの間を押すな押すなの状態で、まず人込みをかき分けてがおおげさでないほどです。学校が休みに入っているためか、中学生らしきも目にはいり、若者主体の訪問者構成です。
企業や専門家向けのショーではなく、一般消費者向けのパソコン類バーゲン兼用ショーなので、必然と若者主体の訪問者となるのでしょう。
大規模コンピューターショップやコンピューターショップ街のないマレーシアなので、新しいパソコンと周辺機器類をどんと積んで展示しながら即売するという、こんな方式が好まれるのでしょう。( Imbi Plaza という一階と2階がコンピューターショップばかりというビルがありますが規模はごく小さいですね)
日米有名メイカーの Compaq, NEC, Hewlett Pakard, Fujitu, IBM,ドイツの Nix Dorf 、マレーシアで毎年PC販売No.1のAcer、 シンガポールのIPC、台湾のMitac,Tatung, など各外国PCメーカーの代理店・販売店がそれぞれブースをかまえています。残念ながらマレーシアには、Dellのように組み立てているメーカーはあっても、独自のブランド名をもったPCメーカーがありませんので、すべて外国製つまり輸入パソコン、よくいって無名メーカーのノックダウン方式当地組み立て、になるわけです。
次の段落のみ後日加筆。
上記のイタリック体の部分表現がまずかったことに気がつきましたので、その部分は以下のように読み替えてください。
独自のブランド名をつけたマレーシアのパソコンメーカーは少ないけどあります。しかし独自に一環生産してないのでマレーシア製品ではあるが、マレーシアの会社が作ったパソコンというには少し気がひけるのです。事実これらのメーカーも Malaysian Product であることを積極的に宣伝してないので、どこ製なのかよくわからないのが現状です。
マレーシア政府はハイテク産業育成をいつも言っているのですが、インフォメーション社会の礎石になるべくパソコンハードウェアー製造が地場産業として育っていないのが現実です。Dellが組み立てたり、Segateがハードディスクを作ったりモトローラのICチップ工場もあるのですが、マレーシア独自のMaid in Malaysia ブランドパソコンメーカーの製品が輸入品を迎え打つようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
お隣りのシンガポールや台湾の一流半メーカーが割安感を前面に立て、ここマレーシア市場で健闘しているようです。私はネットワーク用に台湾製のLEOを使っていますが、皆さんこのブランドご存知ですか?
その他に2、3のパソコンショーがありますが、このMicro Festがマレーシアで最大の一般向けパソコンショーであるのはまちがいありません。毎年このショーの規模と入場者数が大きくなっていくのは、マレーシアのPC市場が伸びている証拠でもありますね。 残念ながら今私の手元に、一般家庭のパソコン普及率がどのくらいかを示す詳しいデータがありませんのではっきり申し上げられませんが、まだ5%に到達していないのは確実です。 昨年のプリンターの販売台数が全部で20数万台と、新聞にでていました。それから推察してもパソコン普及率は数パーセントではないでしょうか?
さてこのMicro Fest を見ても感じることですが、マレーシアのパソコン社会・市場の残念な点は、独自のハードメーカーがないことばかりでなく、ソフトメーカーもないことなのです。
日本の皆さんは意外と思われるのかやっぱりと思われるのかな、当地では既存のMSを中心とした米国メーカーソフトが市場を席巻しており、マレーシアのソフト会社が一般消費者向けに自己ブランドのソフトを発売するのはきわめて限られた市場しかありません。
このショーでは、小学校の教材に準拠した、生徒向けの教育ソフトであるVirtual SchoolシリーズCD版を宣伝販売していたのが目についたぐらいで、Maid-in-Malaysia のワープロソフトや表計算ソフトはまったく売られておりません。売られてないというより存在しないといったほうが正確でしょう。 生徒や児童向けの教育ソフトは他にも2、3ありますがディスケットタイプであり、積極的に宣伝してるとはとても言えない状態です。
企業向けのマレーシア製ビジネスソフトを作っている会社もあるのですが、パソコンショップで売られているわけではなく、ビジネスソフトも一般ユーザーは外国製の英語ソフトを購入してるのが普通です。
パソコンソフトはWindows の独占市場であり、Macは今回のショーでも1、2ブースで展示されていたぐらいの非常なマイナーなブランドですね。 だいたいパソコンショップでMacのソフトを探すことが難しいのです。 新聞では毎週コンピューター特集の別刷りを発行していますが、数十ページあるなかで、Macのぺーじはいつも2ページ程度です。一般ユーザーがMacから入門するなんてことはマレーシアではほとんどないのです。
次回に続く
11月末から今月初めにかけて3,4日ほどヴェトナムへいってきましたので、今週は少し趣向を変えて上記のトピックスにいたしました。
ベトナムというと筆者の世代なら必ずヴェトナム戦争に結びつきます。今はホーチミンシティーと呼ばれるサイゴンは当時幾度となく新聞、テレビ、雑誌で見たものでした。今はその戦争の面影は、タンソニャット空港にのこる古ぼけた戦闘機格納庫と、街で見かける傷痍軍人の哀れな姿ぐらいに見られるだけです。クアラルンプールやバンコクの自動車とオートバイの波がバイク(カブ)と自転車の波に変わっている以外、喧騒と人込みの熱気は東南アジアの大都会のそれですね。
地図で見ていただくとよくわかるのですが、この3都市を線で結ぶと、クアラルンプールを頂点としバンコクとホーチミンシティーを底辺とした二等辺三角形になります。ホーチミンシティーは、新しいエアーバスの航空機を使うようになったヴェトナム航空で、2時間弱で着いてしまう距離です。この比較的近距離をいいことに、筆者は92年以来何回もヴェトナム、主にホーチミンシティーですが、を訪問してきました。
それでホーチミンシティーの特に一昨年(1994年)からの変貌には目を見はらせられます。バンコクが90年頃を境に、あちこちを再開発して高層ビルやホテルを建てはじめたころ、時を同じくしてクアラルンプールの変化も加速されましたね。 ゴールデントライアングルと呼ばれる市内のビジネス中心街や高級住宅地のバンサのみならず、市内郊外を問わずコンドミニアムが増え、高層ビルが建ち新しい形のショッピングセンターが現れはじめました。今にいたっては東洋一という大規模ショッピングセンターも建設中なのです。
少し遅れてホーチミンシティーの変化が顕著になったのは94年からですね。路地が少しずつ舗装され(外国人観光客が多いところは進んでますが、一歩外れるとまだまだです) 住居の改築が目立ちはじめ、それにも増して車が、特に自家用車とタクシーが増え始めのです。以前は半々ぐらいと思われた道を走るバイクと自転車の比率は、このごろは圧倒的にバイクの比率が自転車を上回り、これも増加した自動車の前後左右を奔放に飛ばしていくのです。
バンコクやクアラルンプールのようにスポーツタイプや中型のオートバイがほとんどいない(禁止されてる)のが救いですが、一方通行を逆に走るバイクは一向に減りませんね。危なくてしかたないのだ!! それに2年ほど前まではヘルメットの着用が義務づけられてなかったバンコクと同じく、ホーチミンシティーはヘルメット皆無のバイク天国です。
4百万人だか5百万人だかのホーチミンシティー市内の公共バスは7、8路線しかありませんから、必然的に自分で足を確保しなければならないことになるわけです。そのためもあって女性の運転するバイクは男性のそれに劣らないぐらい多いのです。女性が運転するバイクはバンコクではあまり珍しくないのですが、ホーチミンシティーのそれは男女同権そのものですな(?)
ところでクアラルンプールで女性バイカーはきわめて珍しいのですがどうしてなのでしょうか。ムスリムの女性が女一人でバイクを運転する姿は想像しがたいですが、華人系の女性ならタイの女性と同じようにさっそうとバイクにまたがって走っていく姿を想像できるのですが。 女性のバイク運転は危険?ですって。 交通マナーが悪いのはバンコクもクアラルンプールも同じですね。
文化も民族も違うのに、この3都市の共通点はいろんなところに見られます。例えば道路交通でのゆずりあいのなさと車やバイクの騒音のひどさ、そして生活騒音への鈍感さはその最たるものですね。普段はのんびりとした人たちが、都市の中で暮らし自動車社会を享受し始めるとたちまち 「我先に族」 に変身し、他車を制し、警笛を鳴らしまくり、疾走します。昔日本で交通標語に 「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」 というのがありましたよね、今この表現にぴったりの3都市にこの標語を差し上げたいものです。
80年代後半の一時期タイにのめり込んだ筆者の目には、ホーチミンシティーが何やらバンコク型に向かってるのではと、写ってしまうのです。イスラム教という” 重し”がクアラルンプールの変化にブレーキをかけているのに対して、ホーチミンシティーには共産党という”重し”があるのですが、ちょっとブレーキが甘くなってますね。 もちろんマッサージパーラーの灯かりがきらびいてるなんてことはありませんが。
東南アジアの国々は、わたしの持論でもあるのですが、同国内の都市と田舎(農村)の違いの方が、国と国の違いよりも大きいのです。
このところホーチミンシティーでの私の常宿はファムグーラオ通り近くのきれいな安宿ですが、この一帯はミニ バンコクのカオザン通りですね。白人バックパッカーがたむろし、それを見込んで安宿やエコノミーホテルが、私が訪れるたびに新築、改築されてます。地球の歩き方を抱えた日本人若者のすがたもよく見かけます。欧米のエコノミー旅行者たちはカフェや安レストランで洋食を食べ、コーヒーを飲み、又本を読んで日がな過ごし” 自分たちの村”をつくっているのも、バンコクのカオザン通りに似てますね。
皮肉なことですが、英語がよく通じることを売り物のひとつにし且つそれを誇りにしてるマレーシアの首都クアラルンプールでは幸いなことに、チャイナタウンの一部を除けば、こんな場所はほとんどありませんね。 クアラルンプールは英語がよく通じるから、白人バックパッカーたちがたむろする”村”を必要としないのか、たむろするほどバックパッカーが集まってこないのか、判然としませんが。
いずれにせよホーチミンシティーの空気はだんだんバンコクに似てきましたね。それはちょうど、クアラルンプールを頂点とした二等辺三角形の底辺( バンコクとホーチミンシティー間)が他の二辺より短いことに一致してるかのように。
(パソコンショーは展示即売ショーの続き)
じゃマイクロソフトは何の心配もないかというとそうではなさそうです。いわずと知れたソフトコピー問題がありますからね。 マイクロソフトはよく新聞にコピー防止、オリジナル商品の見分け方の全面広告を打っています。 30リンギット( 約1350円)もだせば、MS OFFICE のコピーCD-Rom が買えますし、ペイントショップとか123のような有名なソフトのコピーCDも簡単に入手できますから、普通のユーザーは500から1000リンギット近くも支払ってオリジナルソフトを、というより手軽なコピーCDに向かいがちです。
このショー会場でもゲームを含めていろんなコピーCDが最低10リンギットぐらいから堂々と、本当に堂々と売られていました。 上記にちらりとふれましたIMBI Plazaでは常時コピーCDの店やコーナーがオープンしており、ゲームソフトを中心としてワープロソフト、ツールなど一通り、また中国語のソフトも数は少ないですがあります、あっていつもにぎわっております。コピーCD-Rom ソフトは当然マニュアルなどついてませんから、そのとなりの店では解説書など売られてます。便利なところすね。!
そうマレーシアでもPCには普通あらかじめ WINDOWS95 がインストールされてるのですが、小さな販売店などでパソコンを購入すると、頼みもしないのに、いろんなソフトをハードディスクにコピーして納入してくれます。
コピー問題は程度の問題なのか、本質的な問題なのかで話の内容はかわってきます。
日本にだってあるから、マレーシアではもっと大規模なんでしょ、と思われる方が多いかもしれません。そのとおり、とひとまず答えておきましょう。
新聞にマイクロソフトのコピー防止広告がでたり、ソフトウエアー出版協会とかいうところが、時々思い付いたように手入れをしてるようですが、それをせせ笑うかのように、IMBI Plazaでは今年になってコピーCD-Romを扱う店が増えたのです。 もちろんコピーCD-Romは IMBI Plazaだけで売られているのではありません。 ショッピングセンター内にあるこじんまりとしたパソコンショップには必ず置いてありますよ。
なぜコピーソフトはよく売れるのかは愚問で、安いからに決まっています。 一枚のコピーCD-Rom の値段はソフト一本の十分の一以下ですし、普通複数のソフトが入っています。 私がここで本質的問題と思うのは、なぜコピー品だけがもてはやされるのか なのです。
上記で述べましたように、マレーシアには自前のパソコンメーカーがあってもそれを積極的に表にだしませんし、ソフト面でも、家庭ややオフィスで使う汎用ソフトはMaid-in-Malaysia 製でなく、すべて外国製なのです。 コピーCD−Romにしても、そのほとんどが香港中国や台湾からの輸入品でしょう。
パソコンの普及率はゆっくり確実にあがっているのに、それに見合って自前のハードとソフトの会社が育ってないのが非常に残念に感じられます。 周辺機器の面では外国との合弁でハードディスクやプリンターをつくっているのですが、シンガポールならサウンドカードで有名な CreativeLabのように、マレーシアメーカーの名前をあげられないのです。 はやくマレーシアのブランドがパソコンショップの棚を飾ってほしいものです。
ソフトウエアーにもどりましょう。 遺憾ながら英語ソフトの独壇場です。 マレー人は総人口の6割弱を占めるのですが、パソコンではいったい何語のソフトを使ってるのでしょうか。 英語のソフトです。 それは総人口の3割弱もいる華人系マレーシア人についても同じようなことが言えます。中文WINDOWS を使っているのは極々少数で、中国語のソフトを扱っている店を探すのには苦労します。
クアラルンプールにいくつかあるやや大きめなコンピューターショップ(コンピュータースーパーストアーと当地では呼んでますが、名前ほど品数があるわけではありません) では一切中国語のソフトを売っていません。英語ソフト一辺倒なのです。
私は何度かいろんなショップで、中国語のwinndowsの技術的なことをたずねたのですが、多少なり中国語のソフトを扱っているショップの店員ですらまともに答えられないのです。
これは中国語諸語(学校で教える北京語つまり日本でいう中国語や広東語、福建語など)を話せても書けない読めない華人系マレーシア人の増加、それは多分に小学校では中国語をならっても中学校以降は国語であるマレーシア語と、英語を取得しなければならない重圧にあるのでしょうが、によるのです。でも中国語でパソコンを使わない一番の要因は、なんといっても将来の経済的利益と英語崇拝の思考です。
マレーシアの国語はマレーシア語なんだから、マレー人をはじめとしてマレーシア語のソフトは使わないの?という声には、残念ながらマレーシア語のソフトはありませんと、とりあえず答えておきます。 必ずあるはずなのですが、パソコンショップを探してもみつからないし、パソコンを使ってるマレー人に聞いても知らない、という答えしか返ってきません。
はっきりいえることは、家庭のであれ企業のであれ、普通のユーザーが簡単に入手できない、つまり買おうとしても売ってないということです。 国語であるマレーシア語のワープロソフトやエディターがないということは、データベースソフトも表計算ソフトもマレーシア語で表示されていないということですね。
じゃ普通のユーザーはマレーシア語で作文などするときどうしているかといえば、英語のワープロ、ワードなりワードパーフェクトを使ってます。マレーシア語のアルファベットは26文字で英語と同じですから、キーボード上問題はないのです。この問題なく打鍵できることが、反対に英語ソフトをマレーシア語に移管するという作業を阻んでいる要因のひとつ、すべてではない、でしょう。
いくらマレーシア語での打鍵は問題無くできても、メニューや説明、ヘルプはすべて英語ですから、英語が相応に達者でない限りソフトウエアー理解力は落ちますよね。マレーシア語のスペルチェックも普通インストールされてませんから、ワープロの大事な機能が果たせないわけです。
一部の教育ソフトを除いて、何故マレーシア語のソフトウエアーは市販されてないのでしょうか?
作っても商売にならない。英語ソフトで十分間に合う。マレーシア語のソフト自体の需要がない。
いずれの答えも当を得ているかもしれません。 しかしここにこそ私のいう、本質的な問題につながるのです。コピーCD-ROMであれオリジナルであれ、ワープロソフトは所詮外国製英語版なのです。販売されてる数少ない中国語ソフトだってほとんどが台湾、中国製ですよね。もちろんゲームソフトはすべて日本を含めた外国製です。外国製のものをコピーしたり輸入するのは、自国製のものをコピーするよりも、取り締まりから逃れる面からも容易でしょうし、使うほうでも罪悪感は多少自国製品のコピーに比べて薄いでしょう。
尚マレーシアでなぜマレーシア語のソフトウエアーが育たないという問題は、即社会言語事情に結びつきますので別の機会に扱うこととして、ここではこのぐらいにしておきます。
英語でVIDEO GAME ARCADE、マレーシア語で PUSAT HIBURAN、中国語で 電子遊戯中心 とよばれています。 マレーシアのビデオゲームセンター略してゲーセンの入り口の扉や道に面した窓ガラスには、上記のうちの1つ又は2つの組み合わせが書いてあります。店の名前は普通示してありません。もちろんなかには目立つように、模様でガラスを飾ったり、 看板を掲げている、きれいで中程度の規模のゲームセンターもペタリンジャにはみられます。が圧倒的に多いのは窓ガラスやドアーの覗き窓を黒いシールドシート(車のウィンドウにはって遮光するテープ)でおおい、内部が見えないようにしている店です。
これではどんな店かわからないではないの?と思われるでしょうが、まさにそのとうり。でもそれでいいのです。 名目上はビデオゲームセンター、実態はギャンブルセンターなのですから。 マレーシアでは当然こういうギャンブルを行うような店や娯楽場は許されてませんから、店内が外からはっきり見えては困るのです。 ですから店内は暗く、ゲーム機の画面だけが明るく輝いています。
普通筐体は古い木製のビデオゲーム機のキャビネットを転用するか、専用の小型木製筐体を使い、基盤はスロットマシーンに使われるタイプの賭け基盤と呼ばれるものを、台湾から輸入して使っています。 タバコをふかした若者や大人が、時には女性や子供たちがコインを筐体に投入し、ボタンを押して、ゲーム?に熱中しているのです。
こんな光景はクアラルンプールやペタリンジャやの中心街ではこの1、2年さすがに減りましたが、郊外や住宅地にある、こじんまりした住居店舗共同地区では逆に増えてきました。 ビデオゲームセンターとは名ばかりの、こんな私設非合法ギャンブル店がなぜ営業できるのか、についてはあえてふれませんが、この問題がトピックスの表題につながるのです。
このようなゲームセンターに子どもや若者たちが出入りすれば,当然親たちは心配、不満ですよね。自治体や警察には以前からたくさんの苦情が寄せられてたようです。イスラム教で禁止されたギャンブルが青年を毒するという議論も強く、各自治体は時々警察と協力して、または独自で取り締まりをしてきたのですが、思ったように成果があがりませんでした。
また マレーシアではビリヤード(スヌーカー)場もゲーム機を置き、小規模なゲーセンもビリヤード台を置いて、という相互乗り入れが普通ですので、クアラルンプールだけでも数百軒が 営業しています。ペタリンジャや各自治体にも,少なくともそれぞれ百を超える店があります。そしてこの間までは確実にその数が増えていました。
しかしここへ来て上記の状態が大きく変わろうとしています。 たしか9月だったと思いますが、スランゴール州政府 (注: クアラルンプールは連邦直轄地なので行政体が別) がその州政府首相自ら、ビデオゲームセンター全面禁止案を発したのです。
新聞の記事で一時この問題を扱う記事が増えたように、社会問題化もしました。スランゴール州の各自治体もペタリンジャを始めとしていっせいに州政府を支持し、その後取り締まり、手入れを活発化してきました。 ただ合法のセンターが10軒あれば非合法のセンターも10軒あるような状態なので、取り締まりは簡単にはいきませんが、警察の協力なしでも各自治体が違反店を処罰や営業停止にできるように、条例を換えじわじわとビデオゲームセンターとビリヤード場を廃業に追い込もうとしています。
州政府はその後、ショッピングセンター内のファミリー娯楽センター、そのほとんどが大型のシュミレーションゲーム機や幼児向けの遊戯具が併設されている、はこの条例からはずす、と多少譲歩したのですが、「 ゲームセンターの新規免許発行と免許更新は一切しない。一年間の免許が切れたセンターは順次廃業・転業させる 」 という方針の根本は変えてません。このままいけば、97年末までにはスランゴール州からすべてのゲームセンターがなくなってしまうことになりそうです。
以前は各自治体が取り締まっても、たいして真剣に受け止めてこなかったゲーセンオーナーたちも、今回は事態が深刻になったことに気がつき、多少手を打ったのですが、既に時遅しというところです。( これは知り合いのオーナーから聞いた話です)
生き残る道は、ゲーセンを他の州に移すか、すでに数百軒も営業している競争率の激しいクアラルンプールに移すかなさそうですが、どうなることでしょう。クアラルンプールでも、ゲームセンターへの取り締まりは以前から時々あるのですが、ただクアラルンプール市政府はスランゴール州政府のように全面禁止令を言ってませんので、本当のゲームセンターも名目だけのゲームセンターも普段通りににぎわっております。
ビデオゲームセンターは上記のようなギャンブル機を置いてる店のほかに、日本の小規模店のような、これはマレーシアでは新しいタイプに属するのですが、店もこの1、2年、特にクアラルンプールの中心街では増えました。マレーシアの ビデオゲームセンターは、小規模の名目だけのゲーム店と大型ゲーム機をたくさんならべたゲーム場に二極分化しています。
つい最近も、大学入学志願書が発売されるにあったて行列の混乱がありました。
たかが志願書といってはいけません。販売される大学入学志願書の数が限られてると言われ、且つそれを多くの親たちが信じ込んでいるので、志願書を発売する数限られた郵便局の前に、発売日の早朝から何百人もの受験生やその親たちが並んで行列をつくったのです。しかしいざ門が開くと例によって混乱となり、怪我人まで出るさわぎとなったと、新聞は伝えてます。
大学数がマレーシア全土で8つしかなく、また私立の大学が存在しないというマレーシアでは、大学の価値は非常にたかいものがあるようで、加えてブミプトラ優先政策もあって、その門はまさに狭きも門なのです。( カレッジという高等教育機関がありますが、これは大学(University) とは位置づけられていません)
この大学入学志願書発売時の混乱をみて、教育省はさすがに販売方法を見直さなければならないと言い出し、又大学の中には志願書は十分にあるから心配するな、という声明を出したところもありました。
この話にはおまけがあって、翌日の新聞には志願書に3倍の値がついて、それを見越して手に入れた若者が買えなかった親や志願者に売りつけていた話が翌日の新聞にでてました。 まるでコンサート切符のダフ屋ですな。
とにかく行列がすぐ乱れる、というよりはじめから列を作らない、並ばない国民性ですから、こいいう混乱は切符を買う時、スーパーで買い物する時、バス電車に乗る時など、いろんな所で起こります。
例えばよく新聞に載ることには、低所得者向けの住宅や人気を呼びそうな建売住宅・コンドミニアムの売り出し時にはいつも購入希望者の行列ができるのですが、それがまたしょっちゅう混乱につながるのですね。
これはバス、ミニバス、郊外電車のバス停や駅では日常見かける光景なるのですが、筆者も時々巻き込まれるのでたまったものではありません。降りる前から乗り込んでくるから入り口で衝突するのは、目にみえてますよね。
ただマレーシアのためにも付け加えていかなければならないのは、どんなとこでも混乱するかというと、けっしてそうではありません。ご安心下さい。
多くの銀行や政府の役所の一部では、ロープを張って利用客がそれに沿って並ぶように誘導したり、番号札発行機を設置してちゃんと番号順に応対するようになってます。
筆者も時々利用する、開通してまだ1年前後の KTM Komuter と呼ばれるクアラルンプールと近郊都市を結ぶ複線の鉄道路線があります。 私の知る限り東南アジアで唯一の近郊都市間電車です。政府も自慢するマレーシアの公共交通整備の一つですね。バスより速くて時間にけっこう正確なうえ、乗り心地快適なので人気を呼んで、朝夕は混んでます。といっても日本の満員電車のように詰め込むまでにはいたってませんが。
ところが利用客の心理とマナーは一向にかわらないらしく、ホームで電車が停まるとドアーから我先に乗り込もうとする光景は、バス、ミニバス乗り場でありが群がるように押し合いへし合いするのと、たいしてかわりませんね。せっかく便利な交通機関ができたのに残念です。 もっともホームの停車位置もはっきり明示してないし、確実にそこに停まるわけではないので、並んでいても列がくずれてしまうでしょうね。
先月(11月)の MICRO FEST に続いて、こんどは ITX’96と名うったコンピューターショーが、先週開催されました。会場は例によって PWTCです。ここはマレーシア随一の多目的会議兼展示会場ビルディングですから、ひと月に数回は何らかのセミナーや展示会が開かれてます。業者、専門家向けの展示会にまじって、一般公開のもありますので、有名ショッピングセンターの MALL(ヤオハンが一角を占めてます。)で買い物されたついでに、目と鼻の先にある PWTCに立ち寄られるのもいいかもしれません。階下にはマレーシア政府観光局のサービスセンターがあり、無料の旅行パンフレットが入手できますしね。
それからPWTC にくっついた形の背の高い建物は、マレーシアの政権党 UMNOのビルです。
さてこのショーは先月の展示即売式の一般向けショーとは違って、主催者のマレーシアコンピューター産業協会が企業、専門家向けを強調しており、情報技術専門家向けのセミナー Infotech Malaysia '96が併催されてます。開会式にはマハティール首相の演説があったことを新聞は伝えてました。
マハティール首相は、建設を開始したばかりの将来の新首都 PUTRA JAYAを世界初の Multimedia Super Corridor にすることを提唱し且つそれを実現させるべく、非常にハイテクコンピューター産業に熱心です。自らアメリカに飛んで、BILL Gatesと会いマイクロソフトの東南アジア本部をマレーシアに持ってくることを、確約させたぐらいです。
余談ですがマレーシアではこういう展示会や大企業のお披露目宴、さらには建物や道路の新規開通式に、大臣や州首相を呼んで演説やテープカットするのが一般的で、新聞やテレビにその写真が必ず出ます.
このITX'96 を後援してる、マレーシア英字紙 NO1を争う New Straits Times紙はそういう写真を比較的大きく扱う傾向があります。そうこの New Straits Times とライバル関係の The Star紙は、先月のMicro Festを主催しました。ちょうど朝日新聞が自社の主催を大きく報道し、読売新聞がまた別の展示会を主催するみたいに。
筆者は一般公開日の土曜日に訪れたので会場は結構混んでいましたが、テーマの「情報社会に向けて」のように、現代のコンピューター技術を企業や先進ユーザーに紹介する姿勢がこのショーには感じられました。
百社を超える出展者の中には、CD-ROM などのパソコン付属品や書籍を販売する展示即売(cash&carry といいます)もありましたが、概して製品を紹介するという姿勢であり、本来のショーというところですね。小ブースの上の階では有名大会社の IBM、NEC、Siemens Nixdorf、Telekom Malaysia、Toshiba、Compaq などがブースを構えてます。ここはさすがに先端のIntranet構築、ビデオ会議、遠隔地からのテレビ医療・学習の紹介、スマートカードの提案など、マルチメディア技術を説明する方式です。
会場の隅ではインターネットカフェの出張店もでてましたが、これは余興ですな。そうマレーシアではCYber Cafeと呼んでいるインターネットができるカフェは、ここ一年でクアラルンプールとペタリンジャヤにいくつか開店しました。筆者は外からしか覗いたことしかありませんので、そのうち報告しましょう
コンピューターショーは年に4、5回あるのですが、一般ユーザー向けとしては先月の Micro Fest、企業向けなら 今回の ITX'96 が最大であり、今年のショーの幕を飾ったのです。 それにしてもマレーシアのコンピューターショーは今回のショーが典型的にであるように、外国製の技術、つまり広い意味での英語ソフトの氾濫なのですね。一体どこにマレーシアのソフト技術が展示されてるのかよくわからないし、マレーシア語のソフトウエアーは、マレー大学だったかのブースを除いて、まったくなかったように見えるのですが。 マレーシアは英語国なのでしょうか?
マレーシア国内ではあまりこのような意見( 心配)をきかないのですが、この上記のセミナー(教育大臣が議長を勤める) のマレー人パネリストの一人である情報技術会社の重役の発言が、新聞に載っていましたのでお伝えしておきましょう。 " the sector( corporate) must not continue to be dependant foreign technology, specifically foreign software " 和訳しますと 「 企業は外国技術、とりわけ外国のソフトウエアーに依存し続けていてはいけない」
こういう意見は私の知る限り少数派に属するのですが、貴重な意見としてマレーシア人が捉えてほしいものです。
最後になりましたが、日本人にはあまりなじみありませんが見逃せない発言を紹介してこの項を終えましょう。
マレーシアはイスラム国ですから、イスラム教は当然絶大な影響力をもちます。パネリストの一人である、公的な宗教機関の代表者の発言も載っていましたので、その抜粋を少しばかり。
「 情報技術 (ITという)はそもそも西洋世界に起源をもつのであるから、それによって得られた知識の価値は当然西洋世界に偏重する傾向がある。 ITが われわれ社会に及ぼす影響をそのままにしておくと、我々の社会がついには西洋社会に影響を受けた社会と同じようになってしまう。 今必要なことは、ITを我々自身の必要性に見合うように舵取りをして 、IT を進歩させていくことである。」 と。